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第六十二話 好きな共通の話題で盛り上がる

 二人の女性から同時に求婚されるという、おそらくどこの世界でも稀なイベントを平然と受け入れてしまう俺も俺だが、その後にもとんでもなく刺激的で未知の世界への扉がそこに用意された。


 俺は自分の耳を疑った。いくら初めての体験が怖いからと言って、友達と一緒に経験を済ませておこう、なんてそんな話聞いたことない……。


 前世でも二人の女子を相手にすることなんてなかった。いつもノーマルにワンオンワンだ。


 それとも王族ってのは人にそういった行為を見せるのは恥ずかしくないのか?


 ん~わからない。わからないがあえて受けてたとうじゃないか。そういった経験増やしてもいいじゃないか。人生の引き出しを増やしちゃおう!


 三人とも赤面して無言で立ち尽くしている。


「じゃあお風呂に入ってこうようかな……」


 お風呂に向かう俺をユウキが止める。


「あたしたちはさっき入ったのでこのまま三人で開始します」


 ユウキは緊張のするあまり、ですます口調になっている。


「俺は?」


「そのままで、結構です」


「はい」


 ムードも何もあったものではないが、ユウキは気にすることもなく続ける。


「このあとアレを開始ししてそのあとお風呂という流れになっています。そして真夜中のおやつをはさんでアレをします。朝食後のアレ、仮眠の後のアレ……」


 お猿さんか、君たちは!


「まてまてまて……二人ともレイラから何を聞いているの?」


「回復魔法を多用して終わりのない快楽が……」


「絶頂の向こう側の幸せへ……」


 なんですか、その変なフレーズは。


 しかも俺をどんだけ野獣扱いしてるんだよ。予定では寝ないで明日の朝までするの?その……まあ……できなくは……ないんだけど……。


 ということでたっぷり時間を使いながら二人のお相手をさせていただきました。



 ユウキのスケジュール通りにコトが進み、真夜中のおやつの後のアレが終わってた頃には二人の緊張もすっかりとけて、いろんな話をした。


 ユウキが思い出したように先日王都で購入した書籍のことを聞いてきた。


「お兄ちゃん、ラッテの冒険って全部読んだ?」


 冒険者ラッテの物語——その昔に実在したといわれている冒険者の物語だ。


 主人公のラッテが繰り広げる冒険物語を幼児向けの絵本から大人が楽しめる書籍まで幅広く展開されている。


 ラッテたちの活躍がいきいきと描かれていて、時には楽しく笑いがあり、時には悲しい別れもあり、常に弱者の味方で絶対的な悪に立ち向かう波乱万丈の冒険譚だ。


 王都シュウゼルウトで十数冊の書籍を購入したものはすべて読み終えて、二回目を読み始めている。


 人族の冒険者ラッテは向かうところ敵なしの剣術使い、不思議な魔法剣と道具を駆使して多くの難敵と対峙し、そして勝利する。


 竜人族の二人の魔剣士、炎の魔剣士のチノ、氷の魔剣士のコア、神殿魔法師でエルフのキアート、悪魔族の雷魔法を操るフェモ。四人の仲間はすべて女性でラッテの妻である。ラッテをサポートし、何度も訪れるピンチをなんとか切り抜けて、いつもドキドキさせてくれる。


 別の書籍には四人の妻との夜の生活を詳細に描いたものもあって、違う意味でもドキドキさせてくれる。おそらくユウキが選んで入れてくれたんだろう。そちらも楽しく読むことができた。


 ラッテの嫁のように戦えそうなのは今のところカラルだけだが、俺も女性四人を妻に迎えたということでラッテに近づいてるのかな……。


 ユウキの問いかけに答える。


「全部読んだよ。ドキドキ、ワクワクする感じ、いいよな。俺もあんな風に生きてみたいなって思うよ」


「アキトならできるんじゃないのかな?」


「そうそう、私たちではアキトの戦いでの手助けはできないけど、一人でも十分に強いし……。カラルと二人で鉄壁っていう感じよね……」


「……あ、あたしたちは夜の部門をサポートするよ」


「ははは、ユウキは本当に面白いな。で、二人はどの話が好き?」


「あたしはねぇ、砂漠の国の話が好きだなぁ。地中から現れる大芋虫ね……オアシスの水全部飲んじゃうの……。それに始めはツンケンしていたお姫様が恋に落ちるところとか、いいよねぇ。ああいう恋愛してみたいって思ってた時期もあったし……う~ん、懐かしいわ。もう一回読もっかなー」


「お、ユウキは意外にロマンチックだねぇ」


「意外の一言が余計だよぉ、お兄ちゃんはどの話が好きなの?」


「俺はだんぜん氷の国の絶対凍結魔法の話がいいな。『だが、俺の心までは凍らすことはできない!』ってね」


「変なの~、そこがツボなの?」


「そうなんだよ、あのセリフすごい心に引っかかってるっていうのかな。一回でいいからそんな決め台詞言ってみたいな~。ルーミエは?」


 ルーミエを見てみると、何かを思い出しているのか、ニヤニヤしている。


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