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第二十五話 慌ただしいが情報整理は大切だ

悪魔の塔を一気に破壊したことにより、俺のレベルもずいぶん上がったので、ボーナスポイントの割り振りと屋敷の庭で自分の能力を再確認する。


 俺のRPGのイメージだと、レベルのカウントストップがあったり、レベルが高いほど、レベルが上がりにくくなったりするが、この世界ではそのようなことはないようだ。


◇ ◇ ◇

Lv147 HP1470/MP1470

強さ:860 守り:280 器用さ:320 賢さ:280 魔法耐性:100 魔法威力:300 ボーナス:330

◇ ◇ ◇


 さて、どれに振るかな。

”強さ”は、身体的能力に影響し、HP・MP自動回復に影響する、多ければ多いほどいい。

”守り”は、…防御力。身体の頑丈さ、これも多ければ多いほどいい。

”器用さ”は、魔法制御能力を数値化していて現状のままでも充分魔法を制御できているように感じている。

”賢さ”は、魔法発動に影響。現状このままの数字で問題ないくらいの発動速度だ。

”魔法耐性”は、魔法攻撃による耐性だが、あまり魔法攻撃を受けたことがないので未知な数字だな。

”魔法威力”は、魔法攻撃力の強さを表す、多ければ多いほどいい。


◇ ◇ ◇

Lv147 HP1470/MP1470

強さ:600 守り:500 器用さ:300 賢さ:270 魔法耐性:300 魔法威力:500 ボーナス:0

◇ ◇ ◇


 これからも魔法中心で戦い、アズアフィアをボスの時に出す。という感じになるのか。周りに人がいるとうっかり食べてしまうから気を付けないとな……。


 悪魔の塔の時にアズアフィアを”魔法威力”の300を超えるMPを400使用して、呼び出したところ頭が割れそうなくらい痛かった。恐らく超えてはいけない一線を越えた使い方だったんだろう。


 今の設定で箱魔法はどのくらいの強度のものが生成できるのか試してみたくなった。


 MP400を使い強化した一辺一メートルの立方体の箱が姿を表す。地面に置くとドスンと地響きがした。中には空間は無く、クリスタルオブジェのようだ。


 アダマンタイト製の剣で攻撃しても傷が入らない。やはり障壁として使うしか――と思案していたら『それをくれ……』と、頭に声が響く。


「え、アズアフィア?構わないが…」


 アズアフィアを召喚する。こちらも一メートルの大きさで出現した直後から箱魔法にかぶりつく。


「うまいのか?」


『ああ、最高の固さだ……ここまで硬度の高い物体はなかなかないぞ』


 犬用おやつの骨を思い浮かんだ……。面白いな。これを出せばいつでも呼びだせるのかな?


「ほしくなったらいつでもいってくれよ」


『そうだな……そんなに頻繁に必要とはしない、たまにでいいぞ』


 本当に固いらしく少しずつしか、進まない。


『アキト、お前は強さを欲しているようだから、このお礼にいいことを教えてやろう』


 確かに俺はもっと強くなりたい。


『我々霊格の炎はこの世界に存在するために、お前のような強い奴をよりどころとしなければ、こちらの世界に出てこれない、遠い昔、俺にも人間だった時代もあった。長い歴史の中で同じ考え方、感性を持った奴らや、かつての仲間が同じ眷属として集まっている。その中で今のお前の強さで、呼び出せる炎を二つ紹介してやる。

 一つはゴールジュ。こいつの炎は壁や魔法障壁をすり抜けて生物だけを食らう。報酬として倒した奴の金目の物は半分以上、奴の取り分になる。

 二つ、アンデッドの動力源の魔力を好物とする炎、シルヴィだ。アンデッド相手なら俺よりもこいつのほうが向いている』


 なるほどね、この炎は召喚魔法にあたるのか。まずは圧縮火炎球マグマボールを出して強いの炎をイメージしながらMPを注いでいく。


 出てこいゴールジュ。


 集中し念じていると圧縮火炎球マグマボールは金色に揺らめく炎に変わる。


『はぁ~い、呼んだ?』


 女の炎?


『あ~!!アズ君久しぶりじゃなーい。って何食べてるの?』


『これうまいんだよ、どうだお前も食うか?』


『そんなのいらなーい』


 知り合いなんだよな。


『あなたがアキト君ね。取り分は半分だからね。あたいを自由にしていいわよー』


 言い方が色っぽいお姉さんキャラだな。


「ありがとう、よろしく頼む。これもっていっていいぞ」


 これまで得た金品をどっさりと出す。


『あらー、気が利く坊やじゃなーい。いい子紹介してくれてアズ君ありがとねー』


『アキト、せっかくだから、もう一つも呼び出せ』


わかった。


圧縮火炎球マグマボールに魔力を注ぎならがイメージする。


出てこいシルヴィ。こちらは銀色の炎だ。


『シルヴィでございます。ご主人様……』


 挨拶が丁寧だ。


『よう、シルヴィ。久しぶりだな』


『あ、ア、アズ様!』


 久しぶりの再会を喜んでいるのか、銀の炎が青い炎に体当たりした。徐々に小さくなっていく青い炎に魔力を注ぐ。どういう状態か全く理解できない。


『あら、お姉さまもいらしてたのね。ということはまたみんなで仲良くできますわね』


『アキト君すごいじゃん、本当に人間なの?』


「どういうことかな?アズアフィア」


『まあ二人ともおれの嫁だ。お前くらいの潜在能力があればかつての仲間すべて呼べるかもしれないな!ダハハハ。じゃあ俺たちは積もる話があるからこれで消えるわ』


 そう言うと青色、金色、銀色の炎たちはふっと消えてしまった。


 混乱の 庭にたたずむ 俺一人


 能力把握のために試していたら、新たな炎の力を得た。それに奴らはかつての仲間で、アズアフィアの嫁だとい言っていたな。


 霊格の炎っていったな。嫁の二人を呼び寄せて俺の中で今頃何をしているのか?


 そんなこと決まってるだろう。自由極まりないな。ていうか、俺の体の中ってどんな状態なの?


 レイラなら知っているかな。夜にでも聞いてみよう。ぶつぶつ言っているとルーミエとユウキがやってきた。


「アキト、ナリヤに行くのね。私たちも一緒に行ってもいいかしら?」


 二人がついてきても戦力的には変わりない。それよりも危険は増してしまう。


「いいよ、一緒に行こう」


 それでも一緒にいくことを選んでしまう。アズアフィアに当てられたのか、婚約したばかりだが、近くに女の子がいると嬉しい。


 そんな理由で連れていくの?と、怒らるかもしれないな。しっかり守るので許してください。


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