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モストチルドレン編入

 大翔はグランと倒れたサイクロプスの体を背に話した。


「ディード・スペードはスパルダスから命令を受けて僕たちの近くに来たんです。今は正体を隠しているけど」


「全く油断ならない話だ。何を企んでいるんだ」

「必ず暴いてやる」


 次の日、少し気持ちを切り替え大翔は放課後1人でランニングをしていた。

「はっはっ」

とマラソンをしていた。


 大翔は将来の事を考えていた。戦いの事と2重になるのは困難であるが。


「はあ、はあ、やはり僕の取り柄は走る事だな。名門の挌闘学校でも誰にも負けないよう練習するぞ、もちろん魔王の力は使わずに、僕の力だけで将来をつかみ取るんだ。そして陸上の選手になって見せる!」


 大翔の想像の中、ワーワーと言う歓声の中成長した大翔がコースを1番でゴールする姿を思い浮かべた。


「やるぞ! 必ず陸上選手になる! その為魔王の力を使わずトライアスロンで勝つんだ」


 さらに大翔は走り終わってから

「1、2」

とダンベルを持ち上げ様々な運動をした。しかしため息をついた。

「でもやっぱりスパルダス達の事が気になる」



 大翔が放課後のトレーニングが終わり寮に戻ると門限ぎりぎりだった。

「はあ疲れた」


 部屋に入ると例によって部屋で灰人が座っている。

「灰人君もどう? 汗かくと気持ちいいよ」


「ぼぼ僕は!」

「ああ、わかったもういい!」


 一方、カノンやスターマークは人間界で武器の材料や埋まった宝を探していた。


「こちら見つけました新しい法具です」

砂漠にそれはあった。


 なぜ人間界に道具があるのか。

それは人間界とミランドが分けられた時古代ミランドで使われていた宝具や武器が其のまま人間界に眠っているからだ。


 大翔は部屋でまた特訓しようとした。

「さてこれからは魔王の力の特訓だ」


 派手な事はせず、灰人を差し置いて精神集中をした。

「魔王になれ、魔王になれ」

しかしいくら集中しても以前の天からの声は聞こえてこなかった。


「あ、あれやっぱりだめだ。なれない」

大翔はふうと一息ついた。


「やっぱり何かきっかけが必要だ。それになれただけじゃだめだ。秘密を知りコントロールできるようにならないと。どれくらいの力があってどんな技が使えるのか新しい技はとか」


 その時グランから電話があった

「あっ? 元気」

「はい元気です。今特訓してます」

「そうか、本当にすまない君の実家に住ませてもらって」


「いえ、いいんです僕は真崎家の子供じゃないから。どうも別の位置に本当の子供がいるみたいなんですよ。それを知りたい。あと僕はミランドの赤ん坊らしいけど、じゃあなぜスパルダスにディードと能力を分割されたのにまた力が使えるようになったのかそれが知りたいです。ちょっと怖いけど僕は何者なのか」


 グランはかなり悩んでそうな大翔の気を察した。

「僕も協力する、って迷惑か」

「そんな事ないですよ」


 次の日の朝、ホームルームが始まる前、挌闘学校の校長室になんとダンテ・モルグが来た。

「えっ! そんな! その生徒を家の学校に入れるんですか」


 ダンテ・モルグは挌闘学校の校長の前で言った。

「新世界学園からの転校生をいれてもらいたいのです。今日この場で」

「しかし試験は」

と言うとダンテは不機嫌な顔をした。そしてディード・スペードに指示した。


「ディード」

と言いモルグが指示すると


 ディードは目から催眠光線を出し校長を操ろうとした。

「うわ!」

「これで校長は言いなりになりました」


 そして朝大翔のクラスのホームルームで転校生が紹介された。

「新世界学園から来た牧と申します」


 一見穏やかだがどこか生気がない生徒だった。


 教室はざわめいた。

「えっどこその学校」


「彼は選ばれた生徒だ」

と担任も操られている様だった。


 牧はチョークを手にすると黒板にとんでもない数学者でなければ解けない様な式を書いて解いて見せた。


「な、なにあれ?」

「す、すごい」

と騒ぎになった。


 担任とともにディードは教室から去ったが大翔は追いかけた。

「まて!」

ディードは振り向かず歩を止めた。

 

「誰だあの生徒何を企んでいるんだ」

「ふっ」


「誰だよあの生徒明らかに人間じゃないだろ、そうか怪物を人間に化けさせて送り込んだんだな」


「違う、あの牧と言う生徒は人間だ。我々が教育進化させた」


「教育進化?」

「そうこれからこの世を支配する事になるモストチルドレンの1人だ」


「モストチルドレン?」

「そうだこの世を支配する手始めとして、まずは小学校全体を支配する。彼はその1号だ。これからどんどん人間界の学校にモストチルドレンは送り込まれる」


「送ってどうするんだ」


「正魔法教会が人間界に学校を作ろうとしてるのと同じことだ。我々黒魔術の育てた進化した人間の子供モストチルドレンが黒魔術の筆頭となりこの世を支配するための第1歩だ」


「そんな事だったのか、でも筆頭ってスパルダスじゃなかったのか?」


「モストチルドレンは既にスパルダス様より地位が上になった」

「なっ?」


「驚いたろう、あのスパルダス様が従っているのだ。しかしそれほどにモストチルドレンの力は巨大だ。これから人間界に進化した子供を送り込み支配し世の中を作り替える」


「じゃあ、モストチルドレン以外の人はどうなるんだ?」


「さしずめ奴隷か殺されるかだ。お前たちの学校にわが黒魔術学園のモストチルドレンを入れる。そして近づき支配するか黒魔術に入れるか殺すかだ」


「そんな事! 普通の人が暮らせなくなるじゃないか!」

「楽しみにしていろ」


 夜大翔はグランに伝えた。

「ディードがそんな事を」


 ディード・スペードは1人ほくそ笑んだ。

「ふふ、次はトライアスロンのルールとコース改造だ。地獄戦士を多く送りこみ魔界に繋がるロードとする。参加者は皆死ぬ。残っても魔界に送られる死のレースとなる。私も真崎大翔と決着をつけねば」


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