魔王のスキルと怪物始動
大翔は魔王の意識内に入りスキルを確認した。
・黒の波動
・波動投擲
・激しい吹雪
・灼熱の火炎
・テレパシー
・物質浮遊転移
これらが並んでいる。しかも下に効果が書いてある。
まるでゲームの説明書だった。
『黒の波動:相手に一定時間畏怖の念や圧力を味あわせる。物理ダメージはない』
これを使用したため、クラーケンは一定の精神ダメージを受けた。しかし元々体が巨大である。簡単には屈しない。
「波動投擲はさっき使ってたな。この火炎や吹雪ってなんだ?」
『魔力と関係なく、火炎や吹雪を口から吐き出せる。魔力とはエネルギーが別換算でかなり強力な魔法と同威力、上位モンスター並みの威力である』
「魔力なしで使えるのか! これだ!」
スキル「灼熱の火炎」を使用した。すると熱が大翔の体内で激しく湧き上がり生成され口まで出かかった。
「口から吐くのか!」
大翔は自分でも驚いた。
大翔の口から三夫の大火球には劣るものの相当上位の火炎魔法と同じ威力の火炎が発射された。まともにクラーケンは食った。
「何だあれは! 口から吐いてる!」
「魔法じゃないのか?」
ロゼオムとカノンは驚愕した。
「そろそろあれを出そう。大翔君は疲れ切ってる」
さらに大翔は「激しい吹雪」を使った。大翔の口から低温度の吹雪が吐き出されクラーケンを襲った。すさまじい吹雪である。
『これは息の調整により強弱をつけられる』
と説明にある通り息を強くしクラーケンを攻め続けた。
「クラーケンが凍らされる!」
黒魔術は騒いだ。
「いいぞ! 『あれ』の出番はないかもしれん!」
冥王は苛立った。
「ええいクラーケンめ何をしている」
ルディンはなだめようとした。
「大丈夫です。まだ強力なモンスターを召喚できます」
ロゼオムは言った。
「さっきあの魔法使いは軽々とクラーケンを召喚した。とするとまだ魔物が用意されているかもしれん」
カノンは
「とすると大翔君を助けるためあれを召喚する必要が」
その時、闘技場は揺れ、壁が破壊され穴があいた。
「何だ?」
黒魔術はさわぎになった。
穴の開いた壁の向こうからとてつもない咆哮が聞こえた。
それは過去の魔王の怪物体の1つだった。
「まだ3体いるぞ」
中島はほくそ笑んだ。