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自分であるために

「鈴木」と「中島」を間違えておりました。申し訳ありません。10月26日名前部分改稿しました

 ベヒーモスの背中に乗った大翔は手から電撃を浴びせ続けた。

さすがにこれにはベヒーモスは苦しんだ。

角に電撃を蓄えていると言っても、である。


「グルアアアア!!」

苦しみのあまり雄たけびを上げもだえたベヒーモスだったが、ただ苦しんでいただけではない。


 その状態で角から雷撃を出して大翔に浴びせた。

もちろん大翔は雷属性ではなくなっているためこれは効いた。

「!!!」


 大翔にとっては非常に痛かった。

しかしここで倒れられない大翔は歯を食いしばり顔をゆがめながらも声を発しなかった。


相手が生物と言え、ここで弱さを見せるわけにいかなかった。


「ぐっ! ぐぐ!」


 意地でも背中に乗ったまま叫んで痛みを表現しないと決めていた。

さらに雷撃が大翔を襲う。

「ぐ、ぐぎぎ! 根競べだ!」


 大翔はさらに電撃を放出し続けたが、ベヒーモスは電気に強いためかいまいちダメージ効率が悪い。

その為殴る攻撃に切り替えた。


 大翔は腕から黒い瘴気を出して腕にグローブの様に纏わせ、それでベヒーモスを何発も殴った。

「あれは闇属性の攻撃」

「うむ、暗黒の力を使っている。その事に対し大翔君はどう思っているのか」


 その頃中島は魔王の脳保管庫に入っていた。

そこには瓶に歴代の魔王の脳らしきものが魔法の設備によって復活の為エネルギーを注入されているようだった。


 瓶に外側からチューブが設けられ、瓶に液体と脳が入っている所にエネルギーを注入しているようだった。

「これが魔王の脳?」


 中島がさわると電気で痺れた。

「あちちち! どこかに電気のコンセントとかあるのか?」


 中島は周りを見回した。

「これかな?」


 そのコードを外すと電気は流れなくなった。

「これで脳を取り出せば」


 中島は回想した。


 2時間30分ほど前中島はルディンに連れられある部屋に行った。

「モストチルドレン養成室?」


「そうだ、見ろ」

ルディンの言い方はひどく冷たかった。


中島は恐る恐る中に入った。


「あっ」

そこには椅子に座らせらえた小学生くらいの子供達が瞑想しながら詠唱を繰り返していた。40人はいる。


異様な雰囲気だった。


 中島は驚いた。

「これは一体?」


 ルディンは言った。

「これからお前の上司、いや主となる少年たちの育成室だ」

「えっ?」

中島はかなり衝撃を受けた。


「モストチルドレンと呼ばれる彼らはお前とは比べものにならん資質をもってここで訓練を受け、子供でありながら高い地位に就く。そうすればお前など奴隷同然だ」


 これはさすがに意表を突かれた上心外だった。

中島は「自分は優秀で人の上に立つ」意識が強い。

「下」「奴隷」と言う言葉が強く引っかかった。


「そ、そんな! アダラング様達は僕を優秀と見込んで黒魔術にいれたと! 奴隷何て冗談じゃない!」


 ルディンは中島が熱くなっても動じなかった。

「思い上がるな。素人に比べれば確かにましだが、貴様よりはるか上の資質を持った少年は大勢いる。貴様は降格しこいつらの元で働く。そしてカードゲーム同好会の様に負けた時は自決してもらう。爆発してな」

一貫してルディンの目つきと言い方は冷たく厳しい。


(だましたな……)

中島は内心思った。


 回想をやめ中島は思った。

「あの冥王は地上を侵攻しようとしてる。僕だって人間の端くれだ。この魔王の肉体を起動させ冥王を倒してやる」


 その頃闘技場ではしびれを切らしたルディンが空に浮いた。

「このままではベヒーモスがやられます冥王様、行きます」


「うむ」

ルディンは冥王に許可を取った。


 カノンたちはさすがに驚いた。

「あいつ飛んで浮いてる」

「何と言う魔力だ」



 ルディンは闘技場の中央上空へ飛んで移動し、詠唱を始めた。

異様な光景に観客は固唾を飲んだ。


 詠唱が終わるとどこからか光に包まれた巨大な、10mはあるイカの怪物が闘技場入口に召喚された。

「召喚した!」

「あんな巨大な奴を!」


「またでかいの出てきた、こいつをはやくやっつけないと!」


そう思った大翔はベヒーモスの背中から降り精神を集中した。


 それはさっきも行った魔王の脳の中だった。

そこには技が記憶として並んでいる。それを大翔は調べた。

(あいつを倒すのは大きな技が必要だ)


「待て!」

記憶の中の大翔の前に魔王の意識が立ちふさがった。

「まて!貴様さっきも言ったが私の技を勝手に使う気か! この体の所有権は私にある!」


 痛いところを突かれ大翔は言い返すのに間があいた。

「確かに技を身につけたのはあんたで所有権はあんたかもしれない。でもここで負けるわけにはいかない! それに僕だってこの体でそれなりに生きて来たんだ!」

「貴様が私の邪魔をしてまねいた事態だろうが」


 今度は即座に言い返した。

「僕はそうするしかなかったんだ! 自分の体で親友を殺せるわけないだろう!」

「偽善者ぶるな!何が友情だただの小僧のくせに!」


「あんただって人間だろ!」

「屁理屈を!」


「あんただって国の平和の為尽くしてきたんだろ! 人間と魔族の為に! 僕だって同じだ!」

この一言に魔王は珍しく言い返さなかった。


「たとえ僕が人の物を勝手に使う事になっても僕はここで負けられない! 生き方も変えたくない! それが僕なんだ!」

と言い大翔は精神集中し技の準備をした。


 大翔掌に直径50cmほどの黒い球が出来た。

(これが魔王の奥義)


「闇晶玉!」

そう言って黒い球を放つと球は凄まじいエネルギーを発してベヒーモスに向かった。まともに受けたベヒーモスは倒れた。


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