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プロローグ
今回はずいぶん長い物語になりそうだな。
でもきっと面白いよ。
どうだか、どうせまた悲恋か苦悩の話だろ。
そうかもしれないね。けど、そうじゃないかもしれない。
、、、なにが言いたい?
僕たちは語り手でいることを喜んだ方がいいのかなって。
やっぱり要領得ないな。まぁ、お前はそういうやつか。
そうそう、そういうやつだからさ。諦めてよ。
俺らの物語はいつも諦観が基本の1つだしな。諦めるわ。
うん、ありがとう。でも、全部諦めたらつまらないよ。
つまらないのと辛いのを天秤にかけ続けるのが人生だろ。
それもそうだね。でも今回に限っていえばちょっと違う。
どういうことだ?
ちょっと諦めるのが遅くて幸せに指先が掠るってことさ。
あのクソ作家が一瞬でも幸せにするって?笑わせんなよ。
ふふっ、僕もそう思うよ。まぁ詳しくは読んでみようよ。
それもそうだな。じゃあ、始めるか。
うん、始めよっか。
今日も、空は紅く染まる。