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一馬対マヴロウ スターマーク対中島

スターマークは怒りを抑えながら体を震わせ教えるように中島に言った。


「知っているとは思うが、私たちは人間の幸せの為に人間界に魔法学校を作ろうと活動している。だから君の様に黒魔術学園に心を侵食された人を放っておくことは出来ないのだ。だから必ず救う!」


 中島は一見して動揺しているのか心の中は良くわからなかった。

しかし相変わらず石の高い所に相手を見下ろして立ち、ずっと年上のスターマークを馬鹿にした。


いや人間そのものを馬鹿にしているようだった。そして笑った。


「へえ? 僕を救う? 僕は自分の意思で強制されたんじゃなく黒魔術学園に入ったんだ。なぜならここは僕の力を生かし、ここに属す事で自分たちがいずれ世の支配者になれる、そう思ったからさ。だれも無理やりやらされたんじゃない。黒魔術学園の理想に共鳴したんだ」


 スターマークは相手が子供だからこそ救いたいと思い必死に呼びかけた。怒りを抑えながら必死に相手の側に立った。


「自分の仲間があんな目にあわされてもか」


 ほんのわずかだけ中島に動揺が見えた。

見た目には分かりにくいが。


「あんなやつら、仲間じゃない、ただの下僕とでも言うべきか。僕は生まれつき優れた恵まれた、人生を約束された人間だ!」


 マークは続けた。

「君は言葉を取れば人の心がない人間だ。だが私はそうじゃないと思っている。君は黒魔術学園にたぶらかされただけだ。」


「僕が? 笑えるね」

中島はまだせせら笑っていた。

さっきよりも大きな動揺があるのかはよくわからない。


 スターマークは忠告するように言った。

どこか心配が見て取れる。

「笑っていられるのは今だけだ。だからそうならない様君を救う」


 中島は困惑したがまた嫌味を言った。

「あんたは随分自分の力を過信しているね。人に人をそう簡単に救えるとでも? 東山も飯塚もあの通りじゃないか? 何が出来たんだ?」


 スターマークはこの時、今までになく憤激した。

「大翔君もキッドもトライブも皆君の仲間を救うため必死だったんだ! 確かに助けられなかった! しかし助けようと命を懸ける事が最も大事な事なんだ! 結果が最も大事かもしれない! しかし君は子供だ。今は『そうしたい気持ち』の方が結果より大事なんだ!」


 人、仲間の命、そしてそれを助けようとした者の心を馬鹿にした中島についにスターマークは感情をあらわにした。


「こんなマークさん見たことがない」

三夫が言った。


 キッドは

「僕も長い付き合いだけどめったにないよ。これは本気だ」


 スターマークの怒りを感じ取り中島は答えた。

「僕を子供と思って甘く見るなよ。魔法力だってあんたよりあるんだ。試してみるか」


 しかし挑発されてもマークは動揺しなかった。


「君は東山君や飯塚君と変わらない。自分が強く優れた恵まれた人間と思っていても、何も変わらないんだ」


少しスターマークは情けない気持ちで訴えかけ、中島を憐れんでいるようだった。


 その時マヴロウはアダラングに何やら耳打ちした。

「私が出る」


 マヴロウが前に出た。

さすがに甲冑に包まれ長槍を持った姿はひときわ威圧感がある。


 中島は不満そうにした。

「えっ、2対1ですか? 僕に任せてくれればいいのに」


「うるさい。思い上がるな。私も行く」

マヴロウは答えた。


「待った!」

その時後ろから大きな叫びが聞こえた。


 後ろを振り向いた皆は驚愕した。

信じがたかった。


 大翔が東山を担いで立ち上がった。

「早く彼に手当を」

と大翔は言った。


 2人とも確かに黒焦げの様である。

「ま、まさか、あいつが!」


 この時中島ははじめてはっきり動揺した。

キッドは喜んだ。

「大翔君!」


「何? 東山が生きてるって!」

「早く治療を」

 

 中島は言った。

「なぜ敵を助けるんだ。馬鹿か?」


 マークは言う。

「それが彼の生き方だからだ」

「ふん、ばかばかしい!」

中島はやけだった。


 大翔は言った。

「2対1なら僕も行くよ!良いでしょうマークさん!」

「俺も行く!」

「一馬君!」

一馬が躍り出た。


「あいつの槍は危険だ。俺も剣で戦う」

「なめるな小僧。貴様の剣裁き程度で俺の槍を防げると思うか」


「俺は剣道もやってたんだ」

「バカか? ガキの遊びと付き合えるか」


「じゃあ、2対1ならいいでしょ」

と大翔は言った。


「ふん。まあいいだろう」

「たのむぜ、不死身の戦士!」

と言われて大翔は照れた。


 一馬は剣を構えた。

(俺も大翔の前で恥ずかしくない生き方をしたい。そしてマークさんの前でも!)


