正魔法教会の兵器
2体の魔王は光線を撃ちまくった、口から。
さらに角から腕から。数発の光線が冥王めがけ飛び交う。
さすがの冥王も防御態勢を見せた。
さらに2体は魔王スキルである「激しい炎」「冷気」も使った。
そのうち、ついに冥王の石像体の肩や手首などにわずかながら傷がついた。
小さいが確かに冥王の手首などの硬質の鎧的な部分にひびが入り破片が飛んだ。
これは小さい傷であるにも関わらず大きな観客に衝撃を与えた。
「冥王様の体に傷が!」
ルディンは割って入ろうとした。
「私が!」
と出たが冥王は手で制した。
「いやいい。それよりお前はあやつらを」
とカノンたちを指差した。
冥王は暗黒のバリアーを張った。冥王の体は瘴気に包まれた。
しかし中島はひるまず指示した。
「うてっ! バリアーを消滅させろ! 冥王は明らかに怯んでるぞ!」
冥王は『2回行動』を使った。
これにより反撃、防御と移動を同時に出来るようになった。さらに高速移動も可能になった。
冥王はガードしながら反撃の波動や光線を出し少しずつ距離を詰めた。
さらに3体の魔王相手に時間差ながら同時攻撃して見せた。
「3回攻撃?」
「いやあれは2回攻撃と高速移動を併用してるんだ」
「遠距離戦だと逆に不利なのか?」
中島はあせった
その頃カノンたちは敵に囲まれていた。
「くっ! 手負いの身でこの数じゃ」
周りを見回すと下級ではあるが手下の魔法使いは30人はいた。
「僕も魔力がもうありません」
と三夫は弱そうな顔をした。
そこへルディンも空から来た。
「貴様たちを逃がしはせん」
カノンたちの顔がさらに青くなった。
一方間合いを詰めた冥王はついに2,3人目の魔王の近くまで下りて来た。
「格闘に持ち込む気か!」
ついに3体の接近戦は始まった。
冥王から2代目魔王に殴りかかり、3代目魔王は冥王を殴った。
2対1のすさまじい殴り合いとなり、それは飛び道具の様に周囲に飛び火しなくてもすさまじい恐怖感を与えた。
あんなのに巻き込まれたら、ここまでパワーが伝わる、と言う様に。
「大変な状況になった。ロゼオムさん」
「うむ!」
状況を察したカノンはついにカードを出した。
「何?」
「あれを使います!」
カノンが詠唱するとカードが光りそこから魔王と同じ位の大きさの巨人型人形が出てきた。
「な、なんだ!」
「これが正魔法教会の兵器」