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牢の中の葛藤

誠に申し訳ありません。誤字を発見いたしました。59行目「今度こそ魔王を倒す」でなく「今度こそ冥王を倒す」です。意味が通じなくなってしまっておりご迷惑をおかけしました。

「本当か」


 冥王はこれまでにない威厳のある声で問いただした。

その声は重く部屋に轟いた。


 魔王は必死に態度を正した。汗が流れている。

「は、はい、当然でございます。私はあなたに逆らうと言うこの世の物とは思えない愚かな過ちを犯しました。しかしあなたの力は身を持って理解しました。これからは貴方への永遠絶対服従を誓います」


「重ね重ね聞くが本当か」

重さはさらに増した。


 当然魔王の恐怖も増した。 

「はい!」


 その時、魔王の心にほんのわずかに、このまま騙しとおせると言う油断が生まれた。

その瞬間だった。


冥王の巨大な手が魔王を叩きつけ打ちのめした。


「あ、ああ!」


 先ほどと同じ強烈すぎる1撃であった。

しかし冥王は「魔王が従ったふりをして切り抜けようとしているか否か」についてはそれ以上問わなかった。


問わない事がむしろ魔王に見抜かれているのではないか、どうなのかと言う強い不安感を与えた。


「魔王よ……」

「は、はい……」


「今からお前を牢に入れる。そこで少し頭を冷やせ。それと毒についてだが、1定時間だけ効果のある中和剤を注入する。そしていずれ来る大魔法使いや正魔法連中を倒し、今度こそ真実に礼を尽くすと言うなら今回の反逆の罪はなしにしてやる」


「本当でございますか?」

「疑問に思うならまず自分の勤めを果たせ」


「は、ありがたき幸せ」

「ふん、本心とは思えんがな、まあいい」

 恐怖と痛みの中魔王は必死に声を絞り出した。



 そこへ後方の扉があき手下の魔法使いが入ってきた。

「お呼びで」

「こいつを牢に入れておけ」


「はっ!」

魔王は手を取られ連行された。


 そして同じ階にある牢屋に入れられた。

そして少しして大翔の意思はまた戻った。


 大翔は脳内会話した。

「ねえ、何であいつに謝るの?」

「それしか方法が無いからだ」


 大翔は激しく不満がった。

「僕は嫌だ。悪人に頭を下げるなんて、それなら最後まで戦って死んだ方がましだ」

「頑固なやつだな。私が死にたくないから、こうしたんだ」


「この体は僕の物でもあり命も僕の物でもあるんだ」

大翔は自分が絶対正論を言っていると言う強さがあった。


「うるさい。いっておくがな、貴様は元々将来洗脳され兵士にされる自由などない赤ん坊だったんだ。それを私が選び乗り移った事でまがいなりにも人間界で生活を送れたんだぞ。平和にな」


 しかし大翔は納得しない。

「僕を利用していただけじゃないか」

「自分の分をわきまえろ。私は魔王、貴様はただの赤ん坊だぞ。私の決定を拒む権利がどこにある」


「人間に人間を支配する権利何てない」

「理想論を言うな。どこの世界も力を持った者が世界を支配し動かすのだ」


「僕はそんなのごめんだ」

「随分ご高説を垂れているが、貴様が助かったのは私の演技のおかげなんだぞ。どうやって毒を抜くつもりだ。毒を根性で抜く気か?」

「うっ!」

初めて大翔は痛いところを突かれて気持ちが弱くなった。 


「貴様が生きていられるのは私のおかげだ。それを肝に銘じて言う事を聞いてもらうぞ」

「どうするつもりなんだ?」


「決まっているだろう。まず大魔法使い達を倒して再度冥王の配下になる。その後奴が作った怪物の身体の器を再度もらいその上で力を蓄える。そして今度こそ冥王を倒す」


 その頃三夫達の前に中島が現れ一馬をとらえた鞭を炎で焼き切った。

ジャクレイは困惑し問い詰めた。

「どういうつもりだ。裏切りか貴様」


 中島は表情を変えずに振る舞った。

何を考えているのかわからない。

「そんな事ありません。今があいつを倒すチャンスだと思ったからです」


「誰がそんな事をお前に頼んだ?」


「グニールさんです」

「嘘をつけ」


カノンたちはひそひそ話した。


「仲間割れ? もしかして、これで隙を突けば」


 そして、一馬はジャンプしジャクレイに飛びかかった。

剣が上空から振り下ろされ見事にジャクレイの鎧に大きな傷をつけた。そして明らかに肉体にも届いた。

「ぐあああ!」


 着地した一馬は言った

「悪いな。俺は卑怯が大嫌いだ、だがどうしてもこうするしかなかった。あんたが笑いたければいくらでも卑怯と言ってくれ。100万回言われても構わない」

「ぐぐ……」


 三夫はジャクレイに対し構えた。

「道を開けて下さい。開けなければとどめを刺します」

「ぐっ! くそっ!」


 ジャクレイは咄嗟に隠していたナイフを投げた。それがカノンの左足に当たった。

「ぐあ!」


 カノンは悲鳴を上げた。

「くくっ! 貴様も出血箇所が2か所になれば速く戻って治療しなければ出血多量だぞ」

「僕はいい、大翔君を助けに行くんだ」




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