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八咫烏と快晴

 ジーニーが食卓に到着すると、そこには彼の両親と義弟、そして婚約者がいた。食卓は壁紙のベージュと緑や木材の茶色以外に、ジーニーと同じ濡れ羽色と空のような明るい青色と炎のような赤色で彩られていた。彼がまだ来ないと思っていたので、あの婚約者ですら朝8時に来ると思っていなかったのか、みんな目を丸くしている。無駄に早く来てしまったような雰囲気が漂う。


 瞬間、母は感動のあまり涙を流し、父はスタンディングオペーションを始めた。義弟はこちらを指さし、何が起きたかわからないような表情でただ一点を見つめていた。

 「ありがとうフランベルジェ様。まさか、ジーニーが7つになってから一回でもこんなことが起こるなんて…」父はどうやら婚約者―フランベルジェ・チャッカマン伯爵令嬢を讃えていたようだ。

 「いえ、私の力ではありませんわグローリ伯爵様。ジーニー様が自らがんばった結果でございます。」裏でジーニーに脅しをかけておいて、フランベルジェは笑みを浮かべて謙遜する。燃えるように紅々とした髪の毛を纏めた二つの下向きの円錐形をなぞった髪型の先端が鋭利なのと、群青の空の色のような瞳の目の目じりがツンと尖っているのに反し、彼女本人は存外常識的な少女なのだ。

 「お兄様が…立って…歩いた…???」義弟は通常伯爵家の長男に取るには不遜すぎる態度で驚愕している。彼が来たのはジーニーが9歳の時なので無理もないのだが。


 そんな中、ジーニー・アッシュはさっさと“本題”に入りたかった。ここに来たのはフランベルジェにどやされないようにするためだが、せっかく来たのだから終わらせてしまいたいのだ。「朝食にしない?」「ごめんなさいジーニー…あなたが侍女に起こされて、もっと遅くやってくると思っていたものだから、まだ料理の準備ができてないの…」母が涙を流しながら言う。どうやら、ジーニー・アッシュはかなりの無駄足を踏まされたみたいだ。

フランベルジェ・チャッカマン伯爵令嬢は所謂ツインドリルヘアーです。

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