リリアンナの悩み
エクラリュール家の十五番目の子供、十女である私リリアンナは悩んでいた。
深く深く悩んでいた。
主に悩みの種はこの顔。そして家族のこと。
ああ、どうして私の顔はこんなに……
平凡なの!!
おかしい。そう私は思う。
遺伝子は同じはずだ。
同じ美形遺伝子を持っているはず。なのにどうして私は平凡な顔なのか。
母や父、兄弟たちが妬ましい……。
なぜ、彼らはあんなに美形なのか。
小さい時は良かった。
無邪気に皆が美形なことが嬉しくて、誇らしかった。
本当に無邪気に「お兄様たちはキラキラね……!皆を見てるとお星さまが宙に舞ってるようで、幸せになれるの!」なんて言っていたのだ。
あの頃の純真な心に戻りたい……。
今の私の濁り切った心では彼らをまっすぐ見ることもままならない。輝きが眩しすぎて直視できないのだ。
どうしてこんなに心が濁ってしまったのだろう?
社交界でエクラリュール家のものだと言って、ジョークだと本気で笑われたからだろうか。
同じ母を持つお兄様と一緒にいると、髪も瞳も全く同じ色のはずなのに、兄妹だと一ミリも思われず嫉妬の目に晒されるからだろうか。
それとももっとも美女にこだわったお父様に「女は顔じゃないよ。それにリリアンナはこんなに可愛いじゃないか!」などとふざけた言葉を言われたからだろうか。
私だって、別に見れない顔ではないのだ。
金の髪に瑠璃色の瞳。大きな二重の目。
そう人並みに、人並みに可愛いはずだ。平凡の域を超えないけれど。
なのに!皆私を憐みの目で見てくる!
可哀想に……と目が語っている。
ああ!せめて普通の普通の家に生まれたかった……!