表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

68/166

三夫の悔恨 復活の友情

「ぐっぐぐ……」

爆発の煙が収まるとそこから傷ついた大翔が出てきた。

大翔は確かに生きて立っていた。


ぼろぼろであったが……


大翔は自分の技を自身の身に受けかつ三夫の魔法も受けた。


 その結果、完全に黒焦げではないが体に相当な熱と衝撃を受けてしまっている。

周りの闘技場の床のタイルははじけたり焼けたりしていた。


 満身創痍の仁王立ちと言う奴である。

その姿を見て会場は騒然となった。


 カノンは聞いた。

「生きてる、けど大丈夫なのか?」


 ロゼオムは答えた。

「あれほどの大エネルギーを一気に食うなんて通常ありえん」


 三夫は大翔のぼろぼろの姿を見て愕然とした。

一体、自分は何をしていたのかと。


やっと、現実に戻り直視した。


 目の前で自分のせいで大けがした大翔がいる。

親友をこの手でボロボロにした。

ためらいなく。


 三夫は自分の心を強く責め葛藤した。

精霊に操られた、それは仕方ない、いや仕方なくなかった。

確かに戦いを避けようとした。


 しかし本当に自分の心を主張したか。

大翔を救おうとしただろうか。

その為に努力したり自分を犠牲にしただろうか。


 それに宿命に従う変な責任感が邪魔していた。

(僕は、この手で大翔君を……)


 その時大翔は立ったまま意識がある事を主張するようにつぶやいた。

目はもちろん完全にうつろだ。


「う、うう……」

「大翔君!?」


「ぼ、僕は、まだ大丈夫だよ、良かった。これで三夫君を自分の手で殺さずに済んだ」

 ふらつきながら大翔は無事を主張した。

それも三夫の心配を軽減させるためだった。


 三夫はそれを見て自身の力のなさを恥じ崩れ落ちて泣いた。

人目もはばからず。


「う、うう! ごめん大翔君! 僕が弱いせいで戦いを避けられず、君をぼろぼろにしてしまった! すまない、僕は何も出来なかった! 親友の君に!」


 しかし大翔は三夫を責めなかった。

「いや、それを言うなら僕も同じさ、僕もやっとぎりぎりで自分を出せたんだ。それまで魔王の言いなりだった」


大翔は自責の念に苦しむ三夫をねぎらった。

「自分も同じだったんだ」と言いたかった。



しかしその様子を見た冥王は立ち上がった。


「うう!」

周りの部下は一気に緊迫感と恐怖に包まれた。


「どういう事だディード! 説明しろ!」


 魔王はテレパシーで冥王に話しかけた。

(冥王様……申し訳ありません。私の内側にいた人間の意思が勝手に暴走しました。私の意思でなく勝手に肉体が)


(何、そなたの意思ではないと言う事か)

(はい、別の人間が勝手に操っています)

(ふむ!)


「闘技場の門を開けろ!」

と冥王は叫んだ。


 すると闘牛場のようなモンスター待機場所の柵が上方に開いた。

中からグルルと重く恐ろしい声が聞こえた。

そして闇に目が光った。


相当な大物怪物である。


 暗い待機場所の中には巨大な牛型の怪物がいた。

足は筋肉の塊、背中にはとさかの様なひれのような毛の束と複数の角があった。

全長5mはある体だ。


 カノンたちはどよめいた。

「何だ、あの怪物は!」

「あれは、ベヒーモス?」


 冥王は命令した。

「あの小僧を倒せベヒーモス!」


「よし、良いだろう! やってやるさ!」

大翔は傷も忘れ腕を合わせた。



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