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灰が消える迄  作者: 宇久血
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第4話 熄える関係

皆様今日も一日お疲れ様です。宇久血です。

第4話 熄える関係 書き終わって直ぐの前書きでございます。熄えると言う言葉の意味は火が消える様に今までそこにあったものが突如消えてしまう。

感覚として捉えられなくなってしまう。

そんな意味を持った言葉です。この話に合っている言葉選びをしたくこの熄えると言う言葉にしました。

今まで当たり前にあったものが突如と消えてしまう事

誰しも経験した事があると思います。ペットの死であったり普段使っていた靴下が消えたり。

当たり前が無くなる事の辛さを知っていますでしょうか。

少しでも感情移入しやすい様に話し言葉多めです。

是非お楽しみ下さい。


高田馬場に着いた。

終電が近いからが酔っ払いや飲み会帰りの社会人しか見当たらない。


今日は夜風が冷えている。

身震いをしながら櫻庭を探した。

数分探すも見当たらず煙草に火をつけたその瞬間


櫻庭「ごめん、待った?」


櫻庭が声をかけてきた。

跳ねるような自分の心とは裏腹に冷めきった声で


新島「これ財布。」


櫻庭「ありがと、それでさ私達の関係何だけど

もう解消しないかな。」


意外だった。俺的にはまだ続いていける関係だと思って居たが実際はそうでは無いらしい。

煙草の味すらこの一言で味のないガムの様な煙草という至福品の意味を持たないただの煙となってしまった。

流行る気持ちを抑えこの感情の乱気流をどうするか悩みながらも一言聞いた。


新島「なんで?」


櫻庭「もうやるだけの関係とか要らないし、私にもそれを決める権利はあるからそう決断しただけ。」


新島「そっか。もう連絡止めとくね。今までありがとう」


自身の気持ちとは裏腹に櫻庭にとって不要になった。

この事実が受け入れがたかった。必死に愛しているつもりだったのだ。そのつもりが相手に伝わらず離れてしまう事なんて往々にしてある事である。そんな自分に言い聞かせるにしても虚しい言葉で自分の心に空いた空洞を防がなければ崩れ落ちてしまいそうだったから。

気づけばフィルターまで灰は来ていた。新島が後ろを振り向いたと同時にその長い灰も夜風に吹かれて何処か消えてしまった。

新島は自宅に帰った後光が何一つ無い暗い部屋で何かを忘れる様に眠った。






櫻庭は新島との関係を解消出来た事に喜びを得ていた。

今日から自由である。人に振り回されるのではなく自分で意思決定を出来るというその事実が櫻庭にとってはひどく新鮮で堪らなかった。帰り道、コンビニによって初めて煙草に手をつけようと思い何がいいのか悩んでいたらあの時見えた新島のセブンスターが過ぎった。


櫻庭「314番一つ下さい。」


櫻庭は自宅に帰るとひどく疲れに襲われた。

朝早くの一限から起きて瑞希と遊んで最後に新島と会ったのだ。

普段の一日よりもより濃い一日を過したからからこその疲れがどっと溜まった。煙草など忘れ直ぐにベットに入って眠りについた。

この日全く月は出ず雲に隠れたままだった。


互いの人生を変えた良くも悪くも曇天の日である。

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