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公園通りの風景

作者: 庄垣彬

秋の風にがい街路樹の紅葉の葉と右手の柵の向うの木々の紅葉が落ち葉となって道路に舞い降りる夕方の街。


立ち並ぶ木々が歩道を覆い、紅葉の赤に彩られたトンネルの様に見える。


公園通りを前園晃はカメラを片手に街の様子を撮りながら歩いていた。


街路樹の立ち並ぶ歩道、手を繋ぎ歩いているカップルの後ろ姿と落ち葉、路肩に止まってる古いminiクーパー、レトロ感がたまらなく晃の心に入ってくる。


時間をかけ、写真を撮り落ち葉の音を楽しみながら歩いていると、古風な木造の建物が目に入ってきた。


小さな洋館で黒目の木目が綺麗な壁、そして入り口を挟んで両側にある出窓、入り口の上に木で出来た看板があり『公園通りの雑貨屋さん』と丸い文字で書いてあった。


外から店内を見ると、いろんな小物が置いてあるのが見え、晃は興味を抱きながら店内に入っていった。


「なかなか、いいねぇ」思わずそう言って店内を見渡す


店内は思っていたより天井が低く、多少の圧迫感はあるものの、木の匂いが漂っていて心地良かった。


幾つかの棚には小物の雑貨が雑然と置いてあり、見ているだけで楽しくなってくるだろう・・・女の子は、そう晃は思いながら見ていた。


お客は数人、何かいいものがないかゆっくり物色していると、幾つか可愛い写真立てを見つけた。


種類は幾つかあるが、晃はシンプルだけど、なんとなく雰囲気がある1つを手に取った。


モザイクの花柄でフレームは作られていて、レトロ風で可愛く思え、買う事にした。


店を出て、公園通りをまた歩きだす。


もう少し歩くと、公園の入り口が見えてくる


歩く速度を少し緩め、公園の入り口を見てみると、女性が1人立っていた。


白いシャツにグレーのセーター、ブラウンのロングスカート、大き目バッグを肩から掛けながら、木にもたれかかり何かの本を読んでいた。


夕日が彼女をいっそう引き立たせ、見ていると一枚の絵に見える。


晃はカメラのファインダー越しに彼女を見つめ、タイミングを見計らってシャッターを押した。


デジタル一眼レフの3インチの画面を晃は見つめ“傑作”そう呟いた。


写真は、紅葉の葉が何枚か舞い降り、木にもたれかかる女性が夕日の柔らかい日差しに照らされ本に目を落としている風景


写真を撮った後、しばらく彼女の姿を見つめていた。


晃は時計に目を移し、ゆっくり歩き始め公園の入り口に向かっていった。


「百合、お待たせ」


木にもたれていた女性が振り向き、笑顔で晃を迎えた。


「ごめん、待った」


晃の言葉に百合は頭を左右に振った。


「これ、プレゼント」


晃は紙袋を取り出し、先ほど買った写真立てを百合に手渡す。


百合は子供のように喜んで、晃の腕に抱きついた。


「よかった、じゃあ、行こうか」


夕闇が2人を包み始め、踏みしめる落ち葉の音が心地よくメロディーの様に響いている。


公園から吹く風が落ち葉と吹き飛ばし、遠くに消えていく2人を見送った。


              End


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