三夫の謎 カノンたちの決意
6行目「ダンテや~」と16行目「三夫は~」の部分がうまく先頭1文字空ける事が出来ない状態で、半角にしているわけではありません。
「三夫君!」
皆は叫んだ。
三夫の放った高レベル光弾で多くの数の手下の魔法使いを撃退した。
しかし灰人太を人質に取られた大翔は屈服を余儀なくされ連れ去られようとしていた。
魔法使いたちはダンテの指示でひずみから大翔をその中の黒魔術学園に連れて行こうとした。
ダンテやアダラングを先頭に、部下の魔法使いたちは大翔をそれこそ大勢でつかみ次元のはざまに入っていった。
「大翔君がさらわれる!」
キッドは叫んだ。
その瞬間、三夫がものすごい跳躍力を見せた。
「うおおおお!」
オーラに包まれはるか上空へ三夫は跳び上がった。
皆が驚愕する中、大翔がさらわれるのを追う為三夫は地上50mはあるひずみに貼りついた。
手と足を空間のはざまに押し付け開こうとしている。
「う、ぐぐぐ!」
「三夫君!」
地上の皆は叫ぶ。
三夫はなんとかひずみを入れる大きさにこじ開けようとした。
実は三夫には物理的に凄い力がかかっている。
重さと温度が凄まじく次元の入り口にはあるのだ。
地上でマークはこれまでにないほど驚いていた。
「一体何が起こってるんだ。彼は一体?」
マークにトライブは答えた。
「あの魔法は体を軽くし、かつ高く跳ぶ為の呪文を併用しています。だからあんなに高く跳べるんです!」
しかしマークの疑問はそれではなかった。
「いや、それもすごいが、一体なぜ彼がそんな事が出来るようになっているんだ」
トライブは推測を投げかけた。
「彼は覚醒した? それとも私たちに秘密を黙っていた? どちらでしょう」
マークは疑問に答えを出そうとした。
「ううむ。彼が魔方陣を使える理由は知らないと言っていたが、さっきから意味が良くわからない事を言っていた。とすると彼は正体を隠していた? いやそうなら今まで戦いに加わらなかったのがおかしい」
その時キッドは言った。
「彼はある大魔法使いに似ている……」
皆は驚いた。
「だ、大魔法使い……」
その時カノンが前にでた
「あの先に黒魔術学園の本部がある。よし僕も!」
マークはさすがに止めた。
「待て! 君だけで行くのはあまりにも無茶だ。そもそもここにいるメンバー全員で行っても勝てるかどうかだ」
しかしカノンは振り向き強く言った
「だからと言って手をこまねいているわけに行かないし三夫君を放っておくわけにいかない! 僕はずっと捕まっていたから役に立ちたい! 皆さんは怪我してるからここで待ってて下さい」
「2人だけで行く気か!」
さすがにマークは危惧したがその時後ろから声が聞こえた。
「俺も連れて行って下さい!」
「一馬君!」
そこには一馬がいた
一馬は回復呪文で傷はふさがっていた。
一馬は辛く申し訳なさそう、かつ悔しそうな顔をしていた。
「俺は本当に何も出来なかった。大翔を取り戻したいのもそうですが、このままじゃ大翔や皆さんに申し開きできない!」
「しかし!」
カノンは止めようとした。
勿論一馬のけがは治っているが半分素人の彼を危険にさらしたくなかった。言葉を選ぼうとして見つからなかった。
しかし一馬は続けて言った。
「情けない男でいるのは嫌なんです!」
その時退魔の剣に埋め込まれた宝石が光った。
「あれ? 何だ?」
(君に力を貸そう)
一馬の心に誰かが語りかけた。
「あ、あれ?」
一馬の身体がぼうっと青白く光った。
皆が疑問に感じたが一馬は行く事だけ言った。
「とにかく俺も行きます」
「勿論俺も」
ロゼオムも続いた。
カノンは決意して言った
「わかった、三夫君を加え4人で」
マークはその決意を受け取った。
「死ぬんじゃないぞ絶対に!」
その頃三夫は空間の中に入り込みアークデーモンと戦っていた。知性の高いアークデーモンは思った。
三夫はびゅんびゅん飛び回りながら光弾を撃って見せた。
はたからみると何発も高位魔法を使っているのに一向に疲れた様子が無い。
(何だこいつ、何でこんなスピードと魔法力が、しかもこの次元のひずみを何事もなく飛び回っている、一体……)