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獣の猛威と決死の反撃

「ぐうう!」

大翔は叫んだ。


 両者のぶつかり合いの中、さすがにずっと小さい大翔は押されていた。ショベルカーを正面からぶつかり迎え撃つようだ。汗がにじみ。足が後方に押し出されそうだった。

「ぐががが!」

「グルル!」


 それでも大翔は渾身の力で押し続けた。こちらの方が力が先になくなりそうなのは分かっている。

4つ足に対し体勢も不利だ。


限界を超えた圧のかかる手足から蒸気が出そうな雰囲気である。


 両者ともに筋肉が鳴動するようだった。大量のエネルギーが胎動しているのが目に見える。

ベヒーモスは凶暴性を表現しぶつけるように。息を荒く吐いている。


しばらく両者のぶつかり合いは続いた。


 観客はかたずをのんで見守った。

さすがにカノン達も懸念した。

「一体どうなるんだ」


 するとやや押され気味の力比べの均衡を破るように、うまく大翔は相手の力を利用するように下から掬い上げ投げた。


 ベヒーモスは反対側にひっくり返った。

「ば、バカな!」

「あのガキ化け物か?」


 これには騒然となった。

さすがに黒魔術師たちも慌てた。


 さらに大翔は仰向けにダウンしたベヒーモスに隙を与えないように即座に飛びかかってのしかかりパンチキックを浴びせた。

しかしベヒーモスは前足の蹴りと暴れる事でいやがるように大翔をぶっ飛ばした。


 ベヒーモスは起き上がり体勢を立て直し息を吸い込むと力を溜め、大翔が「ん?」となった隙に

口から熱の息を吐いた。

「ぐああ!」

大翔は予測できずこれを避けられず全身に食ってしまった。


 攻撃は続いた。

息継ぎもせずベヒーモスは吐き続けた。


「あああ!」

高熱に大翔の体が焼け悶えた。目にまで当たっていた。


「次の攻撃だ! ベヒーモス!」

静観していたルディンが突如立ち上がり叫ぶと次はベヒーモスの角から雷撃サンダーボルトが放たれた


 これも大翔に直撃した。

「あああ!」


 体が焼けるような思いだったが大翔はあまり表情を変えようとしなかった。

それは皆に心配かけたくなかったからかもしれない。


 さらにベヒーモスは竜巻を起こした。

大翔の体が巻き込まれ宙に浮き叩きつけられた。


「次の攻撃だ」

とまたルディンが指示した。


すると闘技場のタイルがはがれて何十枚と浮き上がり、ベヒーモスの魔法の力で合体した。


「なんだありゃ!」

と客席がどよめいた。


 そしてそこから隕石の様に大翔めがけ落下し激突した。

ほぼすべてが大翔に命中した。


大翔はぴくぴくしていたがやがてぴくりとも動かなくなった。


「勝負あったな」

とルディンはほくそ笑んだ。


 倒れた大翔を見てベヒーモスは雄たけびを上げた。

「くそっ!」


と三夫は入ろうとしたがルディンが入り叫んだ。


「邪魔はさせんぞ魔法使い!」

「くっ!」


「踏みつぶせベヒーモス!」

ベヒーモスは大翔を前足で踏みつぶそうとした。


 何とか転がって避けた。

しかしまた前足が襲ってきた。

それを避けてもまた前足が来る繰り返しだった。


「ふはは! 踏みつぶせ!」

しかし足場がもうなくなり追い詰められ、大翔は起き上がり一か八かベヒーモスの頭上にジャンプし背中に乗った。

「何!」


 意外な行動にルディンは叫んだ。

のしかかった大翔はパンチを雨あられに浴びせた。


 苦しむベヒーモスは雷撃を起こし大翔に食らわせた。しかし

「ぐうう!! こっちも電気を食らわせてやる!」


 大翔は渾身の力でベヒーモスの体に電撃を流した。

苦しむベヒーモス。

「意地でも離しはしない! 流し続けてやる!」


電撃は20、30秒と続いた。


 驚いたルディンは冥王にアドバイスを求めた。

冥王は叫んだ。

「くっ、クラーケンを呼べ!」

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