義手の猛威
「こっちだって!」
大翔はルディンに光弾を放ったが左腕ではじかれた。
「くっ! さすがに今までと違うな」
大翔には辛さと同時に相手を称えた感もあった。
ただ、まだ余裕もあった。
「違うに決まっているだろう!」
その言い方は圧倒的な自信と復讐心に溢れていた。
「う、うわっ!」
大翔の体が浮かび上がった。
ルディンは義手の念力で大翔を持ち上げた。
息も苦しくなりあがいても外れなかった。
逆に強い力で封じられた。
「そうだ!この腕はこの部分だけで特殊な力が出せるのだ」
大翔は身体全体を激しく締め上げられた。
凄まじい圧がかかる。
「す、すごい力だ。こ、これほどとは」
「貴様の体を念力で押しつぶしてやる」
まるで巨大な見えない万力のようだと感じた。
「鋼鉄の万力か!ぐぐ!」
さらに、ズドン!と言う音と共に急に落下させ地面に叩きつけた。
大翔はぐったりしている。
しかしルディンは容赦なかった。
「もう1撃だ!」
持ち上げ別の場所にたたきつけた。
激しく締め上げながら叩きつける攻撃だった。
「貴様にはこの義手が繰り出す強大な力には逆らえまい!」
「ぐ、ぐぐ」
大翔は圧迫に潰されそうだった。
(あいつの言ってることは本当だ。義手の超能力だけならスパルダス並かもしれない)
「貴様の体を締め上げ、潰しねじきる!」
「ぐ、ぐぐ!」
大翔は見るからにつらそうだ。
「苦しいか?しかし私が腕を切られた苦痛はこんなものではないがな!」
「ぐあ!」
大翔は血を吐いた。
「なんかあいつと言うより義手と戦ってるみたいだ」
「どうした?、魔王の力があるのなら見せてみろ!」
大翔は圧迫に逆らい腕を広げようとした。
「力比べか?」
「ぐうう」
大翔は本当に必死だった。
「いいだろう、貴様の腕を切る代わりに骨を砕いてやる」
「目から光線を出してあいつに当てれば」
大翔は動きを封じられながらルディンに向け目からの光線を放った。
「ぐあ!」
「くそ! 光線まで封じられた」
「この義手は魔王と同じようなスキルを持っている。相手の力を封じたり特殊能力をもう効果したりな!」