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人と魔物の取っ組み合い

「ベヒーモス」「ヘビーモス」等の誤字を直しました。10月27日。

「よし、やってやるさ!」


大翔は拳をたたき合わせ、先ほどまでの緊迫した雰囲気とはとはまた違う自信に満ちた表情をして見せた。


 とても激闘を終えたばかりとは思えない。

流石に三夫は懸念した。

「大翔君、大丈夫なのか?」


「大丈夫、心配しないでくれ」

と大翔は肩を叩くように声をかけた。


ゆっくりと大翔はベヒーモスの方を向き歩き出した。


「さてと」

自信満々でベヒーモスの待つ闘技場対角線上に向かって行った大翔。

それは強がりなのかはた目には分からなかった。


どちらなのかわからない雰囲気を黒魔術師達に与えた。


 そして野次が飛んだ。

「そいつはもう虫の息だ、やっちまえ、ベヒーモス!」

「そうだそうだ!」


「ぐ、ぐるる……」

この野次を聞いて煽られたように唸りを上げるベヒーモスに冥王は指令した。

「行け! ベヒーモス! 小僧を仕留めろ!」


それを聞いたベヒーモスは僕が偉大な主に答えるかの如く吠え声を上げた。


 顔を一旦地を舐めるように下にむけ、力をためてから点に向かって雄たけびを上げた。

「グオオオオ!!」


 まるで溜めた力を天に向かって吐き出すようだった。

誇りを吠えで表現するようだった。

低音の叫びが地鳴りの様に響いた。


 イラつき抑えが効かず今にも突進しようと身構えている。

待合場にいたからかもしれない。


 そしてついに火ぶたは切られた。

「はじめろ!」

魔法使いの1人が合図した。


 ベヒーモスはいきりたち、前足で地面を何度も蹴り突進の準備をした。

もう合図はなったがそれでも少し警戒して様子を見てもいるようだ。


 大翔はその気迫に負けまいと向かい合ったが少し余裕がなくなり緊迫した表情をした。

両者が激しく見つめ合う。

少し大翔が睨み負けているかもしれない


 そして足蹴り後、ついにベヒーモスは大翔に向かい突進した。

全身の筋肉とりわけ足の肉が躍動する。


 闘技場が揺れ動きそうだった。

それはまさに闘牛士を狙う牛の様だった。


 大翔は迎え撃つか避けるか決めかねているようだった。

「大翔君! よけろ!」

カノンは叫んだ。


 大翔は一切攻撃をせず、まるでマントでかわすようにひらりとベヒーモスをかわして見せた。

「おのれ! まだだ!」

冥王は叫んだ。


 突進を一旦ストップし大翔の方を振り返ったベヒーモスは再び突進してきた。

相変わらず地鳴りのような衝撃と音がする。


 これも無駄な動き無く近くに来るまで落ち着いた表情の大翔はジャンプしかわして見せた。

しかし、野次馬の魔法使い達は野次を飛ばした。


「へい! どうした! 逃げ回ってばかりじゃ勝てんぞ」

「正面衝突が怖いのか?」

「やっちまえベヒーモス!」


 またべヒーモスは赤い物を見て高ぶった牛の様にダンプカーのごとき勢いで突進してきたが大翔はこれも何とかいなすようにかわした。


 ベヒーモスはブレーキをかけるように先ほどより速く反転して再び大翔のいる方に突進してきた。少し大翔は意表を突かれた様だった。


「よけきれるのか?」

カノンたちが叫んだ後、大翔はその場にとどまり真っ向から突進を受けた。


 それはまるで相撲のようだった。

両者の大きさは全く違うが。


「ぐっぐぐ!」

「グルル……」


「ぐおお!」

相撲の取り組みの如く1人と1頭のこう着したぶつかり合いは続いた。

両者とも凄まじい気迫で正面激突を続けた。

普通に考えればベヒーモス圧倒有利のはずだが。


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