表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
68/182

第六十七話 セイレーン

 海底を探索中に捉えたセイレーンは極私的絶対王国マイキングダムで一気に引き上げたことにより、目が飛び出し口からも袋のようなものが出ていて瀕死の状態にあったが、回復魔法で回復させた。


 何度かせき込んだ後、怯えながら瞳に涙を溜め、こちらを見ているセイレーンに俺は問いかける。


「無理に連れてきて悪かったな。いくつか質問をしたいのだが……」と言いかけたときだった。


『♪LaaLaaRuuuuuaaaa~Eeeeeaaaaaa~』


 何やら歌を歌い始めた。


 セイレーンといえば歌で冒険者たちを魅了して、海の中に引きずりこむエピソードをすぐに思い出す。


 まあ、こちらが勝手に捕まえたのだからしょうがないか。しかしその魅了にかかってやる義理はない。


『♪RuuuuFuuuuu』


 少しイラッとしたので高音域で気持ちよさそうに乗ってきたところを海に沈める。


「うぶぶぶぶ……」


 セイレーンだし溺れないよな?


 じたばたして極私的絶対王国マイキングダムから逃げようとしている。少ししてから引き上げる。ムッとしながらもこちらを睨んでいたが、今度は泣き始めた。


「ぐすっ……ぐすっ……うぇぇぇぇぇぇぇ」


 また海につける。


「えべべべべべべ……」


 話が進展しないので海の中で束縛を解除するが、みすみす逃すつもりはない。いったん住処へ返して別の奴と接触する作戦に切り替える。


 束縛を解くと、猛スピードで海底に向かって泳ぎ始めた。極私的絶対王国マイキングダムで追跡すると海底に裂け目があり、その中に入っていった。中は通路が張り巡らされているのと光があってあたりを認識できるようになった


 さっきのあいつは入口近くにいた他のセイレーンに海上であった出来事を必死に訴えているようだ。


 もっと偉い感じの奴いないかな?


 その場から離れて、さらに住処の奥の方を探索すると、宝石を付けた奴が個室にいるので分析能力で確認する。


◇ ◇ ◇

Lv329 セイレーン ラウン 320歳

◇ ◇ ◇


 極私的絶対王国マイキングダムでの発声は水の中でも有効のようで、芝居じみた言い回しで語りかける。


「……ウン……ラウンよ……」


「何者?」


「……そなたに新たな力をさずけようぞ……」


 適当なことを言ってみる。


「え!?」


「その前に聞きたいことがある……」


「はい」


 戸惑っているが、話が聞いてくれるようだ。


「はるか昔に失われたある剣を探している……この海域に落としたらしいのだが何か心当たりはないか?」


「ははっ……それならば、存じております。はるか昔より海底に突き刺さりし剣、近づくものがあれば問答無用に攻撃し、何人たりとも訪れることの出来ない場所がございます」


 すげー簡単。一発で情報得られたー!興奮を抑えながら、さらに詳細を聞き出す。


「……それは何処いずこにあるのか?」


「ここより北西へいったところに小高い丘があり、剣は塔のように盛り上がった岩の先に突き刺さってございます」


「わかった……礼として新たな力を授けよう……」


 セイレーンの頭や肩をトントンと軽く叩くが、もちろん何の効果もない。


「これより五日以内には新たな力が備わっていようぞ」


 これもまったくのデタラメだ。


「ありがとうございます」


 何とかなるもんだな。


「よしっ!大体の場所はわかった。カラルいくぞ」


「ふふっ、一瞬誰と会話しているのかと思いましたが、こんな短時間に聞き出すことができるなんて……本当に素晴らしいお力ですわ」


 セイレーンたちの住処を出発地点にして北西の方角に向かって海底の地形を探りながら、移動する。


 セイレーンの情報通りの海底の中に不自然に突き出た岩があった。そしてその頂上には剣が突き刺さっている。


 たまたまこの岩の上に刺さったのだろうか?もしかして、剣も必死にもがいて海面に出ようとしているのか?


 そんな推測はさておき、ぶっこ抜いてやりますか!


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