83話 子供達の反応
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ユウキとキラはブチのいた場所から少し離れた建物の中に待たせていた子供たちの所に向かった。
「みんな、お待たせ。 もう大丈夫だよ」
ユウキは出来るだけ子供達を不安にさせないように姿勢を低くし、同じ目線にしてゆっくりと笑顔で答えた。
「う……。 うん……」
しかし、安全と伝えても子供達らしい無邪気な反応が全然返ってこなかった。
おかしい。
何か暗くさせるような要因がまだあるのか?
俺達を見る子供達の目が、まだ恐怖や不安といった目になっている。
その瞳を見てユウキは自分の事を重ねていた。
そうだ……。
あの時の………小さい頃の俺もそうだった。
人間が替わっただけで、また同じ目にあわされるのだろうと思っていた。
愛のない環境でひたすら同じ地獄が続いていくのだろうと思っていた。
この子達も同じだ。
辛い地獄のような日がずっと続いていたんだ。
だから出会ったばかりの大人に大丈夫と安い言葉ををいきなりかけられて信用してくれという話も、この状況だと無理な話なんだ。
周りを見渡すと殆んどの子供達、女性達はまともにご飯も与えられず痩せ細っていた。
戦って死んでいった狂戦士達はしっかりとした肉体だっただけに本当に奴隷のように扱われていたのだろう。
本当ならもっとこの時期の子達は頬骨なんて見えないくらいまん丸とした弾力がありそうな顔なはずなんだ。
満腹になるまで食べた日なんてもう忘れてしまったのかもしれないな。
「ごめんな……。 もう少し早く気付いてやれなくて」
「……?」
俺は子供達に食材のありかを聞いてみた。 この子達や、女性は食事も作らされているかも思ったからだ。
「あっちにあるよ……」
「案内して貰えるかな? お兄さんたちが君達にその食材で料理をいっぱい振る舞うよ」
あれだけの狂戦士達の肉体を維持する分の食料は何処かにあったんだ。 なら必ず食料があるはず。
向こうで戦っていたニーア組とアイリ組も、少し前から激しい戦闘音も聞こえなくなったってことは俺たちと同じで戦いが終わったのだろう。 ならそのうちサーチを使って来るだろう。
するとユウキの台詞に子供達の反応が少し変わる。
「本当に……?」
「うん……。 本当だよ、だから教えて欲しいんだ」
「こっちだよ!!」
一人の女の子が足早にその場所に向かって案内をしてくれた。その後を俺達は、残りの子供たちを誘導しみんなで着いていった。
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