 2人の向き合いが周囲の空気を重くしていた。これは両者の力が拮抗していないとこうはならない。


 意外な事に気迫でもマヴロウに負けていない。

一馬はマヴロウと大翔に負けたくない気持ちの両方があった。


 気迫だけは負けたくなかった。

一馬もかなり無理をしている。

「さすが一馬君だ!」


(ほう、真崎大翔以外にこんなガキもいるのか。ん?)

「あのガキ、何者だ強い魔法力を」

アダラングは三夫に大きな力がある事に気づいた。


「くっ、汗がにじみ出る」

「怯えているのかガキめ」

マヴロウは威圧し挑発した、


 大翔は黙って見ていた。

(一馬君は1対1にこだわる人だ。ここは黙って見ていよう)


 明らかに一馬が押されっぱなしで必死に食らいついているとしかいえないにらみ合いの末、ついに一馬は切りかかった。

(このままじゃ負ける!)

と言う焦りからであり「勝つ!」と言う気持ちは弱かった。


 しかしマヴロウは笑いはしなくてもせせら笑うようにほとんど動かずほんの少し槍を動かしただけで剣を払った。


「うわっ!」

さすがに一馬は跳ね飛ばされた。

「馬鹿にするな。この俺がガキの剣道ごっこに付き合わされるとは」

「くっ!」


 すぐに一馬は起きにらんだ。

「何だその目は、まさか『お前には負けない』とでも言う気か」


 強がりの中に強さがあった。

「その通りさ、大翔にも」

「なめるな!」


 ついにマヴロウは接近してきた。

「うわきたっ! えい!」

大翔は光弾を撃った。それがマヴロウにかすり体勢が崩れた。

「今だ! うおお!」


 一馬は切りかかった。マヴロウは体勢が崩れた為さっきより防ぐのが遅れたが槍で防いだ。

「ぬっ!」


 一馬の剣が光りはじめた。

「奴の魔法力に剣が反応しているのか?」


 一馬は振り返っていった。

「すまない大翔!」

「一馬君。僕が援護射撃する!」

「お前怪我は?」


「2人がかりとはいえガキ相手に」


「僕の魔法力を見せてあげるよ。食らえ!」

火柱を何発も放ちスターマークは囲まれた。

「はっはっは燃えちまえ!」


 しかしマークは覆面を取った。そこには30歳位の長芋のような形の顔と険しい彫の深い男の顔があった。しかし驚いたのは頬にあった大きなやけどであった。


 中島は

「何だそのやけど? 今出来たのか?」


 トライブは叫んだ。

「違う! それは以前のお前ら黒魔術学園との戦いでついた傷だ!」

「えっ!」


「そして、お前ら黒魔術が操った子供の兵士を攻撃出来ずつけられた傷だ!」

「え?」


 中島は激しく動揺した。

(こ、こいつが子供をかばって?)


「走る少年大開戦~精神、発達障害者の小学生が魔法決戦に巻き込まれる~」の文字数がもうすぐ10万字となりました。自分の中では「偽られた死者」は文字数がこれより少ないのですが書く事にかなりの推敲を必要とし時間がかかった思い出があります。今回の方が早く書き上げる事が出来ましたが、自分の中では課題が凄く多かったです。


この作品は何回にもわたる急激な路線の変更により読者の方々に戸惑いを与えたと感じており、またそれによりキャラの個性、テーマ、方向性も一貫性を維持するのが難しい感じになりまして、試行錯誤をしながらの運転になっています。


最初は発達障害の主人公がどうクラスになじむかと言う事でしたがこれは丁寧に書いたはずでしたがPVが伸び悩みました。その後転校して競争に巻き込まれる話にしましたがこれも今1つでした。


その後謎の生徒との戦いから巻き込まれる話にしたら1時的にPVは増えました。これはなろう全体がファンタジーが好まれる傾向があるからかもしれませんがその後落ちました。これはやはり期待外れだったかもしれません。


「①大翔の魅力を生かせているか。②最初の学校の生徒達が出番がなくなった③魔法使い達のキャラはこれでいいか④魔法の詳細な設定⑤敵の魅力」


自分で気になるのは①や④ですが、特に⑤は「カードゲーム同好会のような気弱な面々を脅して使う」のがややせこいと言いますか何と言いますかで、本当なら強い魔法使いを多く差し向けるのが盛り上がったと思います。あと正魔法教会と黒魔術の因縁をもっと書いておき成り立ちの説明はもっと速く書いておきたかったです

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