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キッドの怒りの矢

「ルディン!」


 三夫が叫ぶと宙を浮いているルディンはほくそ笑んだ。

「ふふふ、今は力を失ったろう大魔法使い」

「ぐっ」

三夫は悔しがった。


「お前の相手は後でゆっくりしてやる」

と言い空を横に移動した。


 その時大翔は一瞬で雷撃をルディン目掛け放った。

しかしルディンは雷が飛んでくるのに余裕の表情をしていた。


「ふん!」

 何と軽くはじき返してしまった。


「ぐっ!」

と大翔は舌をかんだ。


 全く効かなかった。強いとは言え冥王たちより力が下のルディンにである。

「ぐぐ……」


 大翔は悔しがった、と言うより力が無くなって苦しんでいるように、またそれを必死に見せないようにしているようにも見える、明らかに焦りの表情を見せ体が震えている。


「そ、そんな、そんなに力が落ちていたのか!」

と三夫は驚いた。


 ルディンは高い声で高らかに笑った。

「ふはは、もうお前には私を倒す力などない、例えば!」


 と言い突如ルディンは横を向いたかと思うと校舎を指さし目掛け直径1メートル以上の巨大な火の玉を放った。


 火の玉を防ぐ術もなく校舎にあたり炎上した。


「な、何てことを!」

と言いキッドは校舎に行こうとした。


 しかしウィムは止めた。

「よせ! あんな火事じゃお前まで焼けるぞ!」

 

 キッドは自分の力のなさとルディンの所業に怒った。

「く、くうう! 貴様!」

先程の新技の光の矢を放った。


 しかし全く効かなかった。軽くはじき返された。

「ああ」


「貴様などどうでもいい、さてこれを使うか」

と言いキッドを全く意に介さずカードを出した。

それには黒魔術の魔法使いの絵が描いてあった。


 ウィムは言った。

「何あれ、魔法使いのカード」


「召喚カード『魔法兵士』!」

ルディンが叫ぶとカードから黒魔術の魔法使い兵士が大勢、それこそ20人以上出てきた。


 三夫は言った。

「あれは黒魔術師の手下たち! カードに身を隠していたのか。あんな使い方も出来るのか!」


 総勢20人以上の魔法使いが空中から生徒達に襲い掛かった。

「やめろ!」

キッドは叫んだ。


「うわーっ!」

と生徒たちの悲鳴がとどろく。

「ぎゃあああ!」


「あ、ああ!」

火の魔法を食って転げ回る生徒を見てキッドは青ざめた。


 ルディンは珍しく口を大きく開け叫んだ。

「はーっははは! そいつはもう焼け死ぬ!」


 さらに別の魔法使いが風の刃を別の生徒に放つと、体を切りさかれた生徒は倒れた。

「き、貴様」

キッドは睨んだ。


 ルディンは嘲笑った。

「どうだ、友人たちが倒れ死んでいくのは!」


 大翔は羽を生やして空を飛び何人かを空中で殴り倒した。

しかしその間別の魔法使いは雷撃や氷で生徒を攻撃した。これは大翔も防ぎきれない。


「ぎやあああ」

黒焦げになって倒れた生徒がいた。


「さあ次に死ぬのはどいつかな?」

「ゆ、許さない、こんなことを……」


 キッドが見せたこともないような怒りに歯ぎしりし拳を血が出そうなほど握りしめ震わせた。デビイにあれだけ殴られても怒らなかった彼がだ。


「ゆ、許さない!」


 そうして弓矢を引く構えを再度取った。

「また同じ技か? 無駄だ!」

「うおお!」


 すると今度は矢が2倍の大きさになり激しく光った。光を纏って輝いた。

「よくわからんが無駄だぞ!」


「くらえっ!」

巨大な矢はルディンに向け一直線に届いた


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