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ショート・ショート その5 あぁ、祝福!

作者: スックブ

(仮)実験的試み。 ショート・ショートじゃなくてエッセイ風?

四日前、台風が近づいているということで仕事帰りにスーパーに寄った。

そして今朝。ここに四角いブロックのクリームチーズがまだ1ダースもある。

「さて。どうしようか」

俺に子供がいれば食べさせるのだがあいにく独身で彼女もいない。

「トーストに乗せて蜂蜜と一緒に食べるか? 続けて食べないとしても嫌になるだろうな」

困った。家の小さい冷蔵庫には発泡酒やチューハイ、つまみ類が占拠してこれ以上の余裕はない。

「なにか……なにか武器はないのか……」

とりあえず台所にクリームチーズを大量に食べられるヒントを探す。

「砂糖に醤油……ここじゃない」

次の棚に移る。

「ミキサー……ヤカン……」

ヤカンはあとで麦茶を作り置きしよう。ミネラルウォーターがあと少しだけで飲み終わるから作ったらそこに入れよう。

「のり……昆布……スパゲティ……」

今日の晩飯はミートソーススパゲティにしようかな。オレガノもまだあるし。

「片栗粉……小麦粉……お、ホットケーキ粉を発見」

秋といえばケーキ。別に秋じゃなくてもケーキは美味しいのだけれど秋に食べるケーキが俺は好きなのだ。涼しいからかな?

よっしゃ。ベイクドチーズケーキを作ろう。


用意するものは

・ボール

・ヘラ

・泡だて器

・計量器

・サランラップ

・クッキングシート

・型

・オーブン


材料は

・クリームチーズ

・砂糖

・卵

・ヨーグルト

・ホットケーキ粉

詳しい分量は自分で調べるんだ。これを読んでいるキミなら目の前の箱ですぐだろう?


さっそく取りかかる。

まずはボールにクリームチーズを入れ、ブロックからクリーム状にする。

「ヘラがないのでおしゃもじを使おう」

ここで泡だて器を使うとチーズが泡立て機にくっついて上手く混ざらない。

一つになってきたかなと思ったら砂糖を入れる。計量器の上にサランラップなどを置いてから計ると掃除が楽になる。

「ついでにホットケーキ粉とヨーグルトも計ってしまおう」

砂糖が混ざってきたら泡だて器に持ち替えてヨーグルトをボールに投入する。ここからは体力勝負だ。

「うぉぉぉおおおお! 唸れ俺の右手ッ! ほとばしれパッション! 吠えよ我が魂ッーーー!!」

ノリノリでかき混ぜる。テンションを上がって楽しくなる。ランナーズハイみたいなものかも知れない。

ホットケーキ粉と溶き卵も入れてさらに混ぜる。

「ふぅ。こんなものかな」

かき混ぜたものをクッキングシートを敷いた型に入れる。その型をオーブン板に乗せてオーブンの中へ。

「最近の電子レンジはオーブン機能もついてるから侮れないぜ」

買って良かった多機能レンジ。これであと三年は戦える。

「行くぜ! 170度、55分にセット! 発進!!」

実際にオーブンは発進しないしボタンは優しく押す。


しばらく経つとケーキの焼ける匂いが部屋を漂ってくる。

まだできないかな。もうちょっとかな……ちょっと開けて様子を見るか。

鍋つかみを装着しオーブンを開ける。

「あ、ぷるぷるしてる」

俺はそっとオーブン板を戻し焼くのを再開させた。


そして運命の時。「チン!」と甲高い機械音が俺に報せてくれる幸運の音。

「いやまだだ……焦るな、俺」

こういうときこそ冷静にことにならなければ。

「三日前彼女に振られて時も、二日前親に結婚はいつだと電話で聞かれた時も、昨日異世界から美少女が俺を呼び出さないかマジで考えた時も俺は冷静だった……」

辺りを確認する。

「……」

異世界への呼び出しは今じゃなかったらすぐに対応できる心の準備はできています。

俺は焼き鳥の串を洗って取っておいたものを取り出し、ケーキの中心へ刺す。

「おぉ! 私の慎まやかな可愛い子ちゃん!」

引き抜いた串はべとついておらず、それは中までしっかり焼けたことを俺に教えてくれる。

ケーキを取り出して皿に乗せ切り分ける。冷めても美味しいが、出来立てはさらに美味しいのだっ!

「いただきまーす!!」


あぁ、祝福!


                                            おわり

誤字・脱字が多々あるかもしれませんがご容赦お願いします。

発見しだい修正します。

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