73話 サイコパス
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キラ様は答えた。
「何千何百人とワチは罪人を見てきた。
ワチには心眼もあれば、離れておっても相手の感情が流れてくるリンクもある。 じゃから罪人の気持ちなんぞ手に取るように分かっておったわ。
その数えきれんくらい罪人を扱う中で、ワチはイヤというほど見てきたよ。アヤツらにはサイコパス特有の共通点を」
「なによ……その共通点って? 強烈な殺意とか?」
アイリは恐る恐るキラ様に聞き返す。
「いんや……真相心理は色のようなもので見えるんじゃ。 例えば青色なら信頼や誠実、赤は自信や情熱、緑は癒しや安らぎなどソヤツが根柢に持つ独自な色があるんじゃ。
表面の行動や、口では何とでも上手く言える奴でも、どんなに用意周到に賢く振る舞っても心の奥底の色までは誤魔化せない。
ソヤツラにある心の奥底にある共通点は……飲み込まれそうになるほど根深い黒、例えるなら闇色じゃった……。 そう、アヤツラは何かしろの強烈な闇を抱えておった。 それが劣等感からくるもだったり、強い嫉妬だったり色々な要素を含めサイコパス特有の色。 それが闇色。 それを長く見過ぎるとこっちの頭がおかしくなる程にコンプレックスのような強い感情を心の奥底に持っておったわ」
「闇色………なんか怖いわね」
「じゃ……じゃあユウキは?」
「………」
シャルルとアイリが答えるなか、一人ニーアだけは黙って聞いていた。
「ワチも同じじゃろうと思っておった。 口では何とでも言って誤魔化すヤツラは腐るほどおったからの。 じゃから心の奥底に闇があると思っておった 」
「おった……って。 キラ様、もったいぶらないで早く教えてちょうだい」
シャルルはキラ様の肩を持って真剣な面持ちで答えを求めた。
「ああ。 アヤツの心は闇など微塵もなかった。 それどころか、あるのは眩いばかりの光じゃったよ……。 ワチも初めてみた時は信じられんかったわ。 神でもない人間が心から光を放っておる姿に。 そしてそれから疑問に思ってしまった」
それを聞いて周りは安堵のタメ息をこぼす。
「ほら。 ユウキが犯罪者な訳ないじゃない。 ほんとビックリさせないでよ。 でもこれで真実にたどりついたわよね? そんな色した罪人は一人もいないんでしょ?」
アイリはユウキが大罪人じゃないだろうと分かると強気に答えた。
そして黙って聞いていたニーアは何の疑問も抱かず真っ直ぐな目で答えた。
「あのユウキ様が罪人であるはずがありません。 それは私たちが一番よく分かってることでしょう?
私はユウキ様と出会った時、誰も助けてもらえないなか本当に困っていた私に、一人だけ優しく手を差しのべてくれ救ってくれた最愛の人なんです」
「そうね。 確かに愚問だったわね。 私もコカトリス拐われた時に真っ先に助けに行くって言い出してくれたのも、お人好しのアイツだったわよね」
「それは私もよ。 ライオネスの殺られそうになった私を、タイガも父上も一緒に窮地から救ってくれたのもユウキの力があったからよ。 そうよね。 私達がユウキを信じてあげなくてどうするのよ」
シャルルは少しでも疑ってしまった自分に言い聞かすように力を込めていった。
「ずっとアヤツを見張っていて、それは確信に変わっていったよ。 アヤツは罪人などではない。 神の間違いで罪人になってしまった可哀想なヤツじゃと」
キラ様は少し申し訳なさそうに答えた。罪を被せられてこの世界に転移させられて来てしまったユウキの事を考えたら。
本当はユウキなら天界にいけるはずだったかもしれないと。
「だったらなんで訂正させないのよ。 間違えてるならユウキが可哀想でしょ」
「訂正ならもう何度も天界にしたんじゃよ。 じゃが、返事が返ってこんのじゃ」
「どうなってんのよ。 神様もさっさと返事をよこしなさいよ。 それが神の仕事なわけ?」
アイリは苛立ちを隠せずキラ様に詰め寄る。
「すまんの……。 これはあくまで推測じゃが、天界で何かが起きておる。 ワチはそう思っておる」
キラ様はあまりに返事の遅いマリア様に、天界で何かが起きていると踏んだのだ。
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