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勇者の婚約者と兄妹近親相姦浮気エッチ未遂~何も知らぬ鈍感勇者はしがない王城勤めの騎士にざまぁされる~

作者: 普通の有明

貴方は勇者です。

―――俺の家―――

 

 「ふぅ、疲れたぁ~ うん? 手紙?」



今日の仕事を終えて家に帰ると、机の上には手紙が置いてあった。


貴族が使うであろう肌ざわりの良い紙でできた封筒だ。


しかし困ったことにこの手紙には名前がない。誰から送られたのだろうか?


ただのしがない王城勤めの騎士になぜ匿名の手紙が送られるのかは分からないが、ともかく中身を見ない限り始まらない。


爆発などの危険がないことを確認した後、封を切って中身を確認すると、そこには時間と場所だけが記されていた。


手紙に書かれているのは時間と場所だけなのだが、その情報がやけに精密だ。


「何時にどこへ行け」だけではなく、そこへ至るまでの道順が示されており、途中地点での時間も事細かに示されていた。


それを見て俺は、この手紙は誰かのいたずらなどではなく、極めて重要なものであると確信した。


なぜなら、指定された場所が後宮だからだ。


後宮というのは下品な言い方をすると、召喚された勇者を性接待するための場所だ。


国中から集められた様々なタイプの女性が戦帰りで疲弊している勇者を全肯定で甘やかし、気持ち良くなることしか考えられなくなるまでトロトロに溶かしてゆく。


そして勇者以外の男が立ち入ることが許されない男子禁制の場所でもあり、自分の女が不義理を働くこともなければ、そもそも男の影すら見ることがないという勇者にとって極めて都合のいい場所、、、それが、後宮という場所だ。


だが同時に、極めて政治的な意味合いの強い場所でもある。


後宮に集められた美女の中には権力者とつながりがある者も多く、彼女たちを介して政治的な裏取引が行われる。


後宮に集まる権力と非合法な裏取引は、皇帝陛下も無視できないほどだ。


俺はそんな魔窟に呼び出しを受けている。






―――後宮のとある場所―――


 自分が持てる最大の注意を払って手紙に書いてある通りに、指定された場所に向かう。


ここは男子禁制だから、見つかったら一貫の終わり、人が接近するたびに命が削れる音がする。


そうしているうちに目的の場所についた、どうやらここは後宮の中でもとりわけ身分が高い女性の部屋のようだ。


俺の生涯賃金では手が届かないような高級品が至る所に置いてある。


部屋を眺めているうちに、一人の女性が入室してきた。


その瞬間、室内は世界一密が甘いとされているグラブの花の香りに包まれる。


俺はこの香りを以前王城で嗅いだことがあった。そこに存在するだけで男を痺れされる香り、勇者の正妻になると噂されているリーゼロッテ・ゼノア公爵令嬢のものだ。



 「こんばんわ、カイさん♪」



その直後全身に甘い痺れが走った、ただ名前を呼ばれ深夜の挨拶をされただけだというのに。


俺はその痺れのせいで動けなくなっていた。



 「うふふふっ♪」



俺のそんな姿に、リーゼロッテ・ゼノア公爵令嬢はご満悦のようだ。


純朴な生息子ではそれだけで達してしまうような妖艶な笑みをされている。


 「ご機嫌麗しゅう、リーゼロッテ・ゼノア公爵令嬢様、私はカイと申す者です。普段は王城にて護衛の騎士をしております。この度につきましては、いかようなご用件でしょうか?」


