10歳の誕生日
私が見習いメイドとして働く決定打は、昨日の私の誕生日会です。
強いて言えばお座り状態で2メートルぐらいの狼みたいな白い毛並みをもつ犬を飼いたいといったぐらい。
朝からみんなにバレないよう魔獣が沢山いる森にいって特に危険な魔獣を退治した時になんか弱っているのを見つけて、ヒールで治したら懐いてしまったのです。
私はハムスター派だが、犬も嫌いではない、誕生日だし、飼うのを許されるかなと思ったらちょっとやばいことだったらしいです。
「あれま、私また何かやらかしました?」
側に今日10歳になった自分より大きい犬を撫でながらそう言います。
頭を抱えていたみんなが理解できないという顔で顔を上げ
「大きすぎでは⁉︎」
と兄様と父様が息ぴったりに叫び、それに
「そこじゃない‼︎」
母様がツッコみました。
「そのでかい犬、魔獣のフェンリルじゃないの⁉︎」
「あっ!本当だ!なんか神々しいオーラ放ってたからすぐ気づかなかったよ。
懐かしいなぁ、昔母さんと討伐しにいったな」
「嘘でしょ、なんでこんなところに‥
しかもなんでリリサにそんな懐いてんの⁉︎」
母さまに続いて父様と兄様が続けていいます。
「君フェンリルだったの?」
本では見たことあるが実物は初めてです。
思ったよりモフモフだし可愛い‥
それに返事は求めていなかったのだが
「あぁ、私はフェンリルだ。
しかしさっきのお前に似た男が言ったように神獣でもあるため神力を帯びているから魔獣のフェンリルかと言われたら難しい」
私に似た男というのは父様のことでしょう。
髪色や瞳の色は父様譲りだし
というか君
「「喋った⁉︎」」
今度は兄様と母さまがハモりました。
兄様めっちゃ驚くな‥
父様は初めての経験に興奮気味のようです。
結局何やかんやありながらも、飼われる本人も乗り気だったため飼うのは承諾してもらえました。名前はホワイトです。
毛が白いから。
本当は古い文献に載っていた犬の名前のポチが可愛いと思って提案したが本人に却下されました。解せぬ‥
そしてホワイトは体を小さくできるということで子犬サイズになってもらいました。
これがすごい可愛い。
前からいるハムスターを背の上に乗せるともうすごく可愛い。
幸せ‥
そして満喫してたらさっきまで興奮してた父様に呼び出された。




