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中央激突

 前述したが三夫の性格は「戦いを避ける平和主義者」と「運命に従い受け入れ仕方ない事でもする」と言う2つの人格、考え方が相半ばしている。


「戦いたくはない」

「運命ならばやらなければならない、それが歴史上皆がやって来たことで僕だけ逆らうわけにいかないんだ」


 そして1度は「平和主義の性格」の方が力が強くなったが、また「運命を受け入れる性格」の方が力が強くなってしまっている。


 それは三夫が元々「運命、しきたり」等の決まりごとの様な言葉に弱いからだ。

そのため

「やはり大翔君と戦う」

と自分に言い聞かせていた。


 精霊はこの時とばかりに話しかけた。

「精霊に逆らうのは大間違いだ。貴様の先祖達が戦って来たことを否定するのは個人の意思で事は許されない。貴様は先祖の意思を踏みにじる気か。個人の意思で先人の歴史的戦いを無駄にする気か」 


こう言った言い方に三夫は弱い。彼の頭に先祖たちが魔王と戦っている映像が映し出された。


「未来のために!」


 と言い先代の兵士たちは戦って散って行った。さすがに先祖が散る姿は辛かった。

「でも僕は大翔君とは戦えない……」


 精霊はさらに畳み掛けた

「どのみち勝たなければ冥王に殺されるぞ」

「だからどうすればいいか考える」


「この状況と時間で何を考えるんだ」


 また三夫の脳に映像が出た。

それは三夫の父とは違う人物が赤ん坊の三夫に魔法をかける映像だった。


「君の人間界にいる父は君の父ではない。東ミランドで生まれた君は父の大魔法使いに魔法をかけられ人間界に移された。将来魔王と戦うために。その運命からは逃げられないのだ」


 これがさらに三夫の気を重くした。

(大翔君、君を倒さないといけないのか)

三夫は伝統、宿命などと言う言い方に弱くそれを精霊に知られてる感じだ。


 その頃地下の魔王の身体の保管室に鈴木は来ていた。

「どうしました?」

と管制係が鈴木に気がつき声をかけた。


 とっさに鈴木は

「あっ、ちょっとルディンさんに見てこいと」

「そうですか」


「これはまだ動かないんですか」

「先代魔王の魂が無いと動きません。それが脳であり制御装置の様な物です」


「それはどこに?」

「あっちの部屋に」


 鈴木は脳が置かれている保管室に足を踏み入れようとした。

(冥王を止めるにはこれしかない)


 一方三夫は苦しんでいた。

「だめだ、精霊の力に勝てない。僕が拒絶する事は東ミランドの人達の気持ちを捨てる事だ」


 一方大翔も魔王に話しかけた。

「あんたの力も借りてなんとかしたい」

「何とかってどうするんだ?」


「三夫君に話しかける」

「そんな事をしたらインチキだと疑われるぞ」


「じゃあほかの案は」

「お前の全ての電気エネルギーをためろ。そして挑発しろ」


「どうするんですか」

「あいつと決着をつけるしかないだろう」


「そんな事は!」


 大翔は電気を走ってためるのをためらった。

「どうした。早くしろ!」

魔王はせかした。 


「今はあいつを倒すしかないんだ」

「くっ、僕に何か力やアイデアがあれば……」


「早くしないと冥王に殺されるぞ」

「殺されてもいい」


「殺されればそこで終わりだ。だが生きれば先がある」


「あんたみたいな悪人の言う事を聞くとは……」

「じゃあ他に何か案があるのか?」



 やむなく大翔の意思で魔王の身体に電気をため全身から電気を発した。

「これをくらわせてやる!」

と魔王は叫んだ。


 三夫はこれを見てやむなく大技の準備をした。

(あのエネルギーに対抗するにはこっちも大技を……大翔君、君も操られているのか)


 大翔は悔しがった。

(運命より、自分に出来る事がないのがつらい)


 ギャラリーは三夫を見て皆口々に言った。

「長い詠唱だ。おそらく相当強力な魔法だ」


 そして魔王側は力を溜め終わった。

「よし俺の魔力とお前の電気力の複合をあいつに撃つぞ!」

「ごめん三夫君!」


 三夫は精霊に動かされていた。

「僕も覚悟を決めた!大火球ヒートドーム


それは決め技ともいえる超大型火球だった。





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