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89話 王の苦悩

遊びに来て頂きありがとうございます!


応援よろしくお願いします‼

 城内に重い空気が一気に広がり、一瞬の沈黙だったが、やけに長く感じる。

 ユウキの額からは一筋の汗が溢れ落ちた。


 これは確実に機嫌を損ねたな。

 もう少し上手く話すつもりだったけど、本心なんだからしょうがない。


 キラもこの圧倒的な不利な状況にまともな助言が出来ずにいた。


「(ユウキ、今のままでよい。 ベルバド王もワチ同様に嘘が通用せん。 下手に嘘をつけば状況がもっと悪くなるぞぃ)」


「(状況が悪くなるって言われても、もう既に詰んだと思うくらい状況は悪くなってるんだけど……)」


「(そんなもん見れば分かっとるわっ! それでも、お前には王に伝えたいことがあるんじゃろう?)」


「(………そうだね)」


 ユウキはそう思いながら、何とか状況を良くしようとするが、ベルバド王は重い口を開きユウキに問いかけた。


「光の道化師ユウキよ。 このベルバド王国に入り、街を歩き、王宮を見て、お前も気付いただろう? このベルバド王国が今どういう状況かを」


 すると隣にいた側近が慌てて口を挟んで来た。


「陛下、それ以上余所者に国の内情を……」


「よい。 黙っておれ。 今ワシはあいつと喋っておる」


「は、ははぁ」


 一人の側近は頭を下げて言葉を止め立っていた場所にすぐさま戻った。


 やっぱりこの王様は威厳も貫禄もあるな。


 そのベルバド王の言葉に、その先の言いたい事は大体分かった。

 言いにくい事だが、曖昧に返事をするわけにはいかない。 俺は思っていることを口にすることにした。


「はい。 私も幾つも国を見てきましたが、このベルバド王国は正直に言って栄えているとは思えませんでした。 街に活気もなく、商人や冒険者も殆ど見かけませんでした。 このままではベルバド王国は衰退していく一方だと……」


 一人のベルバド王の隣にいた近衛兵の顔付きが変わり腰の剣に手をあて、ユウキの言葉に敵意を剥き出しにして怒鳴ってきのだ。


「貴様ぁ! 黙って聞いておれば、陛下にいきなり会いに来たと思ったら、散々無礼な事を抜かしおって!

しかも陛下自ら貴様達に会う機会をわざわざ用意したというのになんだその口の聞き方は! ほんと我慢ならん! その首叩ききってくれようか!!」


 うわぁ。


 向かって来そうなほどブチキレてるじゃん。


 だけど本当のことだろう。 誰だって街に来たらそう思うだろうが!


 ベルバド王含め、側近までキレてんじゃん。


 この国造奴は沸点低過ぎるやつ多過ぎやしないか?


 どこぞの戦闘民族並みじゃないかよ。



 でも、本当にもうダメかもしれないな。


 下手したら牢屋にでも放り込まれそうな雰囲気になってきたぞ。


 内心俺も近衛兵には少しイラッとしたが、今は我慢だ。

 全てをぶち壊す訳にはいかない。


 まぁ、もし、近衛兵が向かって来たらその時は一発ぶん殴ってこの国を何とか子供達を連れて脱出しよう。


 余計な雑念を考えていると、イラついた近衛兵をまたしてもベルバド王は止め、話を続けた。


「なら、お前の考えている通りだ。 この国に財政を他にあてる余裕がないのだ」


 そう言ってベルバド王はこの国について話を始めた。



最後まで読んで頂きありがとうございます!


少しでも良かった、続きが気になったと思われた方はブクマ登録と評価をして頂けると大変嬉しいです!励みになりますので!


夕方に更新予定です!

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