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恋愛短編集  作者: カムイ
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いつかきっと

日々の受験勉強に疲れ、ふと開いた配信アプリで耳を癒されるような、元気をもらえるような相手と知り合った。

最初はなんてコメントしたらいいか分からず、【初見です】とだけ書いてただ、相手の会話コメントの読み上げを聞いていた。

コメントを残さないと認知されるわけもなく、あっという間に時間は過ぎて配信終了となる。

どんなコメントしたら良かったのか、どんなコメントなら読んでくれるのか、考えてはみたものの一向に答えは出ず、気が付いたら眠ってしまっていた。


「その配信者って顔出してねぇわけ?」


「顔出してないなら、声だけってすっげーブスかもしんねぇじゃん」


「俺はリアルじゃねぇと無理だわ」


高校へ向かう途中のコンビニで、友人に昨夜の事を話すと立て続けにそう言われた。

確かになって思うこともあって、すこしモヤモヤしつつも同意するふりをした。

どんな顔なんだろう、どんな人なんだろう。もっと知りたいなという気持ちがフツフツと沸き上がる。

かといって、コメントはどうしたらいいのかまだ迷っていた。



夜になってまた、配信が始まる。

配信が始まるまでにやるべき勉強をしないとって思うと何故かやる気が沸いていつもよりスムーズに終わらせることが出来た。


『初見さんもいっぱいコメントしてね!』


テロップにそう書かれてあって、「よし」と自分を奮い立たせて【昨日コメント出来なかったですけど、配信聞けてよかったです】とコメントした。

当たり障りなく、これならって思って書いた言葉をその配信者さんが読んだ瞬間思わず「読んでくれた」ってガッツポーズしている自分がいて、気恥ずかしくなってそっと手を机に置いた。


もっと仲良くなりたい。

これが恋の始まりだなんてその時の自分には、気付きもしなかった。



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