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三夫の葛藤 大翔の葛藤

 戦いは続いていた。

激しい両者の光弾や炎が中央でぶつかりあい煙を巻き起こした。


 しかし三夫は迷いがあった。

彼の心の中で複数の人格と考えがぶつかっていた。


それが明らかに顔に現れ周囲に何となく伝わっていた。


 ここは、三夫の心の中の空間だった。

複数人の三夫の姿の人格が人の姿で並んでいた。


そして主張し合っていた。


 三夫の心の中で最も平和主義な部分が強く主張しようとしていた。

「何とか僕の力で呪いを跳ね返せば、精霊にも宿命の言いなりにもならなくてすむ」


 と、押されていたはずの「弱い、平和主義の三夫」が突如主張し始めた為、「責任感の強い2番目の三夫」はうろたえた。


「で、でも魔王を倒すのが僕の様な大魔法使いの役割で、それをしなければ魔王を倒すものがいなくなってしまう」


 さらに「いつもはひっこんでいる欲張りな三夫」が顔を出した。

「僕は欲張りでも戦いを避け大翔君を助け、魔王も何とか食い止めたいよ!」


 さすがにこれに「責任感の強い三夫」は反論した。

「君はいつも引っ込んでいて「実はいい人と思われたがる欲張りな三夫」だろう! それは戦わず自分がいい人と思われたい。自分が傷つかずいい人と思われたい傲慢さがそういう事を言うんだ。そんな虫のいい話はない! 誰かが犠牲にならなければ平和を作れないんだぞ。皆そうしてきたんだ自分の友達だけ助けたいなんてわがままだ」


 「欲張りな三夫」は反論した。

「ぼ、僕は友達だけ救いたいとは言っていない! ただむやみに人を殺したくないだけだ!」


「君が言うと偽善的に聞こえるんだ」

と「責任感の強い三夫」は冷めた目で見下し言った。


しかしここで「平和主義の三夫」は言った。


「僕は「虫が良い」と言われてもいいし「友達だけひいきするな」と言われても良いけど、ただ避けたいだけなんだ戦いを」


これにはシーンとなった。


 しかしここで精霊が割って入った。

「もし君が戦いを放棄すれば、君の次の代に呪いが持ちこされ、さらに強力な呪いがかかってしまう。自分の子供にそんな思いをさせたくないだろ? さらに戦いに負ければ魔王に魔力を奪われてしまうんだ」


「そんな!」

「やはり、ここは戦うしかない」

 と「責任感の強い三夫」は言った。


 しかし「平和主義者の三夫」は珍しく怒った

「「しかない」なんて気持ちで人と戦うのか? 人の命を奪っていいのか? そんなのただ都合よく宿命のせいにしてるだけじゃないか。自分で決めてないじゃないか? 僕は避ける、大翔君との戦いを!」


 「責任感の強い三夫」は怒った。

「理想ばかり言うな! どんな方法があると言うんだ!」


 大翔は気づいた。

「三夫君には明らかに迷いがある! チャンスだ! 僕から呼びかける!」


 しかし魔王は拒絶した。

「まだそんな事を言ってるのか?」

「あんたは人間界には興味ないんだろ?」


 少しだけ魔王の心がぐらついた。

「ああ、まあ」

「それだけでも伝えたい」


 しかし魔王は冷めていた。

少し汗を流しながらも。

「今そんな事をしている暇はない」

ほんの少しだけ何かを感じたようだった。


 大翔はこれまでと違う言い方で説得しようとした。

「僕はあんたに言われたように直情型ですごく頑固だった。でもあんたの力がないと駄目な事もあるってわかった。だからあんたと心を1つにしたいんだ!」

「心を1つにだと!」







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