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大翔猛撃 スパルダスのわずかな焦り

「ははは、この程度で僕を倒せるか」

まだ『あれ』は出せない、と三夫は思っていた。


 三夫はスパルダスにすごまれ、後ずさりしたもののまだ何か奥の手があるようだった。

ただここで限界の様に見せる演技もしていた。

そういった駆け引きなどの戦い方は世々受け継いでいる。


「うおお!」

そこへ突如ぐわりと割って入るように大翔は切りかかってきた。

剣で空間を切り裂かん勢いだった。


「ぬっ!」

スパルダスが見た事もない今までにない素早く鋭い剣さばき、太刀筋で大翔は切りかかった。

スパルダスの着た鎧やむき出しの皮膚にに少しだけささくれる程度のダメージを与えた。


 


 大翔にとって剣の一撃は確かに手ごたえはあった。

少なくとも戦い始めてからこれまでになく今の一撃にスパルダスは日怯んでいた。


 スパルダスはわずかな傷がついた鎧や皮膚をしばし見つめ眺めながら、冷静さを維持しながらもほんのわずかに戸惑った。少しだけ怒りがある事も露呈していた。

呆然まではいかなくとも少しだけ予定が狂ったような顔をしていた。


「こ、これはどういう事だ。もう魔王のスキルは抜き取ったはずだ」

ささくれ程度のダメージとは言え、今まで自分に傷をつけた相手はほとんどいないのか珍しくかなり動揺した。


 スパルダスは反撃に大翔を殴ったが魔法の効果できいていない。

大翔は攻撃を止めず剣を振り続けた。

大翔に攻撃が効かない事をスパルダスは初めて焦りの色を見せた。

完全にこんなことはスパルダスに取って予想外だった。


「馬鹿なこんなはずはない! あるとしたら最上級勇者が使う『一定時間無敵化』か? 一体なぜ?」

「うおおお!」

剣の心得などない大翔は一心不乱に剣をふるった。


 しかしそこで精霊からアドバイスの声が聞こえた。

「おっと、力任せは駄目だ! 剣にゆだねて体を動かしてもらうんだ」


 大翔は力をぬいた。

しかしアドバイスは続く。

「まだもっと! 0%まで!」


 大翔が完全に力を抜くとまるで剣に体が引っ張られるように軽く、かつ剣は鋭く速く重くなっていった。大翔は勢いに任せ無心にかつ少し制限時間を考え、あせりも同時にありながら攻撃した。

その勢いや威力は先ほどまでの冥王と魔王の戦いを完全に凌駕していた。

「馬鹿な、何てパワーとスピードだ! あの剣と声の主は一体誰なんだ?」


 そして攻撃を避け後ろに下がるとスパルダスは僕にこれほどの打撃を……こんな技が出来るのは勇者しかいないと思うほどたじろぎ危機感も感じた。





ここまでお読みいただきありがとうございます。

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