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第2話『面接②』

 悠久の時を生きる神々。彼等は常に退屈していた。


 つかの間の戯れにいくつもの世界を惑星ごと破壊したりもした。


 一部の神々の間では破壊した惑星をそれぞれがコレクションしたり、交換して楽しんでいた……が、ある一柱の神はそれだけでは飽き足らず、かろうじて一部の文明や能力のある人々を生き残らせたその惑星を材料集めの資源とし、そこから使える物を集めて新しいモノを作るという企画を考えもした。


 しかし、その神は破壊神であり、破壊は得意でも創造は不得意であった。


 それならば、出来る者に任せてしまおう。と、一人の人間を雇い入れ世界を自らの遊び場へと作り替える算段を取り付ける。


 かくして、その計画を実行に移すべく神の眷属達は行動を開始した。


「それで、今の話と仕事の話にどんな関係が?」


「えぇ、ですので先程の話にあったように、惑星のいくつかを資源として使用し、神々のかわりに世界を征服してもらうというのが仕事内容です」


 そう言うと男は笑みを深める。


「とりあえず活動資金はこちらでご用意しましょう。ただ、必要な物資や人員はこちらから資源衛星や神々の所有する惑星を支給しますので、そこからご自身で用意して下さい」


 人間が一から作り上げた組織で事を成す。というのが今回の企画のコンセプトですからね。と続けて語りかける彼の軽い口調に現実感が感じられず、イマイチ事態が飲み込めないが、まぁこのままニート生活をズルズルと続けるよりは面白そうだ。


「しかし、様々な技術を潤沢に使えば世界征服などあっという間に成し遂げられてしまうでしょう。そうならないように二つ程条件をつけさせていただきます」


「条件……とは?」


「世界征服を阻む敵対勢力の撃破。まぁ、所謂正義の味方というやつですね。世界征服を狙っている悪の組織が勝つか、それを正義のヒーローが壊滅させるか……というのが神々の企画した今回の催しという訳です」


 趣味が良いか悪いかは置いておくとして、どういう趣旨なのかは理解した。


「それじゃあもう一つの条件ってのは何なんですか?」


「すぐに決着がついてしまっては面白くないですし、よくあるヒーローもののお話でも4クールくらいの期間は続くじゃあないですか」


 つまり、と少し身を乗り出すようにしながら男は人差し指を立ててみせる。


「1年間……じっくりと1年間かけて世界征服を成し遂げていただきましょう」


 一見、とても楽しそうに見えるがどこか人を不安にさせるような不気味な笑顔を浮かべながら男はそう言った。


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