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第六十話 ダンジョン再構築

 ダンジョンの攻略もダンジョンマスターであるレコメンザという小さい悪魔族の男を倒したとで占領した。


「カラルこれからの予定は?」


 ダンジョン・コアに手をかざしつつカラルは答える。


「ここでもう少し調査を行ったのち、今いるモンスターをアキト様にお手伝いしてもらって全滅させる必要があるわ」


「全て倒すって二万体はいるぞ!?」


「そうなの、ちょっと数が多くてわらわ一人では手におえないのよ」


 カラルはダンジョン・コアにアクセスし情報収集を開始した。


 数分の確認作業を終えてカラルが振り返る。


「さあ調査終了よ。破壊対象となるモンスター・コアはそれぞれの居住区にあるようね」


「確かモンスターを倒したら、意識はモンスター・コアに戻って、ダンジョンマスターの命令で再生するだったか?」


「ええ、その決定権は現在わらわが持っています。命令系統の入れ替わりもスムーズに行えたから、誰も気づいていないと思うわ」


 カラルは喜々として話を続ける。ほんとダンジョンのこととなると饒舌になるよな。


「それと今日は祭りのようね」


「なんで祭りする必要があるんだ?」


「さあ?確かに変なことしてるわね。ただ働かせればいいものをわざわざ……」


「うーん、例えば前ダンジョン・マスターはこういう情緒的なイベントを発生させてモンスターをキャラクターとして豊かな感情を持たせて金儲けをしようとしていたんじゃ……」


「お言葉ですが、冒険者は命を懸けて、何を求めてダンジョンにくるの?」


「金とか名誉とかかな?」


「そうでしょう!何故かここの奴らは、人族のような生活をしている奴らが多い!」


 なんだか俺が責められているような気持ちになってきた。


「モンスターはモンスターらしくというのがわらわの掟です。後で全部モンスター・コアを再作成し直します」


 そしてカラルの報告は続く。


「三点報告があるの、一つは冒険者がこの居住区でうろうろしているの。おそらく祭りを見に来たと推測します。排除する時に死亡可能残数分を一気に吸い尽くすことができるけれど、どうする?」


「え!?全部吸い出すことできちゃうの?」


「はい、ダンジョン運営者と冒険者は持ちつ持たれつの関係にあるわ。宝を求めてダンジョンにやってくる。宝を得る者もいれば、死亡する者もいる。死亡した者から精気を吸い取ってダンジョン運営の糧にする。この世界の人は精気が強いため、蘇りが可能で、残った精気と魂は開放してしているの。あとは勝手に契約している教会に戻っていくわ」


「はぁ~なるほどねぇ、確かに全部精気を吸い出してしまうと、他の冒険者たちが口コミで来なくなってしまうもんな……。精気を吸い出し設定は通常通りでいいや」


「承知。二点目、ザフスタ付近一帯のダンジョンはすべて繋がっているの。このダンジョン・コアでコントロールができそうよ」


「うん、そうか。モンスターをコントロールできるなら、居住区に集まるように命令を出しておいて、まとめて倒せるほうがいいだろう」


「合点。三点目、祭りイベントの締めくくりに花火が打ちあがるけれど、どうする?」


「はぁ、そこまで来るともうどっちでもいいや。……じゃあ、俺の指示で打ち上げてくれ」


「了解。それでは殲滅してからモンスター・コアを回収ね」


「それじゃいくか~。でも数が多いよな~」とぼやきながらも、仕事はきっちりこなすのが俺だ。


 まずは領域テリトリーで街の状態を把握する。カラルの報告にあった通り、街の中では出店が並んでいて、モンスターたちが祭りを楽しんでいる。


 この狭い空間でも仕事はできるがせっかくだから、見晴らしのいいところでするのもいいな。

 街の中全体を見回して高台の上に豪華な造りの屋敷があったのでそこを拠点とすることにした。領域テリトリーから極私的絶対王国マイキングダムに切り替える。


 屋敷の中では、冒険者と妖弧、妖狸、デスピクシーと冒険者数人が楽しそうにご飯を食べているところだった。


 ……あれはダンジョン入口前のキャラクター売りのおっさんが、熱心に説明していたモンスターじゃないのか?


 あの狸と狐は確かこのダンジョンの五指に入るほど強いって言ってたな。不意打ちで倒してしまったほうが、あとあと面倒がなくていいのかもしれないな。


 それにしてもなんで冒険者とホームパーティを開いてんだよ。リア充かよ!


 はいは~い、絶命!と投げやりに命じると屋敷の中にいた者はバタバタと倒れていった。多少MP消費が多かったが、一定時間で回復するので問題は無い。これで魂はモンスター・コアに、冒険者はゆかりのある教会に帰っていくわけだ。


 カラルのダンジョン変更能力で屋敷の近くまで通路をつくってもらい中に入る。テラスから暗くなっている街を見下ろす。俺はため息をつきながら、カラルに聞いてみた。


「確かにカラルの言うとおりだな。なんでこんなところに住まわしてんのだろ?」


「それが悪魔族の男がダメな理由なの。彼らはどうしてもダンジョンで自分たちの趣味に走ってしまう傾向があるわ。

 今回のダンジョンマスターは、可愛いモンスターを集め、リアルに育て、ダンジョンを何かの幼女育成所と勘違いしてしるのでしょうね。それでも街の商人もたくましいもので、その趣味に合わせて商売をしていたのには驚いたわ」


 屋台が出ているメイン通りでモンスターだかりができている。なにやら音楽に合わせちびっこモンスター十数体がふりふり踊りながらが行進している。


 デスピクシーをはじめインプ、ハーピー、ゴブリンの全部幼女だ。なるほど前ダンジョンマスターは幼女趣味だったのか……。ようやくこのダンジョンの真の姿を理解したような気がする。


 カラルからブチッという音が聞こえた。


「ちょっと全部ぶちのめしてきます。フォローよろ!」


 お、シルビィとゴールジュだした。


 走っていくカラルの背中に俺は声をかけた。


「わかった。あと、花火だけ打ち上げ開始して!」


「はぁ~い」


 そういって、後ろ手を振りつつテラスから居住区へ飛び出していった。


 俺たちも箱魔法に乗ってカラルの後を追う。一発目の花火が上がると同時にメイン通りは混乱に陥った。


 次々と盛大に打ちあがる花火の光のシャワーのなか、カラルがモンスターの群れに飛び込み、ちびっこモンスターの首根っこを掴み次々と炎の中に投げ込んでいっている。なんだか映画のワンシーンのようにかっこよくて、その光景に見とれてしまった。


 フォローをよろしくと言われた俺とルーミエとユウキだったが実際には何もしなかった。というよりする必要もなく、カラルがほとんどのモンスターを排除してくれた。極私的絶対王国マイキングダムを使えば一瞬で終わるんだけれど、ストレス発散は必要だ。


「お疲れカラル、気は済んだかい?」


 冷えたドリンクを手渡す。


「ええ、だいぶスッキリしました」


 カラルはスポーツをしたあとのように汗をかいて、爽やかな笑顔を浮かべた。


 その後、数時間かけてダンジョンに生息しているモンスターたちを全て、極私的絶対王国マイキングダムで殲滅した。


 ダンジョン攻略も達成できたので当初の予定通りカラルが二、三日かけてダンジョンを作り変えることになっている。そうなると俺とルーミエとユウキは特にすることもなくなったのでダンジョンをあとにしてザフスタの街に戻った。



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