7話 ビックラビット討伐
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俺達は武器と防具屋にいた。
遊び人は大剣や楯など重い装備が出来ないから軽い装備になる。
それはゲームのような設定と同じなんだな。持ってもブロックがかかったかのように動かせなくなるのか。
「うーん。 短剣のこれとブーメランか?」
「状態異常が付いた剣を選ぶとよいぞ」
俺はキラ様に説明を受けながら装備を選んでいると店主が声をかけてくれる。
俺にはどの剣がよくて、悪いのかさっぱりわからんな。これはゲームとは違うとこだな。
実際に持っても武器の強さが表示される訳じゃない。目で見て決めるしかないのか。
「兄ちゃん、何を探してる? 職業は?」
俺は、またここでもかとも思ったが正直に答える。今は必要最低限な武器と防具が必要だからだ。
「遊び人ですよ」
「ほーっ。 中々変わった職業を選んだもんだ!」
店主はさっきのギルドの連中とは違いバカにすることはしなかった。
この世界にもまともな人がちゃんといるんだと少しだけ俺は安心したぞ。
「今までここで長年店をやっとるが、職業が遊び人は初めてだ」
上機嫌で店主は答えた。そりゃそうだろう。俺だってまさか遊び人になるなんて思ってもみなかったからな。
「それなら、この剣はどうだ? 麻痺属性が付与してある。 相手も動きが鈍るし使いやすいだろう」
「あと、遠距離だとこのブーメランはコントロール補正がいいから使いやすいだろう」
キラ様も店主の丁寧な説明に納得する。
「うむ。 それでは、その2つでよかろう」
「ああ 」
「まいどぉ。 後は防具だがお前さんは変わった服装しているな」
ん~。そりゃ前世から着てきた服だからな。スーツ姿の人間なんてこの世界には一人もいないだろうさ。
「あ、まーちょっと遠い所から旅をしてきたので……」
「そうか。 ならちゃんとした防具も揃えておかないとな」
そういい、店主は軽い皮で出来た服を持ってくる。
「こいつはホワイトウルフの皮で作った服だ。 軽くて丈夫で動きやすい。 兄ちゃんの職業にぴったりなはずだ」
「ズボンは攻撃が貫通しにくいチークアルマジロの固い鱗と表皮から作ったこいつはどうだ?
鱗は固いが皮は柔らかいから動きの妨げにはならんはずだ」
履いてみて納得する。軽いのに鱗がしっかりとしている。ちょっとした攻撃なら通りそうにない。
「うん。 こいつなら脚の致命傷は避けれそうだ」
「ありがとう。 こいつら買っていくよ」
「サンキュー。 オマケに薬草つけとくよ」
「新人が冒険で活躍出来る事を祈ってるよ」
「ありがとう。 がんばるよ」
俺は店主に励まされ。店を後にする。 ちゃんと話したらいい人だったな。
「よし。 これで戦う準備は整った。 ギルドに戻ってFランクのクエストを見に行こうキラ様」
「うむ。 分かっとるではないか」
ギルドに戻りクエストを探していく
「Fランクのクエストは……」
何々……貴重な薬草の採取に、怪鳥の卵の運搬、ウルフの討伐。当たり前だけど難しそうなやつはまだないな。
俺は初めてなので手始めに簡単そうなやつを選ぶ事にする。
「あっ、これなんかいいんじゃないか?」
俺はビックラビットの3匹討伐の受注票をとる。
ラビットと言うくらいだから簡単だろう。
「そうじゃの。 先ずはそれくらいからこなしていくか」
さっきの連中達が俺を見つける。
また何か言ってくるつもりなのか。
「おっ、ちゃんとした装備を揃えてきたみたいだな」
「クエスト受けるみたいだぞ」
「違うだろ? 今から町で大道芸をやるんだろ?」
「くっ。 笑わすなよ」
「ひゃはぁはぁ!!!」
またしてもバカ笑いがギルド内に響く。
俺の血圧が急上昇していくのが分かったが、今は我慢しよう。すぐお前らなんて見返してやるから。
「程度の低い連中じゃのぅ」
「ほかっておけばいいですよ」
握り締めた受注票を、俺は受付嬢のニニアさんの所に持っていく。