甘い痺れが充満している体をなんとか動かして、ここに呼び出された用件を聞く。



 「うふふふっ♪ 聞きたいですか?」



躾のなっていないペットに待てをするように、俺をじらしてくる。


すると彼女は俺の耳元までその美しいお顔を近づけて、甘く囁いた。



 「浮気エッチしましょ❤」



ぞく❤ぞく❤ぞく❤ぞく❤ぞく❤ぞく❤ぞく❤ぞく❤


さっきとは比べ物にならない程の男を混乱させる甘い匂いと痺れが全身を駆け巡る。


もうどうにかなってしまいそうだ。


 ぷっつん❤


脳の神経が切れる音がする。


脳をショートさせながら、動かない脳みそを使って彼女の言葉の意味を必死で考える。


けれど、一向に考えがまとまらないので彼女に聞く。



 「う、浮気えっちというのは、どういうものでしょうか?」


 「浮気えっちっていうのはね♪ こういうものよ♪」



唐突にリーゼロッテ公爵令嬢は俺をベットに押し倒してきた。


ベットは純白のシルクでできていて、肌触りがとても良い。


このベットが普段からリーゼロッテ公爵令嬢の玉の肌を包んでいると考えるとよく分からない嫉妬が沸いてくる。


ダメだ、何がどうなっているのか理解ができない。


これは俺などでは理解の及ばない高度な政治的駆け引きなのか⁉



 「あらら♪ まだ状況が分かってないみたい♪」

 「私ね、欲求不満なの❤」

 「だって、勇者さまったら、いつも一人よがりで勝手に気持ちよくなって、私のこと全然気持ちよくしてくれないんだもの❤」

 「こんなの実質オナホよ、オ❤ナ❤ホ❤っ♪」

 「だからね❤ 浮気エッチして気持ちよくなることにしたの❤」



ぞく❤ぞく❤ぞく❤ぞく❤ぞく❤ぞく❤ぞく❤ぞく❤



 「あの、どうして私なのでしょうか?」



荒れ狂う滝のように入っている情報量に頭がパンクしそうになりながらも、何とか質問を返す。



 「それはね❤ あなたが、お❤に❤い❤ちゃ❤ん❤っ♪だからよっ♪」

 「お父様が若いころに性欲を抑えられなくて、メイドと子供を作っちゃったの♪」

 「でも私生児の子供を家に置いとくわけにはいかないから、メイドを適当な男と結婚させて、その夫婦の間に生まれた子供ってことにしたの。」

 「それがあなた。」

 「だから、正真正銘の血のつながったお❤に❤い❤ちゃ❤ん❤っ♪だよ♪」

 


また頭がショートした。俺が、リーゼロッテ公爵令嬢のお兄ちゃん⁉ ほかにもいろいろ情報が入ってきて訳が分からない。一体どういうことだ?



 「だ~❤か~❤ら~❤ 今からするのは、近❤親❤相❤姦❤」

 「めんどくさいこと、いやなことぜ~~~んぶ忘れて、今晩は楽しみましょ♪」

 「お❤に❤い❤ちゃ❤ん❤」



全身を駆け巡る甘い刺激にやられて、何もかもがどうでもよくなって、ただただ気持ちよくなりたいという欲求が俺の中からあふれてくる。



 「リーゼロッテーーーーー‼‼‼」



さっきまで高嶺の花で敬意を払っていた公爵令嬢を呼び捨てにして、ただ淫靡な誘いをする悪い子に育った妹を組み敷く。



 「ただいま」



勇者様の声だ。勇者様が戦場から帰還なされたのだろう。なんてタイミングが悪い。この滾りはどうしてくれる‼



 「あら、惜しい。今日はここまで。」

 「帰りはこれの通りに帰ってね♪」



男を誘惑する香りが急に収まり、業務的な扱いをしてくる彼女の様子を見て、俺は青ざめる。


ここがどこだか思い出す。何をしていたか理解する。


とてもリアルで非現実的な甘い夜を胸に抱いて、彼女の言う通りに唯々諾々とその場を離れて帰宅する。帰り道のことは全く覚えていない。






―――俺の家―――


 朝起きると、そこは俺の家の天井だった。


昨日の夜、リーゼロッテ公爵令嬢と逢瀬をしようとしていたのは本当の出来事だったのだろうか?


あまりにも非現実的で、俺の中の欲求が勝手に作り上げた妄想、夢ではないかと疑ってしまう。


でもあれは、本当の出来事だ。なぜならここに昨日のリーゼロッテ公爵令嬢からの手紙があるのだから。


つまり、勇者様の婚約者であるリーゼロッテ公爵令嬢が俺の妹で、近親相姦の浮気エッチという二重で背徳的な行為をしようとしたということが、夢ではなく現実だということだ。


