91話 南の街道に住む魔物
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俺達は飛竜が住みついているという南のミュール王国に先に行くために準備を進めた。
どうやら飛竜でも、聞いたところだとワイバーンという中型の魔物らしい。
よく異世界でも聞く名前だから馴染みがあると思うが。
廃虚となった街に群れで巣を作り、街道の周りを飛んで旅人を襲撃していると聞いた。
俺はてっきりドラゴンでも出てきたら手懐けてしまおうという浅はかな考えを持っていたが、それはもう少し先になりそうだった。
少しテンションが下がってしまったが、時間をかけたくなかったので皆で早めに行動を開始した。
「南の廃虚と化したミュール王国は約200km南に離れたところにある。 馬車で向かうと丸々2日はかかるけど走竜を使えば1日かからず着ける。 だから今回はドランコを借りようと思うんだ」
「いいね。 サクッと行ってサクッと倒して帰って来るって作戦ね!」
まるでスライムでも倒すかのよう軽いノリでシャルルちゃんは話すな。
「まぁ、いいんじゃない? その後に死神の森も控えてるし。サブイベントはとっとと済ましちゃいましょ」
アイリも同じような意見だった。
確かに強さはB級の魔物、竜と呼ばれる種族では最弱な部類なんだろう。
だけど、今回も数が多い。
群れで100匹近くいると聞いたからな。
俺達ならニーアちゃんの魔剣とアイリちゃんの魔法、それに俺がイフリートを召喚して戦えばなんら問題はない。
改めて思ったのは、この世界だとB級の魔物一匹相手にするには一流ハンタークラスを何人か集めないと倒せないレベルらしい。
だからもしワイバーン100匹がベルバド王国に攻めて来ようものなら、一国レベルで戦わないと勝てないということになる。
しかも飛んでいる相手では余計に部が悪い。
街にも被害が出るし、王宮も無事では済まないだろう。
多分、弓兵と魔法使いだけの戦いになれば確実に苦戦するだろう。
だけど俺達は今からその魔物を相手にしようと向かおうというのにまるでピクニックにでも行くかのように女性陣はしゃいでいた。
過去に1000匹の魔物との死闘を繰り広げた事が大きな経験になったんだろう。
その経験が、だかが100匹くらいとしか捉えてないのだ。
完結に言うと余裕になってしまったのだ。
いやはやそう思うと、俺たちの強さって改めてチート級と思いしらされる。
街で借りた走竜に股がり俺達はベルバド王国を主発した。
初めてドランコに乗って見て分かったこと。
「うおぉっ!! マジで速いな!! 馬車と比べ物にならないくらい速い!!」
馬車とは違う感覚に俺は感動していた。
「そうじゃな。 馬車よりも圧倒的に速いし、小型の魔物くらいなら負けたりはせん。 乗り心地は悪いがここの地方ではこの乗り物が主流じゃ。 治安が悪いからこいつに乗っとらんと直ぐに野盗や、魔物に襲われてしまうからの」
以前説明を受けた事を思い出した。 速いけど荷物は引けずに、一人乗りなんだっけか。
長旅には向かないけど、少し走る分なら機動力のあるこっちの方が便利だな。
「ほんとに物騒よね。 まぁもし仮に私達に襲って来るようなバカな輩がいたら、そいつらには同情しちゃうけど」
「はは。 ほんとにそうだろうね」
笑いながらシャルルちゃんは話すが、確かにそうだ。
この面子に襲ってくる野盗は間違いなく瞬殺されるだろう。
「とっとと、倒して南の街道を開通させちゃいましょ」
アイリちゃんは少し乗り心地が悪いのかダルそうに答えたが、シャルルちゃんは違った。
いつものように下ネタで絡んできたのだ。
「そうよね。 私達なら余裕よね。 だってユウキ開通させるの得意だし。 それにもう3人も開通させたことだし。 今更一つや二つ開通させることなんて、なんてことないでしょ」
シャルルの下ネタに顔を真っ赤に染めたアイリはシャルルに勢いよく突っ込んだ。
「ちょっ! ちょっとアイリさんっ! そういうこと言うの止めてくれない? た、大切な思い出が台無しになるじゃない!」
「えぇ? アイリってそう言うの気にするの? 普段は色恋沙汰に興味無さそうな顔してるのに。 意外だったわ。 それに……大切な思い出だったんだ?」
「そっ、そうよっ。 悪いの!?」
「あの灼熱の中で、マグマのようにお互いの愛を確かめ合ったんだ!?」
「――っ!!」
シャルルは意地悪そうな顔をしてアイリの顔を覗き込んだ。
あぁ。 こんな時のウザ絡みをする時のアイリちゃんはめんどくさいぞ。
俺はめんどくさくなる前に二人の話題を止めることにする。
「その話しはまた今度にしようね二人とも」
キラ様も今回は俺が早く動いたことで怒りオーラがまだ出ていない。 先伸ばしにすると最後には俺が痛い目にあうからな。
ここは先手を打っておかないとな。
「そうですよ。 昼間から二人ともはしたないですよ」
「えぇ!? なんでよ。 これから面白くなるのにぃ」
俺は知っている。
俺に同調してニーアちゃんも制止するよう言葉をかけているが、以前俺達は下ネタでキラ様に怒られるまで会話を続けてたことがあることを。
「それにしてもあのベルバド王の威圧感は凄かったな。 途中牢屋にでも放り込まれそうな雰囲気になった時は冷汗が止まらなかったよ」
キラ様も呆れた顔をしながらも何とかあの場を乗りきれたことを賞賛してくれた。
「ほんとよく、小細工なしで話したわ。 あれほどの威圧感を放つ者は世界中探してもそうはおらんじゃろうな」
「ですよね。 私も只者ではないと感じてましたが、まさか王様が元S級の冒険者でもあったとは」
ニーアちゃんも剣士としてあの異様な迫力には気づいていたみたいだな。
「怒らせたら一番ヤバいタイプよね。 あれはきっと」
「 っ! 」
アイリちゃんの一言が妙にしっくりきて俺は唾を呑み込んだ。
たまに俺も空気読めない時があるからなぁ……。
絶対に怒らせないようにしよう。
そう思いながら俺達は飛竜が住みついている元ミュール王国に向かう為、ドランコを借りて走ったのだった。
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