84話 料理のスペシャリスト
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連れて来られた場所には子供たちが栽培した芋などがそこそこあり、野盗が後で食べようとしていたのか、仕留めた猪や豚がなどが何匹も新鮮な状態で保管してあった。
「あれだけの人数がいたんだ。 それなりの食料はあるとは思っていたけど、これだけあれば充分だな」
「ふむ。 なら早速料理に取りかかるとするかの。 では、ユウキ頼んだぞぃ」
「えっ?」
一瞬の間が空き、ユウキは答える。
「えっと……、俺は簡単な料理なら出来るけど、豚なんかは流石にニーアちゃんじゃないから捌けないよ。 それにキラ様は前に料理出来るって言ってたからさ、期待してたんだけど……」
二人して食材を前にして冷汗を垂らしながら話始めた。
「(おい! ワシだってもう何年も包丁を握っとらんわい! 捌き方なんてとうに忘れてしまったわ! それに今は食専門なんじゃ!!)」
「(じゃぁ、どーするんだよ! もう二人して料理が出来ないなんて言える雰囲気じゃないぞ! 後ろを見てみろよ!)」
二人はゆっくりと振り替えると、そこには料理をしてくれるのを今かと待ちわびる期待に満ちた顔をした子供たちが大勢いた。
「はは……」
ごくっ……。
これはやるしかない。
捌いた事のない豚を自分の手で手探りで、それっぽく料理してるように演出するしかない。
包丁を持ち、覚悟を決める。
人を殺める覚悟は戦闘の前にしたが、料理をする覚悟は全然出来ていなかった。
豚なんて焼けば味なんて一緒だろうと無茶苦茶な事を考え始めた時だった。
「ユウキ様、ただいま戻りました」
「お疲れ様ユウキ、そっちも無事だったみたいね」
「「!!」」
後ろを振り向くと子供達の間を抜けて二人が歩いて来ていた。
「ニーアちゃぁぁぁぁぁぁんっ!!」
「ミジンコォォォォッ!!」
料理の達人が戦闘を終え、ユウキの元へ返って来たのだった。
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