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幸せのカタチ  作者: youki
9/10

番外編 : 一花の誕生日

今日は一花の誕生日(設定上)ということでそれ用の話を。回想回になります。

「Happy birthday 、一花!」

11歳の誕生日、といっても普段と何も変わりはない。家族と菖蒲さん、桔梗さん、そして美咲。僕の周りにいる人はこれで全部だ。友達を呼んだりはしない。そもそも呼ぶような友達もいない。クラスの中では美咲と二人、きれいに浮いている。クラスメイトがやっているようなゲームは何一つ持っていないし、何より今は勉強が、新しい知識を吸収するのが楽しくて仕方ないんだ。

「それで一花、勉強のほうはどうなの?」

親がこう訊いてくる時、ききたいのは学校の成績じゃなくて美咲との競争だ。

「ものによるかな。単純な計算は美咲のほうが速いし精確性も高い。けど、複雑な文章題とか補助線が必要になるような図形の問題は僕のほうに分があるかな」

第一、美咲は超記憶を持っているんだ。難解な公式も楽々と覚えてしまうのだから、太刀打ちしようと考えるほうがどうかしている。

「だから社会と理科は美咲のほうがはるかにできるかな。英語と国語は大差ないけど」

はっきりと勝っていると言えないのがまたもどかしかったり。



「ハッピーバースデー!」

14歳の誕生。この年は母さんが東京に出張で、父さんが虫垂炎で入院していて不在だったのでよく覚えている。そして大きな変化が1つ。

「誕生日おめでと、チカ! これ開けてみてくれよ」

茂が友達になったということだ。

「……これは?」

プレゼントの包みをほどいて訊ねる。ちなみに誕生日に友人から何かもらうのはこれが初めてだったりする。当然だが。

「CATAN。マイナーだけど面白いんだぜ。チカが『何か美咲に勝てそうなものないかなぁ』って言ってたから選んでみたんだけど、どうよ」

よくまあそんな独り言みたいなのを覚えてたもんだ。確かに最近は勉強や運の絡まない遊び(碁や将棋やチェス)はめっきり勝てなくなったけどさ。

「確かチカってストラテ系好きだったよな? これならいけるんじゃないかと思ってさ」

「そうだね。それで、本当のところは?」

「俺が遊びたかっただけだ!」

そんなこったろうと思ったけどさ。……まあ、茂にひとつ乗るのも悪くないかもしれないな。



「いーちゃん? いーちゃんってば」

美咲に肩をゆすられてこっちの世界に返ってきた。

「何むずかしそうな顔して考えてたのさ」

「いや……僕の誕生日ってこんな時期じゃんか。だから茂が始めて参加したのも中2のときだろ。来年は誕生日会にまた1人増えてたらいいなってさ」

今日は16歳の誕生日。高校生活の初年度、どんな出会いがあるのか今から楽しみだ。

4月3日のうちに書き上がってほっとしてます。登場人物紹介を更新いたします(一花の年齢)。

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