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ナマヌシッ!!  作者: おもちもっちもちこ。
1/1

憧れは現実へ

第0話 出会いそしてゲーム


「はあ、はあ、…はあっ!」


走れ。走れ。だって今日はーーーー。


ーーーーーーーーーーーーーーーーー

ガチャッ


「輝彦、おかえ…」


「ただいま!ちょっと部屋こもる!」


ダンッダンッダンッ

勢いよく階段をかけあがる。

だって、だって今日は…



「全く…あの子ったら…」


ガチャッ!!!!


急いでパソコンの電源を付けて…



『はい!みんなどうも〜!!!サウスです!今日も配信やってくよ〜〜!!!』


今日はサウスの定期配信日だ!!!!!!


『初見さんも、常連さんもお茶1個投げてってね〜〜!!!♡』


「ま、間に合った〜〜!」



俺の名前は木野山輝彦(きのやまきよひこ)

春から高校生の15歳。

絶賛春休み満喫中!!!

今日は俺の大好きなゲーム実況者、サウスの定期配信日だ。


『今日は○○BGをやってくよ〜♪

みんなサウスについて来れるかな〜??』


カタカタカタッ

きのこ〈サウス、わこつ〉


『およ?キノピコ殿じゃん!ゆっくりしてってー!!!みんなー!さあいくよー!!』


ピコンッ、 ピコンッ

鳥〈がんばれ!サウス〜!!!〉

キング〈いっぱいキルしてな〜!!!〉

はぁと〈サウスの配信たのしみにしてた!〉


コメントが滝のように流れてる。

すげー…。


「…さすが、サウス。最初から盛り上がってる!かっけーな…」


俺が何故、サウスを推しているのかって?

それは半年前、受験生で成績もろくにあがらず、すごく病んでいた時に、出会ってしまったからだ。


ーーー半年前 塾の帰り道。



「っけ…何故受験というものを受けねばならないんだ…」


俺は毎日、ド陰キャかまして毎日塾に通いながら勉強していた。

毎日つまんねえ。成績もろく上がらないし…。


「輝彦くーんっ!」


聞き覚えのある声だ。

誰だ…?

あっ、


「ゆづ姉じゃん、久しぶり。」


「輝彦くんのキノコヘッドが見えたから話しかけちゃったー!!!えへへ〜♡

てか反応うすーいっ!もっと喜んでよね?」


ニッコリ微笑む、目の前にいるこの女子高生は近所に住む、

東雲結月(しののめゆづき)だ。

いわゆる幼なじみである。


「へいへい、どしたん?」


「あのねっ!輝彦くん、昔ゲーム好きって言ってたじゃん?だからね、報告!!!」


「なに?」


「ゆづね!ゲーム実況始めちゃった!!!」


始めちゃった♡きゃ♡みたいなノリで言われてもしらんがな…


「フリゲのホラゲーとかやってるんだけど、すごく面白くて!!!受験生の輝彦くんに言っちゃうのもあれだけど、配信に遊びに来てほしいな…!!!」(※フリーゲーム 無料のゲーム)(※ホラゲー ホラーゲーム)


「…ゆづ姉が生主!?!?!?」


「そっ♪ナマヌシッ!!これが私のアカウント!待ってるね!!!!」


「ちょっ!あっ待っ!」


アカウントIDが書かれた紙を渡され、ふんふーん♪と鼻歌を歌いながらスキップをして行ってしまった。


いやいや、まじか。

あのゆづ姉が!?


「あ、アカウント名なんだろ、ん?

サウス…?」


????

まあ、いいや、今日は勉強頑張ったからな。

もしこの後、配信があれば行ってみるか。



〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜


ーーーーーーーーーーーーーーーー

ーーーーーーーー

ーーーーーーピコンッ!


