9話 天職遊び人の力
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俺は屋台の方に走り出す
「あれだ!!」
俺の目が、見た瞬間にそう感じた。あれは……
「なんじゃ!? 何があったんじゃ!」
「これだよ、これっ!!」
俺は占い屋の前に着き、お婆さんに声をかける。
「この水晶売ってくれないかなっ!?」
そうだよ。確かめたいんだ。この水晶らが俺にとってはなくてはならない物に変わるんだよ。
「はぃぃ??」
「水晶をあるだけ全部売って欲しいんだっ!!!」
そう占いババに言い。ユウキは頼み込む。その訳の分からない行動に流石のキラもだまっちゃいられない。
「こンのバカたれぃっ!!」
ドゴォォォォォォーーーッ!!!!
顔面にパンチがめり込む
「ふごぉぉぉっっ!!!」
「何を言い出すかと思ったら何を訳わからん事をっ!!」
「ちょっ、ちょっと待ってよ!!」
試したいことがあるんだよ。これがあれば俺は……
「待てるかぁぁぁ!!!」
ドゴォォォォォォォッ!!!!!!!
「ぼはぁぁぁぁっっ!!!!」
続けざまにもう一発くらう
「ちょっと……だけ待って……くら……はい」
ほんとに待てない人だな。少しは待つという言葉を知らないのか。前世だったらパワハラ上司でとっくに訴えられてるぞ。
「なんじゃこのバカ者が」
俺は占い屋の水晶を5つ程、お婆さんに高値で売って貰う。
俺の衝動に間違いなければこの水晶で……
おおおおおおおお!!!!!!
この感覚!間違いない。やっぱり遊び人の影響を強く受けている!!
手の平程の水晶が俺の手の上をくるくると転がりだす。まるで水晶が意思を持っているかのように生き生きと
まるで昔から触っていたかのような不思議な感覚。落とす気がしない。頭の中に自然とイメージが膨らむ
俺は5つの水晶を同時にジャグリングしていく。
「おお、見事じゃ。 だが、それがどう………」
キラは周りの異変に気付く。気付くと周りに人が集り始めていたからだ。
「ねーねーあの顔の腫れたお兄ちゃん、なんかボールがくるくる回ってて面白い!」
大人と子供、お婆さんまで足を止めてこっちに注目する。
「なんだ大道芸やってるのか?」
行き交う人々が足を更に止めて注目した。大道芸をやる人はこの世界でも少ないからだ。
俺は頭の上に1つ水晶を乗せながら、手の上で転がす残りの水晶を肩の上を通し、反対の手のひらに移し代える。
周りから歓声が上がる。
「おぉ、すごいな!!」
遊び人の真骨頂ともいえる大道芸。
そして水晶が強い光を放ち始め輝きを増していく。
俺は踊りながら光を放つ水晶を空中に投げていく。
優雅に踊り続ける俺に落ちてくる水晶。俺は視線を合わせることなく次々にキャッチする。
手の平にあった水晶は5つから4つ、4つから3つと不思議と数が減る。
「何だ!?どうなってんだ!!」
「わーーぃ!面白ーい!!」
最後には手のひらに1つになる。
おおおおおおおおおおお!!!!!!!
周りからは大歓声が起こる。
最後は両手から光る水晶が5つ出て
「はい。 元通り!!」
「おおおおおおおおおおお!!!!! スゴいぞ!!」
「面白かった!!」
「こんな凄い大道芸初めてだ!!」
「すごぉぉい!! カッコいい!!」
キラはそれを見て納得した。
「そうじゃったわ。 オヌシの天職は遊び人じゃったわ」
終わった後、俺の足元には物凄い賽銭が投げ込まれていく。
「いいもん見せて貰ったよ」
「面白かった、またやってね!」
「いやー感動したよ」
集まった人達が散り散りになっていくなか俺はFランクのクエストを何回も受けるより賽銭が多く貰えてることに確信を持った。
間違いない。この世界では殆ど大道芸が流行っていない。
落ちこぼれ職業だからか、なんなのかは分からないがお客の反応を見てそれだけは分かる。
だから決めた。これは俺にとって遊び人をしてく上での運命なんだろう。
「俺は世界を回って世界一の道化師になる」
「またワチの考えの斜め上をきおったな」
「不思議なんだ。 こっちの方がしっくりくる」
俺は手のひらをくるっと回してイメージする
すると
ーーー ポンッ ! ーーーー
手からキレイな一輪の花が飛び出す。
俺の少ない魔力を使いイメージして練ると花を作り出すことが出きる。大した物は作り出せないけど、これも遊び人のスキルの1つだ。
「魔法でもない、不思議なもんじゃな」
「これをキラ様に……」
俺はキラ様に格好をつけて差し上げる。
「な……なんじゃ……急に」
「いつもお世話になっているので。 今はこれぐらいしか出来ませんが」
柄にでもないことを言って俺はキラ様の反応を見てみる事にする。
「て……テレるのぅ」
意外と反応がいいな。俺はもう少しだけ調子に乗ってからかってみようとしたが、それがいけなかった。
「なんてやってたら、惚れちゃいました!?」
「ぬぐぐ………。 誰がオヌシなんかに惚れるかぁっ!!」
ボゴォォォッ!!!
「いってぇぇぇぇっ!」
「………ほんっと、冗談通用しませんね」
「冗談のレベルが低すぎるわ!」
遊び人として俺の考え方も少し変わってきたことがある。
「後、何回かこの街で公演したら次の街を目指しましょう」
「まぁ、ずっとこの街で大道芸を続けれる訳でもないからの。 いいのではないか」
「そして大道芸をやってくなら一人ではなくサーカス団にしたいんだ」
「ほぅ、では仲間を見つけると」
「そうだね。 華がほしいから可愛い女の子がいい」
「……このスケベェが」
「とても大事なことだよ! 旅をするにも華が欲しいんだ!!」
「ただの欲望丸出しではないかっ!!」
「そうだよ!!! 俺は前世で出来なかったイチャイチャ楽しく生活をしたいんだよ!!!!」
「遊び人の影響強く出過ぎじゃろ……気持ち悪いヤツじゃなぁ」
「まずはバニーガールだな……」
俺はキラ様に真顔で答える
「アホくさ………もう好きにせぇ」
呆れたキラ様をよそに、こうして仲間を探し始めた主人公だった。