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35.イワヒバ、はじめてのこうさつ

活動報告でも報告させて頂きましたが、0話、8話、21話の現実世界視点の話を一人称視点に修正しました。そちらも読んで頂けるとうれしいです。

女神から与えられた試練、それは思っていたよりも細々としたものだった。

レベル50まであげる、武器や防具の強化、職業の進化、etc…。

女神曰く、「全体的な戦力強化が必要」ということらしい。


「ということで、今日はイワヒバちゃんの防具を揃えよう」

「いえーい!」


武器に関しては既に『龍牙の大槌』があるし、元々それなりの性能の大剣を持っていた。

だが、ゲーム初心者あるあるというか、序盤あるあるだが、防具はかなり疎かになっていた。


「イワヒバちゃんはスーパーアーマーでゴリ押しするスタイルだから、ちゃんとした防具がないとすぐに死んじゃうからね」

「最近、普通のモンスターも強くなってきたもんねぇ」


魔族側のクエストも進行してきたせいか、雑魚敵も少し強くなってきている。現状食い止める手段がないというのもあり、人類側は主導権を握れていない。

だからこそ女神からのクエストも、受動的なものにならざるを得ないという事情がある。


「事前に田中さんに頼んでおいたんだけど、条件があってね」

「条件?」

「『☆4以上の鉱石』と『☆5の鉱石以外の素材』をそれぞれ1種類ずつ用意すること」

「むむー、なかなか難しいなぁ」


このゲームでは、分かりやすいようにアイテムにレア度がついている。

現状、鉱石は☆4ですら安定して手に入れるのは難しい。

☆5の素材アイテムは今のところボスがドロップ可能性がある程度ではあるが、だからこそ分かりやすくもある。


「NPC鍛冶屋が殺された影響で、彼も忙しくなってね。今はこの条件でしか受け入れてないらしいよ」


元々、鍛冶屋をしていた父はゲーム開始時にはおらず、その息子がNPC鍛冶屋の役割を担っていた。

1人前とは言えないが、そもそも武器というのはプレイヤーメイドの方が強いのがゲームの常識だ。誰も期待はしていなかった。


しかしこのゲームにおいては、NPCもゲームの1部であり、それは即ちプレイヤーの手で成長させることができるという意味になる。

詳しくは割愛するが、田中はNPCが死んだ影響で発生したクエストで忙しい。


「じゃあまずは、鉱山に鉱石を探しにいく?」

「いーやイワヒバちゃん、鉱山はもう古い!鉱石はモンスターから取る時代なのだよ!」

「え、あ、うん」

「まぁ実を言うと、星4以上の鉱石ってあんまり見つかってなくてね。今日はせっかくだから、新しい鉱石を発見しよう」

「おおー!新しいのを自分で見つけるんだ!?」


新しい物をを自分で発見する。それは未開拓だからこそできる要素であり、つまりは冒険だ。素敵な響きにイワヒバは目を輝かせる。


フクロウとしても、自分で考えて発見するという楽しさを知って欲しいという思いで提案したようだ。


「それでそれでっ?まずはどこいくのっ?」

「まぁまぁ落ち着いて。てってれー、ワールドマップ〜」


フクロウがダミ声で地図を取り出すが、イワヒバは某青狸を知らないのかキョトンとしている。


ちなみに、このゲームには今のところ、地図機能などという気の利いた物はない。もちろん製品版では実装予定だが、β版は選ばれしゲーマー達のハードモードなので存在しない。

という事で有志達が伊能忠敬が如く1歩1歩測量して地図を作った物が共有されている。


「これを見てどこに行くか考えてみようか。鉱石を落とすモンスターがいそうな場所を考えてみて」

「う、うーん……。鉱石を落とすってことは、身体が金属で出来てるってことかな。そうなるとやっぱり、鉱山とかにいそうじゃない?」


やはりイワヒバは頭がいい。

自分なりに、鉱石を落とすというところから連想して答えを導き出している。


「うんうん!いいね!

ただ、鉱山は結構調べられてて鉱石を落とすモンスターはいないんだよね。何故か」

「そっかぁ」


フクロウは以前に鉱山は探索しまくっているので、いないことは確定で良いだろう。せいぜいがゴーレムの残骸があったくらいで他には何もなかった。


「うぅん……身体が金属だから……あ!身体が金属ってことは、暑かったり寒かったりしても平気なんじゃない!?だからえーっと……ここ!雪山!!」

「はい天才っ!百点満点の解答だよイワヒバちゃん」

「ほんとっ?やったー!」


フクロウも検証、考察勢として長年やってきているので当然いくつか予想を立てていた。

配信の企画として、そしてイワヒバちゃんに発見する楽しみを知ってもらうためにあえて考えさせたが、ヒントは与えるつもりだった。いきなり考えてみろと言われても何も思い浮かばないのが普通だからだ。


まさかその必要がないほどスムーズに答えを出せるとは……そう内心驚きながらはしゃぐイワヒバの頭を撫でた。


何ナチュラルにイワヒバちゃんの頭撫でてんだよノータッチを貫けよカス。

……と思った方はポイント評価とブックマーク、できれば感想もお願いします。

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