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初恋、泡沫檸檬

作者: 倉科さき

初めての感情

楽しいとはまた違う、うれしいような、むずむずするような、飛びはねたいような、くるしいような、そんな気持ち。

あなたがくれたレモネード

ぱちぱち 泡のはじける音がして、おっかなびっくり1口目

口の中でも泡が弾けて、びっくり。おもわぬ刺激に、味わう前に飲み込んでしまう。

いたずらに成功したような憎たらしい顔を炭酸越しににらみつける。

ぱちっ 泡がすこしだけ減ったから、覚悟を決めて二口目。

シュー...... 爆発する寸前みたいな音を出す泡を潰して、味わってみた。びっくり、ジュースみたいな見た目なのに、あまいけど酸っぱかった。

酸味と刺激で目をぱちぱちさせていると、貴方は意地悪そうに笑った。

「初恋って、レモンの味らしいぜ」

初恋。彼に、この感情の名前をつけられてしまった。

「はつこい」

オウム返しに声に出すと、なんだか気恥ずかしくって顔に熱が集まるのがわかる。心臓がどくどくいって、炭酸の泡みたいにはじけてしまいそう。

「それをいうんだったら、すぐ弾ける泡よりも本物のレモンの方が良かったんじゃない。すぐなくなっちゃうじゃん」

照れ隠しに文句を言ってみるけど、声は上ずってしまったしどきどきも止まらなくって、睨み返すこともできない。そのうえ、

「でも、刺激的な方がいいだろ?」

なんてニヤニヤしながら言い放つ。

初めてには刺激が強すぎだよ、ばか。



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― 新着の感想 ―
いやぁ、好きですねぇ。 まず全体的に、甘酸っぱいんですよ。青春真っ只中みたいで、本当に。それに、詩的な表現や文章構成を用いることで、時間的にはわずか数分にも満たないような場面でも、そこまでとこれからの…
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