現象の正体と決着
ジーメは大翔をスコップで殴った。
「ぐわああ!」
さらにスコップを使った地面割りで大翔はめり込んでしまった。
それを蹴った。
「ぐあ!」
蹴られて大翔の顔面がゆがんだ。
さらにもう1発蹴った。
「ぐぐ」
苦しみながら大翔は気配を探り術を使っている者の場所を特定した。
それは木に隠れていた。
そこから見える人影に目から光線を撃った。
光線は木目掛け飛んだ。
「そこだな!」
「くっ!」
と人の声がした。
大翔は人が隠れていると思われる木の陰に火魔法を放った。
そして木が焼けた後、様子を見ながら恐る恐る人が現れた。
それは、カードを持った牧だった。
「あれは、牧君?」
どよめく大翔をジーメは嘲笑った。
「そうだ、そいつはモストチルドレンの1人。驚いたか転校生が敵とは。そいつは相手の時間を止めることができるんだ」
「くそ!」
大翔は手から光弾を出し牧に当てようとしたがたがわざと外した。
やけくそな気持ちだった。
ハッカは大翔の甘さを嘲笑った。
「おっ、攻撃を躊躇したな、さすがに同じ生徒では気が引けるか」
ジーメはさらに地面を砕いた。
またも激しい地震が起きる。
地割れはさらにひどくなる。
「ぐわ!」
「真崎大翔を呑み込んでしまえ」
地面に対し命令するように詠唱するとさらに地震は激しくなっていった。
「うう!」
大翔は下半身が全てめりこんだ。
大翔は牧に追撃をしなかった。
「あいつは普通の生徒でも敵なんだ。甘さは見せられない」
大翔はふらつきながら決意した。
甘さを消そうとした。
しかし、また時間が止まった。
「また時間ストップだ」
そこへt大翔へ向け火の玉が連発された。
「この魔法で勝負をかけてやる!」
「大爆炎!」
ジーメとハッカはラッシュをかけた。
「くっ、くくっ」
大翔は上半身まですべて埋もれた。
あたりは地割れと焼けこげだらけになった。
ジーメは言った。
「ふん、死んだか」
しかし大翔は現れた。
「まだ生きていたか」
大翔は怪我した生徒を背負っていた。
「こいつまた人を救ってやんの」
「お前らに人の命の重さがわかるかあ」
大翔は怒りをこめジーメを殴った。
「何の罪もない人を」
さらに大翔は飛びかかり殴った。
重いパンチに顔は変形し、5メートル吹き飛ばされた。
ジーメは変形した顔を必死にさすり
「こ、ここまでとは、かくなる上は、もう1度時間ストップだ!」
またも大翔の時間が止まった。
「良しこれからたっぷり攻撃してやる、ぬっ!」
「どうした?」
ジーメは体に異変を覚え喉を押さえた。
「息が苦しい、助けてくれえ!」
ハッカはその様子を見てはっと気付いた。
「これはまさか魔王スキルの! 牧、一旦解除しろ」
「えっ」
「早く!」
時間停止が解け大翔は解除された。
大翔は説明した。
「そうだ、魔王スキルの一つ『死の呪術』だ。これを時間を止められる前にかけておけば止められても効果は続くからな」
「ぐ、ぐおおお!」
ジーメは喉を押さえのたうち回った。
顔は蒼くなる。
大翔はかなりめずらしく冷酷な事を言った。
「無駄だ、一度発動したら解除できない」
「くそ!」
ハッカは相棒の危機にやけになり飛びかかった。
しかし大翔の目が光った。するとハッカの動きが止まった。
「動けねえ!」
体が固まった様に動かなくなり空中で止まってしまった。
スキル『魔王のにらみ』だった。
「時間は止められなくても動きは止められるぞ」
「うおお!」
大翔は魔晶玉を発した
魔の力を吸った結晶石が襲い掛かる。
「魔晶玉!」
「うわあ!」
ハッカは焼け倒れた。
大翔は
「こっちも解除してやるか」
と言って魔王の呪いを解除した。
「うう」
ジーメはかろうじて死を免れた。
「僕は人は殺さないよ。甘くても」
と言い大翔は去った。
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