さらなる脅威
これが偶然勇気の剣に当たりはじけた。
聖霊は気づいた。
「あいつの技剣が合えばはじけるんだ」
大翔も納得した。
「なるほど剣で防御を固めるんだね」
真也はまた指指しで攻撃してきた。
大翔は上手く衝撃波を防ごうとした。
しかし、真也の攻撃は剣の間を抜ける針の穴を通す様だった。
「ぐっ!」
大翔はダメージを受けた。
それは的確に大翔が防御していない場所に当たった。
寸分の狂いもなく。
大翔は真也の正確無比な攻撃に苦しんだ。
「こっちが防御してないところを正確に狙ってくる」
次に真也はまるで次の段階に移すかのように風をおこす団扇のように手を軽く仰いだ。
これも独特な余裕のある嘲笑うような動作だった。
彼にとっては空気を払うような感覚かもしれない。
しかし実際はそうではない。
突如強風が高速で大翔に襲い掛かった。
「ぐわあ! 吹き飛ばされる!」
大翔の心理状態を表すような風だった。
瞬間に台風が起きた様だった。
さらに真也は次の攻撃の為どんどん歩を進める。
また彼が指を指すと大翔の体のいくつかの部位を体を棒や針で突かれるように衝撃が襲った。
聖霊は思った。
「威力は大したことないがあいつ遊んでるようなもんだ。そして様子見か試してる」
真也は今度は指ではなく手のひらをすっと前に出した。
「うわっ!」
激しい全身を襲う衝撃波で大翔は吹き飛ばされた。
さらに追い打ちの衝撃波も決まった。
「ぐわ!」
大翔は壁にたたきつけられた。
「うう」
真也はほくそ笑んだ。
「勝負あったかな?」
しかし大翔は屈しなかった。
「なんて強く速い攻撃だ。だけど」
真也は警戒した。
「ぬっ!」
大翔は剣を構えた。
「剣の波動で押し切ってやる!」
大翔が大振りに剣を振ると、グランがした様に広い光の波動が一直線に真也を襲った。
だが真也は手で軽くはじき返した。
「ふふん」
「くっ、まだだ!」
大翔は2発3発と撃っていった。
しかし同様に防がれてしまった。
「ああ!」
大翔は覇気を無くした。
真也は水平に手を切る動作をした。すると切り裂くようなかまいたちが起こり大翔の顔に傷をつけた。
「ぐあ!」
大翔が痛みに叫ぶ。
さらに真也は足をずんと踏んだ。
するとそれだけで床が揺れた。
さらに、である。
大翔が体勢を崩したところに突如真也は飛び込み顔を殴った。
初めて素早くかつ大きな距離を飛ぶ動作を見せた。
その重い一撃たるや大翔の精神が破壊されかねないほどだった。
一瞬大翔は何が起きたか分からなかった。
しかし今まで食ったことのない痛みと顔のゆがみを感じ吹き飛ばされた。
真也は馬鹿にしていた。
「まだ、全然軽い一発だと思うけどね」