「このクエストをお願いします」
「ユウキ様、早速ビックラビット3匹討伐ですね」
「でも、一人で3匹も大丈夫ですか? Fランクといえど油断していると怪我をしてしまいますよ」
そう言って心配してくれるのはニニアさんだけですよ。その優しさに俺は惚れてしまいそうだ。
「大丈夫じゃ。 ワチがサポートするからの」
その言葉を聞いて受付嬢のニニアも安心する。
「キラ様がサポートに入って頂けるのなら心配ないですね。 気を付けて行って下さいませ」
「ありがとう」
俺は受理された受注票を取り正門に向かう。街を出てすぐ2~3Km離れたビックラビットが生息しているという場所に向かった。
「まずは戦う前に予行練習しておこう」
「うむ。 短剣からやってみるか」
俺は腰に装備した短剣を抜く。
なんたって剣も握ったことないからな。子供の頃に遊びでチャンバラくらいしかやったことない俺には本当に戦えるのか、職業以前の問題もあるんだよ。
俺は職業遊び人になってから不思議なことが身体に起きていた
スキル 『遊ぶ』
頭の中に浮かぶ遊ぶという文字を選択していいものなのか。絶対大したことないスキルなのは予想つくけど。
「なぁキラ様。 頭の中に遊ぶって選択文字が浮かんでるんだけとど選択出来るのかな?」
「ほぅ。 スキルがいきなりあるとはの。 頭の中で強く念じてみるとよい」
俺は念じるスキル 遊ぶ を!!
「おぉぉぉぉぉ!!!」
この感覚は!!!
憑依されたかのようにピッチングを構える。
これは俺が好きだった野球選手の野野投手のトルネード投方じゃないか!
俺の周りに砂煙が巻き起こる。
短剣の使い方を無視した投げるという行為
「……またコヤツのスキルはムダに隙が多いの」
短剣を投げる標的を大木に定める
すると木の中心に的が現れる
「ん? あれに向かって投げろってことか?」
俺は振りかぶった体勢から全力で投げてみる
「ほぉっ!!」
投げた短剣は勢いを増して標的のど真ん中に突き刺さる。
ドンッッ!!!!!
ビギッ………ビギッ……
「えっ?!」
ズッ…………ドォォォォォォン……………
大木が真っ二つに割れた
「えぇぇ……。 想像以上だな」
神のギフトを受け取った俺は何となく感じていた事が確信に変わる。
転生してきたときよりも更に身体が軽い。強靭になっている。これも天職のお陰なのだろう。
「 ……… 」
大木に投げた短剣をとり 普通に構えて振ってみる。
スパァーン!!
素振りで結構いい音するんだけど。
「ん?…………これって普通なの?」
「うむ。 どう見ても遊び人の強さではないな」
「だよね……」
拍子抜けするほど振れてるな。剣を振る身体も思ったよりも違和感ない。
スキル遊びはお蔵入りだが、これならなくても充分戦えそうだ。
ゲームの遊び人のスキルにも使えないスキルが随分と沢山あったもんな。
「その強さならFランク程度の魔物なら全て一撃じゃろう」
強さの指標が戦ったことないから分からないけど、キラ様が言うなら間違いないんだろう。
「後は実戦でどれくらい使えるスキルが存在するかじゃな。
遊び人はほぼ魔法も覚えんと言われとる。
マジックポイントも少なく乱発も出来ん。
覚えるのはスキル中心になるじゃろが剣士などが覚える超攻撃型スキルは覚えないと思った方がいい」
それを聞いて予想通り過ぎて納得する。やっぱりそこは遊び人なんだな。
「うーん。 そうなるとクエストの階級が上がって魔物のレベルも上がってくとギフトの恩恵がなくなりそうだな」
「それはないはずじゃギフトを受け取った者は強くなればなるほどその職業の影響が強くなる。 だから遊び人として………」
「遊び人として遊び人の要素が強くなってったら最終的に戦わなくなるんじゃ……?」
「むむむ……」
「ワチとてこんなケースは初めてでなってみんと分からんわぃ!!」
俺はキラ様にド突かれる
「くべぇっ!!」
こうしてビックラビットの元に行き、ユウキは短剣であっさり3匹を討伐したのであった。