豚でもない話~トンネルで豚寝る
ラジオ向けの為、脚本形式です。
男性ドライバー「これは、俺がトンネル内で車を走らせていた時の話だ。家路を急いでいた俺の前に豚でもない事が起きた。そう、豚がトンネルで寝ていたのだ。」
♀豚「ぶひひ…、ぶひ…。」
クラクションが鳴る。
男性ドライバー「おい、何で道の真ん中で豚が寝てんだよ!」
♀豚「…ふあぁ…、トンネルで豚寝るって言うじゃない…。」
男性ドライバー「とんちはいいからとっととどきな!」
♀豚「豚って1トンもないのよね…。」
男性ドライバー「豚の体重など知った事かよ!」
♀豚「わたし雌の豚よ。人間以外の女性の体重を聞くのも失礼だと思わない?」
男性ドライバー「確かに失礼といえば失礼だけど…。とにかくさっさとどけや!轢いちまうぞ!」
♀豚「いいの?おたくの車が台無しになるわよ。」
男性ドライバー「くっ…、確かに豚の体重も馬鹿にならないしな…。やっぱ衝突したら大破は間違いねえ…。」
♀豚「じゃあ、わたしの眠りを妨げないでね。…ぶひひ…、ぶひ…。」
男性ドライバー「寝てんじゃねえよ!…って…、そもそも何で豚が喋ってんだよ!?」
複数の車からクラクションが鳴る。
男性ドライバー「くっ…、後続車どもが来やがったか…。こんな時どうすべきなんだ…?ロードサービスにでも通報するか…。しまった…。ここはトンネル内で圏外だ…。」
パトカーのサイレンの音が鳴る。
男性ドライバー「なっ…、俺が煽り運転してるだと!?豚でもない!トンネルで豚が寝てて立ち往生してただけだ!…あれ!?豚がいない…。」
ナレーター「そして、運転手は警察に連行され、豚でもない聴取を受けるのだった。」