相撲部での奮闘
11月23日文体がおかしい部分を訂正しました。
休み時間、番取が大翔に話しかけてきた。
「よーう! もうこの学校は慣れたか?」
クールで重くどすが効いている。
大翔はわずかに考え込み答えた。
「いや、あまり慣れてない。何か毎日体が痛くて」
番取は大翔の反応に笑った。
「ははは……この学校は朝礼も体育も厳しいだろ」
大翔は肩を触ったり体の痛みを気にしながら言った。
「うん、前の学校と全然違う厳しさだよ。あんな朝礼あるんだって思った。体育も準備運動で校庭30周だし」
番取は言う
「まあ、うちの学校は日本古来の精神で成り立ってる。技術とかもそうだけどまず心と体って感じで。先生も堅い人ばかり」
大翔はすっかり疲れて言った。
「体育の先生と数学の先生が合わさったような厳しさだよね。今そういうのあまりはやらないよね」
「まあもうすぐ絶滅するんじゃない?」
と番取は笑いながら言い
「ところで寮生活は慣れた?」
と質問を変えた。
大翔は昨日の事を思い出した。
「その事だけど、灰人君って知ってる? 僕のルームメイト」
番取はえっと言う顔をした。
「あいつがルームメイト? はは、そりゃ災難だな」
「?」
番取は説明する。
「ああ、あいつね。体力がなくて鍛えるために内の学校来たんだけど全然ついていけなくて体育で『もう駄目です。帰らせて下さい』とか吐いて泣きやがった。あの根性なし! あいつと同じ部屋なんだ!」
番取は完全に嘲笑っていた。
(根性なしはちょっとひどい気がする……)
と大翔は内心思ったがまた話を切り出した。
「きつい練習して寝泊りして、何か相撲部屋みたいだね」
「相撲部屋、まあそうだな。普通に親と暮らしてた小学生にはいきなりハードだな。違う世界を見たようで。俺は全然平気だけど」
大翔は感心した。
「全然平気なんだすごいね」
「だんだんホームシックにかかるやついるよ灰人も」
大翔はさりげなく諭した。
「灰人君からかうのやめなよ」
「あいつは深い病にかかってるからな。お前も移されてホームシックになるなよ」
大翔は突っ込んだ。
「部屋二人揃ってってどういう部屋だよ」
「あ、そうだ! お前部活どうする?」
「えっ部活?」
大翔はいきなり切り出されどきっとした。
「お前ガッツも運動神経もあるじゃないか。初めてのドッジボールでみせてもらったぜ!」
「でも今でもきついのに部活……」
そこへ別の生徒が割り込んできた。
それは大翔に初めに「新入り」と声をかけた少年である。
「奈良君」
奈良は言った。
「真崎、この学校は進学するときエリートスポーツ枠になるのは知ってるよな。それは学校内の活動が評価されるんだ。もちろん部活もその1つだ」
「そうなんだ、部活やってた方が有利なんだね」
「ああ、だから皆部活をやってる。みろよあいつ」
奈良が指した方を見ると小学生はなれした巨体の生徒がいる。
「うわあ……」
「あいつレスリング部だよ、であいつは相撲部」
みると巨体の少年がいる。番取は
「おれはサッカー部だからおすすめするけど」
「僕はやっぱり陸上部」
そう答えた大翔に番取は言う。
「いや格闘技がいいと思う」
「えっ格闘技?」
これは大翔にとってかなり意外だった。
番取は話を進めた。
「そうだお前は体が小さ目だから鍛えてもらうんだ。丁度いい、今仮入部出来るから相撲部に仮入部しろよ」
「う、うん、仮入部なら。あれ?」
大翔が教室を見回すと一人小柄でやせ形、しかしどこか気取った金持ち風の少年がいた。
大翔は変に気になり聞いた。
「彼は何かスポーツやってるの?」
「ああ、玉越? あいつはやってない。帰宅部だよ」
番取は説明を続けた。
「いつもカードゲームとかやってるやつ。体小さいのに何か気取ってるんだよな」
