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8話 心境の変化

遊びに来て頂きありがとうございます‼


ブクマ登録と評価をして頂いてる皆さんありがとうございます!

 あれから1週間程経ったが、俺はFランクのクエストを幾つもこなした。


 そして今日もクエストでウルフの討伐をしていていた。



「わぁぁ。 何匹も俺を追っかけてくるよ!!」


ウルフの討伐に何回も出掛けてたら、すっかり向こうの連中に顔を覚えられて指名手配犯みたいになってしまった。

一匹に見つかったら大群で襲いかかってくる。


「早く倒さんからじゃ! ダラダラやりおって!」


「そう………言われ……ても」


「よっ!」


 俺はウルフの攻撃を交わし短剣で切りつける。


「ギャンッ!!」


 後ろにいたウルフの胴体にヒットし一匹が崩れ落ちて倒れていく


「もういっちょっ」


 今度は横に並走して攻撃をしようとしてきたウルフを凪ぎ払うように攻撃をする。何回も討伐したもんだから慣れたものだ。


「ギャウンッ!!」


 いとも簡単にウルフは倒れていく。


「後2匹は」


 ウルフを見ると、あまりの力の差に怖じ気づいたのか逃げて行く。


「………」


「追わんでいいのか?」


「いいよ。 逃げるものまで狩る必要ない」


「それにクエストは達成したからね」


 ウルフ4匹討伐クエストを今日もあっさり終えて街に帰る。この何日かの間で俺にも心境の変化があった。


「大分、戦いの中で力もついたし、スキルも修得したけど、普通こんなものなの?」


「うーん、遊び人は成長が早いとは聞いたことあるが、どうなんじゃろな。 実感はあるのか?」


「大分強くなったと思う。 Fランクの相手位なら苦戦することはないと思えるほど」


この世界ではレベルやら強さの数値がない。だからどこまで強くなったかと聞かれると回答に困るとこはあるが、戦いにも慣れてきたのか、以前に比べると明らかに強くはなったはずだ。



「ならオヌシのクエストの達成具合で、もうそろそろランクを上げてもらうか?」


「いや、もうクエストをやるかは分からない。 と言うか、やりたくない」


俺は数日前から考えていた心境をキラ様に打ち明ける。


「どーいうことじゃ? この世界ではハンターは狩りをせんと暮らしていけんのじゃぞ!?」


「そうなんだけどさ。 俺は動物も魔物も殺したくないんだよ。 よく考えたら意外と動物愛好家だったんだよ俺は」


前世からすると民族育ちでもない狩猟一家でもない俺にとっては違和感しかマジで感じないんだよ。


「むむ。 まさかオヌシからまさかそんな事言うとは………」


 キラはここ最近のユウキの心の変化に気付いていた。

しかしそれが本人の意思なのか、遊び人の影響なのかまでは判断が出来なかった。

こんなケースはキラとて初めてだったからだ。


「魔物を倒したくない。 しかし、魔物は人を襲う危険な存在じゃ。生きる為には必要な事じゃぞ」


「そうなんだけど、ちょっと前にスキルで魅了って覚えたんだよね。 それでどうにかならないのかなって」



「使えても何十回も乱発も出来んじゃろ?」



「遊び人はマジックポイント少ないからな~。 そこが問題だよな。後は……お金の問題か」


「クエストをやらなくなったら稼ぎがなくなるぞぃ。 ここ最近稼いだお金である程度は持つが、そう長くも続けれんぞい」


「うん。 だから違うこと考える」


そう言って頭を巡らすが、早々にいい案は浮かんでこない。

そりゃそうだ。この世界の事をまだよくしらないんだからな。

見て回って色々考えないとな。


俺の使命は世界貢献しろってことだけど、貢献が全て魔物討伐って訳じゃないはずだ。大事な所は全部どこかにいる勇者や賢者に任せて、俺は違う道を少し考えてみるとするか。


 街に帰り、俺達はギルドのニニアさんに完了報告をする


「ウルフの討伐完了しました」


「ユウキ様、今日もクエスト完了お疲れ様です」


「ちといいかニニア? コヤツのランクの件じゃが」


「はいキラ様。 えっと……ユウキ様は後1つのクエスト完了でランクを上げれます」


「そのクエストは何でもいいのか?」


「いえ、上げる為には最後の必須クエストをやって頂きます」

「そのクエストは、怪鳥ボスガガラスの討伐です」


「そうなんだ。 最近心境の変化があってさ。 撃退じゃダメなのかな?」


「申し訳ありません。 撃退は証拠が残せないケースが多い為、そういったクエスト事態が取扱いが殆どないんです」


「そっか。 なら取り合えず考えておくよ」


「いいのですか? 今のユウキ様なら一人とはいえ充分に……」


「ええんじゃ。 少し考えさせてやってくれ」


「キラ様……。 それでは、気が変わりましたらその時はクエストの受注をお待ちしております」


「ありがとうニニアさん」


 そういって俺はギルドを後にする。


 町の中をぶらぶらと考えもなく俺達は歩いていた。俺の肩に座るキラ様が声をかける


「のぉ? お前さんは前世ではどんな職業をやっとったのじゃ?」


下らない事をキラ様に聞かれたが俺は特に何も考えず返事をする。


「俺はね。 本当に普通の職業だったよ。 ただの何の変鉄もないサラリーマン」


「サラリーマン? 変わった職業じゃの。 こっちでは聞いたことないぞぃ」


「そうだろうね。 前世では争いがなかったからね。 だから物を売ったり、作ったり、修理したりしてお金を貰ってたんだよ」


「ほぅ。まるでこちらの世界とは違うな」


「そうだね。だから違和感があるのかもしれない」


「………」


 ユウキは広間のベンチに腰を掛け行き交う人々を見ていた。


「この世界はいつか魔物が溢れ反り世界の滅亡の危機が訪れるんだよね」


「………そうじゃの。 そう予言されておる」


「俺は一度死んだから分かるんだ」


「何をじゃ?」


「大勢の人が死んだら、数えきれない程の人が悲しむ事になる」


 俺は前世で死ぬ間際を思い出していた。


 葵ちゃんに最後のメールを送った時、俺は自分の都合で死んでしまった。

 もしあの時生きていたら、俺は明るい未来が待っていたかもしれない。そうならなかったかもしれないが。

でも実際は死んでしまった。俺は葵ちゃんを悲しませる事になったかもしれない。両親や親族、会社の同僚など悲しんでいるだろう。


「魔物も同じなんじゃないかな」


「む……?!」


「魔物にも意思はある。 誰かが討伐されたら残された魔物が悲しむ事になるかもしれない」


「それは……」


 キラは答えれなかった。この世界の魔物を討伐させる使命を持たされていたことに何の疑問も抱いた事がなかったからだ。


「だからむやみに倒したくなくなった。 神に選ばれたとは言っても勇者のように俺は剣を振るえんよ」


「………オヌシには色々考えさせられるのぅ」


 ふぅ………キラ様はため息をつき考え方を変える。


「なら好きにするがええよ」


「ありがとう。 何とか違う方法で考えるよ」


 そう言って俺は広間の屋台を色々観察していた


 その中に


「…………」


 俺はひとつの屋台に目が止まる


「あ……」


「ぬ?」


「あれだぁぁぁ!!!!!!!」






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