冥王対初代魔王怪物体 激烈な死闘
「め、冥王様が動く!?」
観客席の黒魔術師たちは震撼した。それだけで怯えて硬直した兵もいた。
しかし1部は
「め、冥王様が本気で戦ったらただじゃすまない」
「どんな事になるんだ?」
「俺たちも巻き込まれて……」
大翔の戦いを見守っていた三夫は思った。
(いよいよ冥王が出てくる。倒すチャンスかも)
大翔は力を使い果たしダウンしていた。
中島は隠れて挑発した。
「冥王出てこい!」
ルディンは空を飛び様子を見た。
「その声は中島か」
「ば、ばれた?」
「何のおふざけだ。何の理由で冥王様にたてつく?」
その時石像姿の冥王は飛びながら闘技場上空へ移動した。
まるで自分が世界の中心にいるかのような威圧した存在感である。
黒魔術師たちはごくりと唾を呑み込んだ。
「魔王、初代魔王の怪物体、相手をしてやる」
緊迫な空気が流れた。
どうやってこの沈黙を破るのか変な期待さえあった。
「吹き飛べ」
そういってまるで冥王は蚊を払うかの様な仕草で手をよこに振った。
それだけで周囲にいきなり風速400m近い風が巻き起こった。
「あ、あああ!」
これで多数の黒魔術師が飛ばされた。
「くっくっく」
冥王は笑った。
しかしさすがに魔王怪物体は重いためびくともしなかった。
冥王は見下しにやにやしているような声を出した。
魔王怪物体は上空を睨んだ。
そして熱戦を額から発射した。
熱戦は一直線に冥王めがけて飛び命中した。
ドオンと冥王の体に大爆発が起きた。
煙の中から冥王がにやり笑いの声で現れた。
はた目には効いていないのか強がっているのか今ひとつわからない。
しかし焦げ跡はあっても外傷はゼロだった。
一部の観客の黒魔術師たちは口をあんぐりさせていた。
「あ、あの熱戦の威力もとてつもないが、喰らった冥王様も平然としている」
「どこの世界の戦いなんだこれは! 次元が違う!」
客席は騒ぐものと凍りつくものがいた。
カノンは懸念した。
「あれを使うか」
中島にもまだ余裕があった。
「まだ魔王は数体いるんだ」