69話 死神の森
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少しの間、短編で更新していこうと考えています。
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キラ様から邪気スポットの説明をする中で出たのは危険という言葉だった。
旅の途中でキラ様が真顔で死ぬ程危険な時にだけ言うイヤな台詞だ。
俺は以前討伐した獣王ライオネスのことが頭をよぎる。
あれほどの強敵がまだこのマール大陸にいるとは思いたくはないが、俺達だってあの時より更に強くなっている。
ライオネスと同じ位の強さなら聖気が馴染んだ二人、そして新にアイリちゃんの三人が加わっているんだ。普通に考えたら負ける要素は少ないだろう。
でも、それを見越してキラ様が今回も危険と言っているのであれば……。
「その邪気スポットの場所は?」
俺はキラ様に聞いてみる。 何となくイヤな予感がしたからだ。もしかして……
「邪気スポットはワチ達もよく知っておる以前討伐したライオネスの本拠地ゴーストタウンから北に10キロ離れた場所にある 通称『死神の森』という所じゃ」
「ゴーストタウンに死神の森……。 また二つともえらい物騒な名前だな……」
ライオネスは死んでもまた関連してくるのか。
あれくらいイカれた殺戮集団は、この世界で何の理由で落ちこぼれたかまでは知らないが、普通はああまではならない。正気の沙汰じゃなかった。 まるで何かに取り憑かれたかのようだった。
とすると、やっぱり邪気の何らかの影響を受けていた可能性は高い。
するとシャルルが少し怖い顔をして話し出す。
「聞いたことあるわ。 一度『死神の森』に足を踏み入れたら最後、戻って来た者は誰一人いないって言う恐ろしい森よ。 しかもあの森のすぐ側にはライオネスがいたから、本当に誰も近寄るハンターも国の騎士団もいなかったのよ」
ニーアも同じように語りだす。
「確か一流ハンターも、国の騎士団ですら対応出来ないほど危険区域だったはずですよね」
そんなに危ないところなのか……。
「なら、殺戮集団の残党とも戦う事になるかもしれないな……」
「ユウキ様。 あの殺戮集団は私達の顔を間違いなく覚えています。 必ず死神の森に近付けば仕掛けてくると思います」
ニーアが警告をしてくる。あの殺戮集団は一度標的にされたら俺達が壊滅するまで執拗に狙ってくるとのことだった。
A級の奴もまだ何人も残っていた。 撃退したといっても千人近くは残っていたはず。
またあの残虐非道な奴らと戦いをするのか? しかも俺達タイガも数えて6人で。
前はロザリア王国の騎士団もいたが今回はいない。
初めて戦う事になるかもしれないアイリは顔を強ばらせていた。
この次の邪気スポットには間違いなく強敵がいる。
俺の今までの勘がそう告げていた。
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