12.相変わらず思春期みたいな思考のロリコン
前回のあらすじ!
ロリコン実況者フクロウ君が病弱アルビノ合法ロリ配信者のイワヒバに一目惚れ!!
なんとかお近づきになろうとするも、いい歳して思ったより緊張してしまう!
そこに突如現れた犬がイワヒバを襲う!危ない!となんとかフクロウ君が助け出し、ロリコンが幼女にお近づきになることが出来てしまった!!最悪だね!!
本編開始!!!
ハウンドドッグを華麗に(大分格好付けて)片付けて、村まで案内することになった。
勿論、イワヒバは配信中のため、下手なことはできない。いや、配信中でなくても下手なことはできないが。
しかし、コラボという形で基本的なことを教えながら、上手いこと打ち解けることができている。
「へー、じゃあ、リアルでもこのくらいちっちゃいんだ?」
「うん、まぁね。色々不便な身体だよ」
「そうだろうね。でも……」
「でも?」
その方がかわいい、と思わず言いかけて思いとどまる。世間体というものがあるのだ、イワヒバの配信にそれがのっかれば、切り抜かれるだけでは済まないだろう。
「なんでもないよ」と誤魔化し、別の話題を考える。
「……そういえば、イワヒバちゃんはゲームをするのは初めてなんだったよね?」
「ん?うん、そうだけど?」
イワヒバが『ホーンラビット』に強力な一撃を入れて倒しながら応える。
「……いや、なんていうか、上手いなって思って」
『ホーンラビット』という魔物は、体力や攻撃力は低いが、すばしっこく、複雑な動きをする為、中々攻撃が当てにくい魔物だ。
勿論、フクロウを含めた、ここにいる大半のプレイヤーにとっては、そこまで厄介ではない。
しかし、初心者というのはそもそも普通の魔物でさえちゃんと攻撃を当てることは難しいのだ。ある程度システムのアシストはあるにせよ、すばしっこい魔物にしっかり攻撃を当て、一撃で仕留めるのは難しいはずなのだ。
「ほんとっ?ありがとっ!」
イワヒバが特大の笑顔でお礼を言う。あまりの可愛さに、フクロウが一瞬フリーズするが、なんとか持ちこたえ、話を続ける。
「う、うん、初心者のうちは攻撃を当てるのも難しいからね、すごいよ」
「えへへ〜」
実を言うと、これ以上ないくらいイワヒバは張り切っていた。
我々から見ればフクロウはロリコンでいい歳して女の子と話すのに緊張するような、ただの気持ち悪いやつであるが、イワヒバから見れば違う。
背後から襲われそうになった所を助けてもらった、カッコイイお兄さんなのである。
流石に恋愛感情とまではいかないが、顔がいいのも相まって、割と憎からず思っているのだ。
ということで、ちょっとかっこいい所を見てもらおうと、かなり張り切っていた。
「お、村についたよ」
フクロウに言われて、イワヒバが見上げると、巨大な女神像が見えた。
「わー……人がいっぱいいるねぇ……」
女神像の大きさよりまず目に入ったのは、人の多さだった。
病室で過ごしていたイワヒバにとって、これだけ多くの人が集まっている光景を見るのは初めてだったのだ。
「正式サービスが始まったら、こんなもんじゃないよ」
「ほえ…!?そ、そっか、そうだよね…!楽しみだなぁ…」
無邪気にはしゃぐイワヒバに、フクロウは優しく頭を撫で──ようとして、手を引っ込める。
正直、何をしても児ポに引っかかりそうで怖いし、配信者としては下手なことはできない、なんて言い訳で自分を誤魔化す。
「あ、フクロウさん、いい所に」
そんなところに、声をかけてきたのは、その女神像を作った創造神、田中である。
「あぁ、田中さん。どうしたんです?この人だかりは」
「いやなに、丁度女神像が作り終わって、後はイベントを進行させるだけでして。せっかくなんでこうして人を集めたんですよ」
そう言われて女神像をよく見ると、確かにその近くにシステムウインドウが出現していた。
「さて、フクロウさんも来たことですし、そろそろ始めますか」
田中は、システムウインドウの前に行き、「YES」を選択した。
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