ーーー22時、配信通知がきた。

準備していたマイキャスアカウントを開く。


よし。行くか。


〜♪

配信に入るととても陽気な曲が流れていた。


『はい、みんなどーもっ♡どーもっ♡サウスだよ〜!!!!』


閲覧は10くらい。

配信はといえど、いつも通りのゆづ姉だ。


『みんな今日も来てくれてありがと〜!!!♡♡

コメ欄に名前かいてくれた子から呼んでくよ〜〜!!!』


コメント欄は@自分の名前でいっぱいだ。

俺もコメントくらいするか…


カタカタ

きのこ〈 初見です


『わ〜!!!初見のキノコ…?キノピコくんいらっしゃい〜!!』


んがぁっ!!!

変なニックネームつけられた…

キノピコ…って、キヨヒコって絶対バレとるやん。


『ほいほい、そしたらね〜、今日もね、ホラゲやってくよっ!』


ピコンピコンッ


鳥〈まーた、ホラゲか!サウスちゃん絶対泣くやん〜リボチ〈ワロタw泣くなよサウスwwwwww

キング〈泣くに100円www


『みんな待ってwwwどうしたwww

大丈夫だって!!!!泣かないし完走するよ!!』


━━━━━いや無理だろ。

ゆづ姉は昔から怖いものが苦手なはずだ。

苦手なはずなのに…。


『私は逃げないよ。最後まで』


画面がゲームに切り替わった瞬間、

サウスの枠の雰囲気が変わった。


鳥〈ザワザワ…

リボチ〈ざわざわ…

キング〈ざわざわ…


コメント欄がざわざわしてる!?


〜♪〜〜♪


『いざゆかん!!!!!!!!』


ーーーーー30分後


『ヒェェっ!!!出るなら出るって言ってよぉぉおおおおお!!!!!!』


『んぎゃー!!!!!いきなりそこの角からでてくんなし〜!!!!!』


『いけるいける!!!!のあっ!あっ!うそ!!!!』


『えっ、えええ!?こいつ?こいつ!絶対ラスボス!!!!』


全然だめじゃね〜か!!!!!!

みてるこっちが…こえーよ!!!!!


大丈夫か?この枠…


鳥〈やめんのか???

リボチ〈いいんだよ?サウス??

キング〈俺たちは負けるに1000票!!!


『みんな、言ったじゃん。私は負けない、最後まで…』


この言葉を言った途端、サウスのゲームの動きが変わった。


今放送しているこのゲームは、ラスボスから逃げて最後終わるゲームなんだけど、サウスはラスボスに立ち向かったのだ。


『このラスボス逃げるより、立ち向かった方が真のエンドにたどりつけるはず…!!!』


実はこのゲーム、誰も真のエンドにたどり着いたことがない。

あの有名な実況者、ピヨまでもが…


「うがぁぁあああ!!!!!」


サウスはやってしまったのだ。

閲覧数が10だったものが、いきなり1000まで上がった。

ありえんのか?こんなの…


『みんな…わたしできちゃったよ…』


〜♪

真エンディングが泣かれながら


コメント欄はパチコメでいっぱいだった。


リボチ〉888888888888

もくもくはん〉888888

キング〉888888888888888

鳥〉ほら!!!いまだよ!!自分を宣伝すんだよ!!!バカ!!!!!


『…あっ、えと、わたしサウスといいます!!ゲーム配信始めたばっかりだけど、精一杯やってるので皆さんよろしくお願いします!!!』


お野菜さん〉ピヨを越えるんだぞ〜!!!!

名無し@よく寝る〉応援します。

りんご@ピヨなー〉がんばえ!!!!

リボチ〉真エンディングありがと!!!!


すげぇ…。

すごいな。ゆづ姉。

こんな…あっという間に人を湧かせて。

俺もこんな…ぱっと人の気持ちを盛り上げることが出来たら…



高校生になったら絶対サウスのような

配信者になるんだ!と思い、半年間

サウスの配信を見ながら受験を頑張り

俺は無事、志望校合格を決めたのであった。


「今日の○○PGもよかったな…」


明日はついに、入学式。

しかも、ゆづ姉と同じ高校に入学したからには頑張るしかない。

やってやるぞ。

俺もひとの気持ちを元気にして、一緒に盛り上げられるような配信者になるんだ!!!


待ってろ!高校生活!!!!



【0話終わり】

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