80話 嵐の前の静けさ
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ニーア組みとアイリ組みが早々に戦いを開始したしたところだったが、ユウキ達は逆に嵐の前の静けさのように誰一人いない中央通りを進んでいた。
ライオネスがいない今、緊迫した空気はなかったが、逆に誰もいない事が不自然に思え二人はサーチを使えない分周りを警戒していた。
「キラ様、戦闘が始まったみたいだね…」
「ああ。 そうみたいじゃな。 まぁ、アイツ等の事は心配せんでもええ、簡単に殺られはせんじゃろ。 それよりも肝心なのはオヌシの方じゃぞ」
「大丈夫だよ。 覚悟は出来てる」
キラはユウキの言葉を半信半疑で聞いていた。
ユウキは平静を装っていたが、実際どうなるか分からなかったからだ。 思っていることと実際に身体が反応するかはどうかは別とキラは思っていたからだ。
「ならええがのぉ。
アヤツ等はどうしよもない救いようのない連中の集まりじゃ。
裁きが下せんかったのはライオネスがあまりに強くなりすぎたせいで国も手が出せんほどに強大になり過ぎただけじゃ。
生かしておる訳じゃない、本来なら即死罪になって当然なんじゃからな。
オヌシのことじゃ、変に救いたいなんて思わん事じゃ。 大事なところで剣が鈍るぞぃ」
「分かってるさ。 向こうの世界とこっちの世界とでは何もかも違う。 救いようのない連中もいるってことも」
俺は思い返していた。 前世でも国が違えば危険な国や地域が沢山あった。 俺がただ目を向けなかっただけで、本当はこの世界にもにたような場所があったんだ。
テレビで眺める世界は広すぎて、俺には何も変えれないと、始めから何もしないうちから他人事のように見ていた。
だけど、この世界は違った。
容赦なく汚い現実が行く先々で存在し襲いかかってくる。
信じられないが、国力もないに等しいくらい、この世界では邪悪な存在の方が強いんだ。
「ワシが始末する分には何も容赦せんが、オヌシは何も深く考えるな。
ただ剣を振るえ。
今は闇雲でもええ、迷っていてもオヌシの剣がいつか道を開いてくれる。
安心しろ、オヌシはこの世界に選ばれたほんの一握りの選定者なんじゃからな」
真っ直ぐな目でユウキを見つめながらキラは答えた。
「キラ様……」
「ホレ、そんな事を言っておったらぞろぞろと出てきたぞぃ」
ゆっくりと左右の建物の影から90人ほど出てきた。
キラ様とユウキは当然構えたが、そこには信じられない光景が広がった。
「むっ………」
「う……嘘だろ……」
抜くはずだったユウキの腰に刺さした剣は、未だ抜かれないままだった。
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