「最近あいつの周りで何か変わった事が起きるんだ」
「えっ?」
大翔の背筋が寒くなった
「あいつと仲良かった木崎ってやつが学校来なくなった」
「えっ木崎?」
ドキッとした。
まさに核心であった。
さすがにこれはいても立ってもいられなかった。
ついに手がかりを発見した。
はっとした大翔はついに木崎=カノンのてがかりをつかんだ気になり玉越の方へ行った。
「ねえ、君、木崎って人知ってる?」
「えっ知らないよ!」
といって教室を去った
「ま、待って!」
教室からでた玉越を追いかけるとすでに姿を消していた。
(おかしい)
番取は不安そうな大翔の気を和らげるため言った。
「あとで俺と奈良と一緒に相撲部行こうぜ」
その頃ロッド・キッドは名前を変えて転校してきた。
「呂戸木戸(仮)といいますよろしく」
「キッド君、やっと会えたね」
「遅くなってごめん。色々調べものしてたんだ」
「でカノン君の事なんだけど、ちょっと」
「わかった。その少年を見張っておくよ」
相撲部はやはり大きな少年ばかりだった。さすがに身体が小さい大翔は委縮した。大翔は部長に連れられ挨拶をした。
大翔は勢いよく挨拶した。
「真崎大翔です! 宜しくお願いします!」
稽古が始まった。まずはスクワットだった。
みな非常に苦しそうだった。
(体が重いからきついんだろうな)
さらに手押し車をやった。
(これはきつい)
さらにうさぎ跳び、ダンベル持ち上げ等をやったあと張り手の練習をやったが、これは初心者のため免除された。また体制を低くしそのまま手を前に出しながら前進等をやった。
先輩が試合形式の稽古を始めると4年生は見学に回った。
そしてついに大一番。
6年生は言った。
「ぶつかり稽古始めるぞ!」
(僕もやるの?)
部長の次の次に強い6年生の猛者が来た。4年生たちは次々ぶつかり倒されていった。
「よし! 仮入部お前もだ!」
「はい!」
6年生は大声で言った。
「声が小さい!」
大翔は再度言った。
「お願いします!」
すごい体格の6年生が大翔の対角に立ち挑発してきた。威圧感もすごい。
「かかってこいチビ」
(チビだと~ばかにするな)
憤慨した大翔はそう言って渾身の力でぶつかっていったが、あっさり倒された。
「どうしたチビ!」
「くっ! くっそ!」
6年生は嘲笑っている。
大翔は向かって行ったが投げられた。
「はあ、はあ!」
大翔は息を切らした。
「どうした!」
6年生は檄を飛ばす。
「何かぶつかる前に投げられてるみたいだ」
6年生は挑発した。
「チビかかってこい!」
(チビチビうるさいな! くやしい!)
しかし大翔はまた投げられた。
「くっ!」
さすがに意気消沈した。しかし
「僕にはガッツも足の速さもあるんだ!」
今より体制を低くし、初めよりぶつかる時により速いスピードが出るようにした。
6年生は驚いた。
「ほう、少しだけ変わったな」
(よし、少しだけ見た相撲の本に書いてあったやり方)
さらに大翔は向かいあった。
「これが最後だ」
と6年生は言った。
もう大翔も汗だくでぼろぼろだった
「うおおっ!」
大翔は勢いよく前に出て相手にぶつかる瞬間さらに体を前傾姿勢にして勢いをました。
ぶつかられた6年生はこれまでになく苦しんだ。
「ぐっぐおお!」
「うぐぐ!」
少しの間6年生はぐらついたが、大翔は投げ飛ばされた。
「はあはあ」
「やるな!」
と6年生は褒めた。
番取と奈良が駆け付けた。
「良かったぞ!」
やがて練習は終わった。
さっきの6年生が来た。
「お前見どころあるよ。ぜひ入部しろよ」
「はは、まだ決めてません」
大翔は照れた。しかし1つ心残りがあった。
(玉越君と言う人何かあやしい……)
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