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著者:大吾「クレアダイヤモンド」
宇宙は一つの世界だけ存在しているわけではない。幾つもの並行世界が束ねられて、それが世界となるのだ。
クレアダイアモンド。宇宙の始まりと共に誕生したと言われているこの宝石が、メソポタミアの遥か地下深くから発見された。それがつい三世紀前のこと。
最初は一辺が十センチの直方体の石であった。それが技術革新に付随して段々と切断されていった。誰の手も加えられることなく。それが発覚したのはつい三年前のこと。
世界は西と東に別れ、タイムマシン開発競争が勃発。タイムスリップ実験。世界線干渉実験。宇宙の理を崩しかねない危険な実験が行われるたびに、クレアダイヤモンドは削られてきた。
クレアダイヤモンドを通る光の屈折の数だけ世界線が存在する。それがわかったのは、去年のことであった。最初は一辺が十センチの直方体の石であった。それが今や指輪の装飾同然にまで削られてしまった。このままでは、クレアダイヤモンドそのものがなくなってしまう。
そうなったとき、この宇宙はどうなってしまうのだろうか?
宇宙の命運が判明するまで、残り五ミリを切った。