一晩寝て、罪の重さに押しつぶされそうになりながらも、誰にもばれていないことを、特に勇者様にばれていないことを願いながら、いつも通りに出勤する。






―――王城の通路―――


 勤務中、あの事が頭から離れない。昨晩のことを思い出し、7割の甘さと3割の怯えを抱えながら、仕事をする。


何時ばれるかひやひやしながらも、また危険を冒してでも味わいたいと思ってしまう。


そんなときに、勇者様と出会ってしまった。昨晩やっと大きな戦を終えたばかりで、勇者はたいそう機嫌がよさそうだ。


俺の中でピリピリとした空気が流れ、顔が青ざめる。



 「カイ君じゃーん。おはよう、どうしたのそんな青い顔をして?」


 「おはようございます、勇者様。実は、、、」



ポロリと懺悔してしまう。誰かに話したかったのだろう。その相手が勇者様になってしまったのは何の因果なのかは分からないが。


昨日ある女性から呼ばれたこと。

その女性には婚約者がいたこと。

その女性に押し倒されて、浮気エッチの誘いを受けたこと。

理由を聞くと、婚約者が下手くそで欲求不満になっていること。

実は、その女性が生き別れた妹だったこと。

いざ行為に及ぼうというときに、婚約者が帰ってきて危うく鉢合わせそうになったこと。

いけないことなのに今度はちゃんと浮気したいと思ってしまう自分に心臓が潰れそうなこと。


勇者にその時の状況を事細かく、それでいて大事なことは隠しながらその時のことを話す。


それを静かに聞いていた勇者様がどっと笑う。



 「浮気エッチしちゃえばいいじゃん。そこまでやられて気づけない間抜けな男は、最後まで行ってもどうせ気づかないさ。」

 「俺なんか、宿屋に泊まったら必ず浮気エッチするぜ!」

 「恋人のあなたより強くてカッコイイ勇者様と浮気エッチしてごめんなさいって女の子に言わせるんだ。」

 「その快感がも~う止められない止まらないってな。」

 「で、そこまでやっても気づかないもんだ。」

 「だからさ、彼女を寝取られる間抜け男の心配なんてしないで、浮気エッチしちゃえばいいじゃん。」



と、勇者様から衝撃的なことを言われた。


勇者様の婚約者でもあり、俺の妹でもあるリーゼロッテ公爵令嬢と背徳的な近親相姦浮気エッチをしてもいいと、婚約者を寝取られそうになっても気づかない間抜けな勇者様から許可を頂いてしまったのだ。


その時、件の女性が優雅な靴音をあげながらやってきた。甘ったるいグラブの花の香りを漂わせながら。


そう、リーゼロッテ公爵令嬢だ。






 「よっ、リーゼロッテ! 昨日は最高に気持ちよかったぜ!」


 「まぁ勇者様。こんなところで何をおっしゃいますの。」



こんな公の場で、セックスが気持ちよかったなどとのたまう勇者様を窘める。


昨夜と変わらぬグラブの花の香り。けれど、昨夜の淫靡さとは全く違う清楚で穢れを知らぬ令嬢を思わせる。



 「そうだ、リーゼロッテも聞けよ。カイの奴、昨日すごいことがあったんだぜ!」



先ほど俺が勇者様に話したことを、俺の許可もなく勝手にペラペラと話す。彼女が浮気エッチの相手だとも知らずに。


勇者様からこれを聞いて、彼女は何を思ったのか、ニヤリと笑ってこう言った。



 「まぁ、カイさん。浮気はいけないことですわ。しかも血の繋がった妹とだなんて。なんて冒涜的なんでしょう。」

 「でも、カイさん。私、勇者様に賛成ですの。」

 「そういう悪いことをする女は用意周到ですの。浮気がばれないように色々なことに手を尽くすでしょう。」

 「ですから、ぜ~たいにばれませんの。」

 「その女性はきっと、自分だけの女性が浮気していることに気づけない間抜けな婚約者を嘲笑いながら、カイさんとの兄妹浮気を楽しみますわ。」

 「だから、、、」



捲し立てるように言の葉を紡ぎ、響く靴音をたてながら、俺の耳元まで近づいて、



 「浮気エッチしちゃっていいんですのよ❤」



ぞく❤ぞく❤ぞく❤ぞく❤ぞく❤ぞく❤ぞく❤ぞく❤


この刺激が俺を狂わせる。この匂いが俺の性を煽り立てる。



 「わ、分かりました。俺、浮気エッチします!」



気が付いたら、欲望に従って答えていた。



 「アッハハハハハ! いい返事だ、カイ君! 浮気エッチしちまえw」



勇者様が煽ってくる。まるで自分には関係ない痴話で、遠くから笑って楽しむように。



 「それじゃあ、カイ君! 俺はもう行くわ。今度、聞かせろよな。朗報を待っているw」



そういって勇者様はこの場を去っていった。もう次の戦場に向かわれるのだろう。



 「もう、酷いお方。私には挨拶してくださらないのね。」



リーゼロッテ公爵令嬢が可愛らしく怒ってらっしゃる。


その時なぜか、昨晩のオナホと動く彼女の扇情的な唇を思い出す。



 「ところでカイさん。勇者様の許可も頂いたところですし❤ 今晩早速、生き別れ兄妹の近親相姦浮気エッチしちゃいましょ❤」



ぞく❤ぞく❤ぞく❤ぞく❤ぞく❤ぞく❤ぞく❤ぞく❤

どこまでやったらノクターン行なんだろう?

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[気になる点] 『、』が「,」になって、『。』が「.」になってるので読み難い。
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